じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



12月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

クリックで全体表示。



 某手続のため岡大本部に立ち寄ったところ、入口に『LOVE AND PEACH』という桃とハート型の大きな看板があった。帰宅後にBingに尋ねたところ、
『LOVE AND PEACH』は、日本の女性アイドルグループ「乃木坂46」の楽曲です。この曲は、2019年にリリースされ、同年に発表された「第70回NHK紅白歌合戦」で初めて披露されました。この曲は、ピュアで爽やかなメロディーと、恋愛について歌った歌詞が特徴的です。また、MVには、メンバーたちが夏の海で過ごす様子が描かれています。楽曲の歌詞やMVから、夏の恋愛をテーマにした曲であることがわかります。
という回答をいただいた。さらに岡山大学との関係について尋ねてみたが、
岡山大学は、日本の国立大学の一つで、岡山県岡山市にキャンパスを構えています。岡山大学は、1949年に創立され、医学、自然科学、工学、人文社会科学、教育学、農学、環境科学、法学、経済学、情報科学の10学部、大学院を有しています。岡山大学は、世界大学ランキング2022で、世界の大学のうち、601-800位にランクインしています。
となっていて、『LOVE AND PEACH』との関係は答えてくれなかった【なお、学部名はだいぶ間違っているようだ】。

 ということで一般的な検索では謎が解けなかったが「岡山大学 LOVE AND PEACH」で検索したところ、こちらに、

 今、国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」達成に全学で取り組んでいる岡山大学からのメッセージです。
 「地球上の誰一人として取り残さない」というSDGsの想いを胸に、平成30年7月の西日本豪雨災害の復旧・復興に向けて、地域の皆様と手をつないで参りたいと思います。
 「LOVE AND PEACH」 は 「ハートと岡山の桃」 「手をつなごう岡山」を合い言葉に、教職員・学生は一丸となって、地域の皆様とともに、復旧・復興を目指して歩んで参ります。
という説明があった。趣旨はよく分かったが、SDGsが目ざす包括的な目標ではなく、西日本豪雨災害の復旧・復興がメインテーマになっており、よく分からないとことがある。



2023年12月8日(金)




【連載】笑わない数学(7)超越数(2)チャンパーノウン定数、ゲルフォント定数

 昨日に続いて、11月8日にNHK総合で初回放送された、『笑わない数学 シーズン2』:

超越数

についてのメモと感想。

 まず、昨日とりあげた『リウヴィル数』であるが、放送では、

1/10 + 1/(101×2) + 1/(101×2×3) + 1/(101×2×3×4) + ・・・

という級数として定義されていたが、こちらの動画では、

0.11000100000000000000000100・・・

というように、小数点以下、1桁目、2桁目、6桁目、24桁目、...に1が現れ、他は0ばかりになるという特徴があると解説されていた。1、2、6、24 、は1、1×2、1×2×3、1×2×3×4、...に対応しているので当たり前とも言えるが、こちらのほうが覚えやすい。

 少々脇道に逸れるが、リンク先の解説動画では、リウヴィル数の他に、
  • チャンパーノウン数: 0.12345678910111213141511617・・・
    • マーラーが超越数であることを証明。K. Mahler, Arithmetische Eigenschaften einer Klasse von Dezimalbruchen, Proc. Konin. Neder. Akad. Wet. Ser. A. 40 (1937), p. 421-428.
    • 数字の並びに規則性があっても超越数になる例
    • 4倍すると規則性が見えなくなってしまう。
  • ゲルフォント定数eπ
    • ゲルフォントが超越数であることを証明。
    • 『ゲルフォント=シュナイダーの定理』により証明できる。その定理とは、
      0と1以外の代数的数a、有理数ではない代数的数bを用意する。このときい、abは超越数である。
    • eπ=(-1)-i と変形できるのでゲルフォント定数は超越数であることが証明できる。
    • e+π」ではゲルフォント・シュナイダーの定理が使えない。このこともあって「e+π」が超越数であるかどうかは未だに証明されていない。

 ここでいったん感想・考察を述べるが、『チャンパーノウン数(チャンパーノウン定数)』の名前の由来となったデヴィッド・チャンパーノウンは、この数が十進正規数であることを示した経済学者である。
D. G. Champernowne, The construction of decimals normal in the scale of ten, Journal of the London Mathematical Society, vol. 8 (1933), p. 254-260
見て分かるとおり、チャンパーノウン数は十進法に依存しているが、他の進法に書き換えてももちろんその性質は変わらない。また例えば二進数に関するチャンパーノウン数( 0.11011100101110111…(2))というのもある。

 もう1つのゲルフォント定数は、ゲルフォント=シュナイダーの定理を前提にすれば、この私でも理解できる範囲で超越数であることが証明できる。この定理が発見された経緯は、こちらに記されている。もともとは1900年にパリで提起されたヒルベルトの23個の問題の7番目の問題であり、リーマン予想よりも難しいと考えられていたが、早期に解決されヒルベルト自身も大変驚いたという。

 私が理解した範囲でここまでの感想を述べると、ある数が超越数であるか代数的数であるかという問題はどうやら個別に証明しなければならないようである。となると、問題の数は無限にあり、数学者がいくら取り組んでもキリがないようにも思われる。放送の終わりのあたりでも取り上げられたが【後述】、まずは、さまざまな実数について、
  • 整数係数の一変数代数方程式の解となる数(代数的数)
  • それ以外のさまざまな方程式の解となる数
  • 特定の進数で規則性が認められる超越数
といった分類を行い、それぞれの特徴を明らかにしていったほうが生産的であるように思われる。
 あと、超越数は複素数の範囲に拡張されているが、虚数だけの独自の超越数にどういうものがあるかもう少し調べてみたい。【たとえば「iπ」は虚数であり超越数であるが、これは代数的数のiに超越数πをかけたことで生まれた超越数ということになる。このような「実数かつ超越数」の助けを借りず、純粋に虚数だけで構成された超越数が存在するのかどうか、というような意味。】

 次回に続く。