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この時期、ウォーキングコース沿いの用水路のいたるところで見られるタガラシ。田んぼを枯らすほどに繁殖するという意味の「田枯らし」が語源かと思っていたが、噛むと辛味があるという意味での「田辛子」が語源という説もあるらしい。もっとも、「プロトアネモニンという毒をもち、誤食すると消化器官がただれたり、触ると皮膚がかぶれたりする。」ということなので、「田辛子」説が正しかったとしても辛子の代用にはならない。
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【連載】AIの進歩で仕事を奪われる人と、新たなビジネスチャンス(4)最新の記事、農業 昨日に続いて、AIの進歩と人間の仕事について考察する。 さて、最近はAIの話題が毎日のように取り上げられている。本日の朝耳にした記事を抜粋すると、
上掲の3番目の解説では「多くの可能性をひめた生成AIですから、クリアすべき問題をきちんとクリアして最大限価値を引き出す、そのための知恵を絞る、そのことが今必要ではないかと思います。」とまとめられていた。この結語は、言葉としては妥当な内容になっているのだが、そもそも、誰が知恵を絞るのか【←その際にもAIに頼るのか】、100%の人々が納得できるような「テクノロジー哲学や倫理観」があるのか? 欧米のキリスト教的な倫理観、イスラム諸国の倫理観、あるいは仏教や道教や儒教の倫理観のあいだで対立が起こった時に誰が解決してくれるのか、といった問題が残されているように思われる。 ところで、上掲の3番目の解説に続いて、モーサテでは『大浜見聞録』として、『若者が活躍!農業ベンチャー』という話題を取り上げていた。農林水産省の資料によれば、日本の農業の担い手は2022年には122万人であるが、2040年には42万人まで減少すると予想されているという。これは日本の食料自給にも重大なリスクをもたらす。そんななかで、農業の経験が無かった若者を雇用するベンチャー企業が紹介された。この企業では、スマホを通じて若者1人1人にその日の作業内容が伝えられる。作業の途中でトラクターが故障するといったトラブルが発生した時もすぐに連絡をとり対応が指示されるので、農業未経験者であってもすぐに慣れていくことができるようであった。 今回の連載との関連で言えば、農業はどんなにAI化、機械化が進んだとしても、人間がかかわらなければ成り立たない作業は残っていると思われる。上に述べたトラクターの場合も、完全に自動化できたとしても故障が起こった時に自分では修理できない。また、いくらAIの助言を受けるといっても、どういう作物を作るか、どの市場に出すかといった判断は最終的には人間によって行われる。スキナーが指摘していたように、農業における生きがいは、農作業という行動が収穫という結果によって強化されることが必要である。AIがリーダーとなり人間は機械化農業の部品の一部として奴隷化されてしまうというような事態に陥らない限りは、AIによって農業者が職を奪われることはないものと思う。それが危惧されるのであれば、山奥でのポツンと一軒家で自給自足型の農業に励むほかはないが。 次回に続く。 |