Copyright(C)長谷川芳典 |
※クリックで全体表示。 |
津山線の線路沿いの「お花畑」。ホトケノザに加えて、ノボロギクやハルノノゲシも目立つようになった。それなりに春らしい風景でもあるが、あまり有難くない雑草でもある。 |
【連載】100分de名著 #136『偶然性・アイロニー・連帯』(6)第1回 近代哲学を葬り去った男(1)トランプ大統領誕生についての予言 昨日に続いて、2024年2月5日からNHK-Eテレで放送が開始された、 ●100分de名著 #136『偶然性・アイロニー・連帯』 についての感想・考察。本日から放送内容に入る。なお、放送自体は2月26日(初回放送)をもってすでに終了している。 さて、放送の第1回目ではまず、2016年11月にドナルド・トランプが大統領選挙で勝利したこと、それを20年前に予言したのがローティであると紹介された。ローティの予想は、 ●中間層がどんどん崩壊していき、国民の一体感は失われるだろう。その時点において何かが決壊する。【中略】一連の制度が破綻したと判断し、投票すべき「強い男」を探し始めることを決断するだろう。 『アメリカ 未完のプロジェクト(Achieving Our Country: Leftist Thought in Twentieth-Century America, 1998) というものであったという。 ここでいきなり脇道に逸れるが、念のため、ウィキペディア(英文)を参照したところ、こちらに、 Several writers have cited Rorty's prediction of the rise of an authoritarian strongman who gains popularity among blue-collar workers, as prophetic of Donald Trump's rise to political power.という記述があった。 もっとも、ローティに対するこのような評価は、SNSで注目を集めたというだけであり、予言が実証された言えるほどのものであったかは疑わしいように思う。というのは、
One thing that is very likely to happen is that the gains made in the past 40 years by black and brown Americans, and by homosexuals, will be wiped out. Jocular contempt for women will come back into fashion. The words 'nigger' and 'kike' will once again be heard in the workplace. All the sadism which the academic left has tried to make unacceptable to its students will come flooding back. All the resentment which badly educated Americans feel about having their manners dictated to them by college graduates will find an outlet.最近のアメリカ事情はよく分からないので、人種差別などに関する上掲の予想がどの程度的中しているのかは分からない。トランプはしばしば「失言」をするが、その失言が熱狂的ファンの支持をさらに強めるというのであれば、少なくとも一部のアメリカ人の本音を反映したものであるかもしれない。但し、これまでのところ、トランプの失言を自分自身の本音を言語化したものであると受け止めている人たちはアメリカ人の4割以下にとどまっているのではないかという気もする。 次回に続く。 |