じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 4月15日の18:20〜20:00、NHK-BSPで『銀嶺の空白地帯に挑む〜カラコルム・シスパーレ〜』の再放送をやっていた【初回放送は2020年2月18日】。
 シスパーレは、2022年9月、ドバイから関空に向かう飛行機から眺めたことがあった【こちら参照】。機上から眺める分には何の苦労も要らないが、岩登りとなれば全く別次元の世界であった。


2023年4月16日(日)



【連載】チコちゃんに叱られる!「ソースとは何か?」「地震予知が難しい理由」

 昨日に続いて、4月14日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
  1. 竹に節がいっぱいあるのはなぜ?
  2. ソースってなに?
  3. 【週刊チコニュース】なぜ地震の予知は難しい?
  4. 人の数え方で「人」と「名」はなにが違う?
という4つの話題のうち、2.と3.について考察する。

 まず2.の「ソース」であるが、放送では「野菜や果物を高温の蒸気で煮込んだ液体調味料」であると説明された。
 「ソース」という言葉はラテン語のSAL(塩)に由来している。「ソース」は現在ではしょっぱくないソースを含めて広義に扱われているが、もともとは茶色い液体調味料であった。ソース工場ではたまねぎ、にんじん、プルーン、りんご、トマトなどが使われており、これらを高温の蒸気で煮込み、そこに砂糖・塩・酢・スパイスを加えていた。農林水産省の規格では、まず『ウスターソース類』が定義され、さらに『ウスターソース』、『中濃ソース』、『濃厚ソース』について細かい分類基準が定められている。
 ウスターソースの起源は諸説あるが、イギリス・ウスター市の主婦が偶然作ったのがきっかけといわれており、江戸時代末期に日本に伝わった。ウスターソースの原形は今でも現地で生産されている。日本では甘みを強めるなどして日本人の口に合うように調整し定着した。
 日本発祥のソースとしては『濃厚ソース(とんかつソース)』(1948年、神戸の道満調味料研究所【現:オリバーソース】)、『中濃ソース』(1964年、キッコーマン)がある。放送ではそれぞれの開発の経緯が紹介されていた。

 よく使われるソースの種類には地域差があり、関東では中濃ソース、関西では中濃ソースはあまり使われず、それ以外の複数のソースを使い分けているという。また地域によってソースをかける料理に違いがあり、
  • (関東)ポテトサラダ
  • (関西)チャーハン
  • 日本ソース工業会の調査によれば、関西より西に行くにつれて、天ぷらにソースをかける人が多い。
  • 九州地方では、ちゃんぽんにソースをかける人がいる。但し、ちゃんぽん店によれば、お店に置いているソースは本来は皿うどん用。
  • 北海道・網走では、キンキ(キチジ)の煮付けにウスターソースをかけて食べている。

 このほか、ソースの色が茶色いのは、野菜・果物に含まれるタンパク質と糖が加熱されることで生じるメイラード反応によるものであると補足された。

 ここからは私の感想・考察になるが、まずソースは英語では「sauce」であり「source」ではない。この2語の発音記号は異なっているが、私自身は自分が喋る時も、聞き取る時も区別できていない。
 私自身にとってソースと言えば、子ども時代によく食べた(食べさせられた)コロッケの味が思い出される。またメーカーとしてはブルドックソースが真っ先に浮かぶ。私が子どもの頃に知っていた犬の種類には、ブルドッグ、コリー、シェパード、スピッツ、秋田犬などがあったが、ブルドッグはその中でも最強のイメージがあり、ソースの瓶についていたロゴマークにも愛着があった。

 私自身は関東出身というせいもあり、ソースよりは醤油をかけることが多い。特に、焼き魚、刺身、餃子、おひたしなどは、間違ってソースをかけると不味くて食べられなくなるほどである。
 いっぽう焼きそばはソース味が好みであったが、実際にはいろいろな調味料が使われているようである。学生時代、下宿の近隣の食堂で焼きそばを食べたところ、値段が20円ほど高くなっていた。店の人に「あそこに書いてある値段と違う」と尋ねたところ「あれは焼きそばではなくてソース焼きそばの値段だ」と言われた。たった20円の違いであったが、そのことで気分を害したため、その後は一度もその店を利用しなくなった。

 いずれにせよ、ここ10〜20年ほどは塩味を避けるようになり、豚カツ専門店にでも行かない限りはソースを使う機会は全く無くなっている。別段、塩分摂取に気を遣っているためではなく、単に濃い塩味は嫌いになったというだけのことで、ほうれん草や小松菜のお浸し、天ぷら、焼き魚、もずくなどをは、醤油やソースを使わずに食べている。




 次の3.の地震予知がなぜ難しいのかという疑問であるが、放送では「地震がいつ起こるのかを予知するためのデータが足りないため」と説明された。天気予報のほうがよく当たるようになっているのは、スーパーコンピュータの中に地球全体の大気の動きを再現できるようになったため。そこに大量のデータを入れて、予報と実際の気象変化が一致するように繰り返し学習させたため精度が上がるようになった。これに対して地震のほうは、南海トラフ地震を例にとれば、684年の白鳳(天武)地震から1946年の昭和南海地震まで1300年のあいだで9回(地震の名称としては13回)しか起こっていないため、データが少なすぎる。地殻のひずみから地震発生を予知する計算式はだいたいできているが、地下の現象でもあり観測が難しい。現在はGPS、地震計、海底地震計、地盤の傾きを測る装置など、約7000ヶ所の観測地点で地下の様子が分かるようになっており、「いつ起こるか」という予測の幅は縮められていると解説された。

 大地震の予知については、少し前にマグニチュード5.5以上の巨大地震が発生した時期と、大潮になる時期、つまり月や太陽から地球が受ける重力の影響が大きくなる時期に因果関係があるというような研究論文が発表されたとも聞いている。素朴に考えても、潮汐力を生み出すほどの力が断層のひずみに全く影響を与えないとは考えにくい。とはいえ、太陽や月の引力の影響が最大になった直後に地震が起きるのか、それとも何日か経ってからのほうがトリガーが外れやすくなるのかは何とも言えない。それぞれの断層の現状に応じて、大潮から0日〜29日後に発生する地震の確率が矩形分布になってしまったとすれば、予知には役立ちそうにもない。
 ま、とにかく予知が難しい以上は、地震が起こっても被害を最小限にくい止めるための耐震対策、避難対策などを整備しておくほかはあるまい。

 次回に続く。