【連載】寿命を縮める食品ランキング(7)健康に良い?とされる食品(1)
昨日に続いて、YouTubeの【ゆっくり解説】で指摘されていた危ない食品の話題。
これまで、健康に悪いとされる食品について考察してきたが、解説動画の中にはその逆手をとって「実は体に良い」という食品を挙げている動画もいくつかあった。その中には、「ゆっくり霊夢」と「ゆっくり魔理沙」 が登場するものもあり、「これは体に悪い」と言っていたキャラが別の動画では「実は体に良い」と主張したりしていて、ひょっとして二重人格ではないかと思ってしまうほどである。
今回は、「実は体に良い」と主張している解説動画のうち、
●ゆっくりグルメ紀行【ゆっくり解説】スーパーやコンビニで売ってる実は体に良い食べ物6選
について考察する。この動画で挙げられていた「6選」は、「ケチャップ」、「コーヒー」、「卵」、「プリン」、「チョコレート」、「カット野菜」であった。
- 「ケチャップ」については、原材料トマトに含まれているリコピンの効用が挙げられていた。その理由だけであれば生のトマトを食べたほうがいいはずだが、動画によればケチャップのような加工したトマトのほうがリコピンの吸収率が2.5倍以上であること、また加工用のトマトは生食用と違って完熟の状態で収穫され短時間以内に加工されるため栄養分が失われないとされた。
- 「コーヒー」にはカフェインやポリフェノールが含まれている。カフェインは時と場合によっては、利尿作用や血行促進効果がある。コーヒーのポリフェノール・クロロゲン酸は肝臓でフェルラ酸に代謝されるがこれには血液をさらさらにする効果があり、心筋梗塞や脳卒中のリスクを下げる。但し摂りすぎは良くない。他の食物にもカフェインが含まれていることを勘案し、3杯〜5杯以下にする必要がある。
- 「卵」は完全栄養食と言われており、ビタミンC以外の栄養素はすべて含まれているという。その中の「レシチン」や「コリン」はアセチルコリンの現象を防ぐことにより認知症予防に効果がある。レシチンにはまた、血中のコレステロールを溶かす効果がある。卵はコレステロールが多いと思われているが、レシチンは悪玉コレステロールを溶かして善玉コレステロールを増やす働きがある。近年は成人で1日2〜3個食べても問題無しとされている。さらに卵に含まれる「リゾチーム」には風邪の原因となる細菌を溶かす効果があるとされた。
- 「プリン」は他のお菓子と違って穀類や油が殆ど使われていないのでそれらがもたらすリスクを避けることができる。また100グラムあたりのカロリーは、ケーキが327kcal、ドーナツが375kcalであるのに対して126kcalと少ない。また卵や牛乳に含まれているミネラルなどの栄養素をそのまま摂ることができる。但し生クリームやカラメルをかけて食べると台無しになる。
- 「チョコレート」は本来はとても体に良い。チョコレートには「カカオポリフェノール」と「カカオプロテイン」が含まれている。カカオポリフェノールには主に高血圧防止、動脈硬化予防、老化防止の効果がある。但し一度に大量に摂取しても排出されてしまうので、毎日少しずつ摂りつづける必要がある。カカオプロテインは難消化性で便のかさを増やすことにより便通改善効果があるという。
- 「カット野菜」については、これまで殺菌のための消毒剤と、洗浄の過程で栄養分が流されてしまうと指摘されてきた。しかし、例えば刻みキャベツは15分水に浸した後でもビタミンCが85%程度残っていること、水溶性の栄養素が流れ出す量は家庭で生野菜を使う時に水洗いする時と同程度であると指摘された。また殺菌に使用される次亜塩素酸水はきちんと水で洗浄されていること、時間が経ってもカット野菜の色が変わらないのは袋の中に窒素が充填されているためであると説明された。但し、カット野菜だけでは不十分であり、他の緑黄色野菜を合わせて摂る必要がある。
ここからは私の感想・考察になるが、
- 「ケチャップ」は塩分も多く、リコピンを補給できるほどの量を使用することは無さそうに思う。それと原材料のトマトに農薬が使用されていないかどうかも気になる。結局は国内産の生のトマトのほうが安全なのではないか。
- 「コーヒー」は、定年退職前には昼食後に必ず飲んでいたが、現在は日常のメニューから外れており、旅行先で飲む程度。コーヒーを止めたのは、眠気覚ましの効果が期待できないこと、昼以降に飲むと夜中に目が覚めたあと再び眠るまでに時間がかかること、さらにコーヒーよりも自家製の飲むヨーグルトのほうが胃腸が落ち着くといった理由による。
- 「卵」は月に2〜3個程度しか食べていない。もう少し増やしてもよいかと思っている。なおリゾチームは、食品添加物としては日持ちを向上させるために用いられるということなので、単純にリゾチームの効果を期待するなら添加物としてリゾチームの含まれている食品を食べても同じことになってしまう。
- 「プリン」は、純粋に卵と牛乳だけで作られているならばより安全なお菓子と言えるかもしれないが、市販のカップ入りのプリンは、原材料として冷凍卵液が使われていたり、ショートニングや着色料が含まれている場合もありそう。自宅で作るプリンが一番だが、プリンの素を使う場合には成分や添加物に注意を向ける必要がある。
- 「チョコレート」はカカオポリフェノールの摂取には適していると思う。但し、妻が買い揃えているチョコは糖分が多い。
- 「カット野菜」については別の解説動画では「体に悪い食べ物7選」では冒頭に挙げられており、「ゆっくり魔理沙」が有害性を強調していた。今回の動画では「ゆっくり霊夢」のほうが安全性を主張しており魔理沙もこれに同意していた。作成者が別々なので当然起こりうる矛盾であるが、どちらを信じたほうがよいのか迷ってしまう。
ま、袋入りでスーパーで売られているカット野菜ばかりでなく、生協食堂やファミレスで提供されているサラダ類も洗浄や消毒といった同様の処理を施されているはずなので、100%悪いとしてしまうと外食できなくなってしまいそうだ。とはいえ、キャベツもレタスも丸ごと買ってもそれなりに長持ちするので、わざわざカット野菜を買う必要性は感じない。それと、野菜サラダはけっこうボリュームがある割りには、ほうれん草や小松菜などのおひたしに比べると繊維量や栄養素の摂取量が少な目になってしまう。野菜摂取の基本は、生野菜よりもゆでた野菜にあるように思う。
次回に続く。
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