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【連載】チコちゃんに叱られる!「干物と自由水」「野球帽」 6月30日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この日は、
まず1.の「干物が腐りにくい理由」だが、私は単純に、干物は塩分濃度が高く浸透圧の作用で殺菌効果があるからだと思っていた。しかし、放送では「自由水が少ないから。」という聞き慣れない言葉で説明された。 放送によれば、食品の中には、自由に移動する自由水とじっと動かない結合水の2種類があるという。このうち微生物の繁殖に必要となるのは自由水であり、同じ水でも結合水のほうは腐敗には影響しない。干物を作る工程では、まず塩水につけることで浸透圧の作用により自由水が外部に移動する。さらに干すことで表面の自由水が抜けていく。イチゴジャムが腐りにくいのも同じ理由であると説明された。 興味深いのは、生のアジと干物のアジを同じ条件で焼くと、干物のアジのほうが水分が多いということであった。上述のように干物を作る時にはまずアジを塩水につけるが、アジの身の中に入った塩は一部のタンパク質を溶かして自由水を中に取り込む。こうして干物ではタンパク質の壁によって自由水が閉じ込められているのに対して、生魚の水分は殆どが壁に取り込まれていない自由水ばかりなので焼くとすぐに蒸発してしまう。こうして干物のほうはジューシーに感じられると説明された。 ということで、水分を『自由水』と『結合水』に分けて考えることで、より詳細かつ正確に干物の原理を説明できることが分かった。 ちなみに私自身は、大学入試では満点をとったほど化学を得意としていたが、『自由水』とか『結合水』といった言葉を習った記憶は全く無かった。ネットで検索したところどうやら水分活性という概念があり、食品の腐敗防止の重要な指標となっていることが分かった。 念のため、Bingに、 ●食品に含まれる水には、自由水と結合水があるそうです。このうち結合水は「タンパク質と結合した水」と定義されています。「結合」というのは、化学反応、つまり、新たな分子ができたという意味でしょうか。 と尋ねたところ、 食品に含まれる水には、遊離水(自由水)、溶解水、結合水の3種類があり、一般に遊離水が食品の悪変に影響するとされています1。結合水は、たんぱく質などの食品成分と結合しているために、自由に運動、移動することができない水で、「タンパク質と結合した水」と定義されています3。結合というのは、化学反応、つまり新たな分子ができたという意味です3。という回答をいただいた。但し、自由水が結合水になる時、あるいはその逆のプロセスで熱が発生するのか奪われるのかについては情報が得られなかった。 素朴に考えると、結合水というのが「H2O」ではなくてタンパク質と結合した別の化学物質であるならばもはや「水」とは呼べないはずだ。であるなら「自由水」のみを「水」という呼称に置き換えて説明しても本質的には変わりがなく、よりシンプルな説明になるようにも思われる。そうでないとするなら、上掲の「結合水は別の化学物質」というのは誤りで、結合水も自由水も同じ「H2O」であり、何らかの量的性質の違いとして区別されることになる。好きな科目であったとはいえ、高校卒業以降50年以上にわたって全く勉強する機会が無かったので、もはやこのあたりのことは理解できなくなった。 次の2.の野球帽の話題であるが、放送では「全員同時に帽子を脱いでいるチームがまだないから。」と説明された。公認野球規則では(高校野球や一部のローカルルールを除いて)野球帽の着用は義務づけられていない。しかしその一方、同じユニフォームを着用することがルールとして義務づけられているため、選手個人の好みによって(ユニフォームの一部と考えられる)野球帽を着脱することは認められていない。しかし全員が帽子を脱ぐことで統一されればルール違反にはならないようであった。 放送によれば、野球帽は1840年代アメリカで、ニューヨーク・ニッカボッカーズがかぶっていた麦わら帽子が最初であるとされている。ウィキペディアの説明はやや異なっており、 野球帽の原型となる丸い帽子は1850年代以前から存在していたが、1860年前後に全米野球選手協会に所属するブルックリン・エクセルシオールというチームが導入したことによって広まったというのが定説となっている。となっていた。野球帽が存続している理由としては、日差しをよけるといった機能面とメンタル面で大きなメリットがあるためと考えられているようだ。 もっとも毎日長時間野球帽をかぶって練習や試合を続けていると、頭に汗をかき皮膚の常在細菌が繁殖したり、頭皮を圧迫し続けることで血液の循環が悪くなったりして、若い年齢にもかかわらず禿げてしまうことがある。じっさい有名な野球選手の中にも薄毛の人は多いように思われる。日射しを避ける目的であればおでこの前だけにつばが広がるサンバイザーでも十分であろう。 次回に続く。 |