Copyright(C)長谷川芳典 |
※クリックで全体表示。 |
このところの高温傾向と長雨のため、津山線の線路沿いでホトケノザが大繁殖している。除草剤が定期的に散布される夏期と異なり、秋以降は雑草が少ないため散布が休止されており、そのスキを狙って急速に成長したものと思われる。 |
【連載】ヒューマニエンス「“死の迎え方” ヒトの穏やかな死とは」 (6)緩和医療/VRや夢で楽しむ最期 昨日に続いて、2月13日に再放送された、NHK『ヒューマニエンス』、 ●「“死の迎え方” ヒトの穏やかな死とは」 についてのメモと感想。本日で最終回。 放送では、死と向き合うがん患者の外傷後成長をふまえて、「死」が人類の歴史にも影響を与えた可能性についてコメントが交わされた。
続いてスタジオゲストが、在宅緩和ケア医の萬田緑平さんに交代した。萬田さんが考える「新しい死の迎え方」とは「死ぬまで“目一杯生きる”」ということであった。 萬田さんが担当した患者さんの中には、
多くの患者に共通しているのは痛みであるが、萬田さんが処方しているのは各種の医療用麻薬であった。医療用麻薬の効果をもたらしているのが『オピオイド』。オピオイドが脳に取り込まれると、脳幹と脊髄をつなぐ特定の神経回路が活性化され、がん患部からの一次ニューロンと脊髄との間の痛み信号伝達部分にセロトニンやノルアドレナリンが分泌され、痛み信号の伝達を抑制してくれる。 萬田さんは、そうした医療用麻薬を調整するほか、患者の心を明るくするための声かけなども行っている。寝ている時間が長くなると「棺おけに入る練習中ですね。そんなんじゃ死んじゃうよ。いいの? ちゃんと動きましょう」という冗談まじりの支援がウケたりしているという。また、死ぬのを待つんじゃなくて、例えば「孫に死ぬ姿を見せなきゃいけないんだよ」「ちゃんと格好つけなきゃいけないんだよ」といった話で心を明るくすることもあるという。 萬田さんは、緩和医療について以下のようにも語っておられた。 やっぱり死んだときに「ああいい人生だった」と本人が言って、それを支えられたって家族は満足して、晴れ晴れしく亡くなっていく。人生成功で終わる、それを手伝うと医療にとって死は失敗だけど、俺にとっては死んだときに成功で「ありがとうございました」と言われるいい仕事。 ちなみに、萬田さんは外科医を17年間つとめ、そのあと今の仕事を15年やっておられるという。外科医はたくさんいるが、家に居たい、治療したくないという患者さんを支える医者が殆どいなかったことから転身されたという。 あと医療用麻薬、決して「気持ちいい」というような快感をもたらすものではない。多くの人は「医療用麻薬が効かなくなる」「おかしくなる」「依存症になる」「最後に痛みがとれない」などと誤解している。投与量を増やす時に副作用が出るのでゆっくり増やしていく。痛みは体を弱くする一番の要因なので、モルヒネを使わずに我慢をしているとどんどん体が弱っていく。また家族は、患者を励まそうと「頑張れ」を多発するのではなく、「ありがとう。大好きだよ」と感謝することが「いい人生だった」に繋がる。 ここからは私の感想・考察になるが、私自身も、もし末期がんのような状態になった時は、抗がん剤の副作用に苦しむよりは早期に緩和医療を選びたいとは思っている。もっとも、「いい人生だった」と感じるためには、それ以前に自分自身の身辺整理をちゃんと果たし、やり残したことが無い状態を作る必要がある。いくら「ありがとう」とか声をかけられても、未練があるうちは死にきれない。 緩和医療でいくら痛みが取れたとしても、一日中眠ってばかりでは生き続ける意味が無い。今の時代であれば、もっとVRを活用した多様な介護を受けられるのではないかと思われる。例えば病床に巨大なモニター画面をつけて、自分の行ってみたい世界(仮想世界を含む)を投映したり、大音響で好きな音楽を楽しめるような設備があればありがたい。また、仮に一日中寝てばかりになっても、日々、ワクワクするようなリアルな夢を見られるのであればVRの装置は必要ない。これはおそらく、脳のある部位に電気的な刺激を送れば実現できるはずだ。 |