じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



04月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

クリックで全体表示。



 旭川土手の一部で、セイヨウカラシナの黄色いお花畑が目立つようになった。写真上は、夕刻、助手席から撮った写真で、川の向こうは旭川荘と龍ノ口山。
 1990年代は写真下のように土手や河川敷一面が黄色い花で覆われるほどの規模を誇っていたが、最近は駆除が進み、一部の土手でしか見られなくなった。特定外来生物のオオキンケイギクも同様。



2024年4月12日(金)




【連載】隠居人が楽しめる素数の話題(8)メルセンヌ素数と完全数(3)両者の関係を示す証明

 昨日に続いて素数の話題。

●かーるのゆっくり数学 近年解明された素数の法則 6選【総集編】

を中心にメモと感想を記す。 昨日も記したように、総集編第四話では、続いて、以下のような話題が取り上げられた。
  1. メルセンヌ素数と完全数。メルセンヌ素数から完全数を作る
  2. 「奇数の完全数は存在するか?」という未解決問題
  3. GIMPSプロジェクトの紹介
  4. 現代社会におけるメルセンヌ素数の役割(暗号技術、疑似乱数生成)
  5. メルセンヌ素数の拡張

 まず、メルセンヌ素数と完全数について。完全数はすべて、

2n-1(2n-1)

で表される。但し、nはメルセンヌ素数の時のnを使う。じっさい、メルセンヌ数 2n-1 が素数となるn=2、3、5を上掲の式に入れてみると、それぞれ6、29、496というように完全数が作れることが分かる。動画では証明は紹介されていなかったが、
  • メルセンヌ素数から完全数を作ることができる。【10進数ではすべて末尾が6か、8となる】
  • 完全数が分かれば、それに対応したメルセンヌ素数が分かる
となっているらしい。但し、メルセンヌ素数から作れる完全数は「偶数の完全数」に限られており、「奇数の完全数」との関係はまだ明らかになっていないという。奇数の完全数はいまだ発見されていないが、それが存在しないという証明も無い。これまでのところ、仮に奇数の完全数が存在したとしても、少なくとも300桁以上の数になることが分かっている。

 ここでいったん私の感想・考察を述べさせていただくが、ウィキペディアによれば、偶数の完全数が全て 2n-1(2n-1)の形で書けるかどうかは18世紀までは未解決であった。レオンハルト・オイラーは偶数の完全数がこの形に限ることを証明した。こちらから無料で閲覧できるが、ラテン語で書かれてあり、私には全く理解できなかった【←英語で書かれていても理解できないだろう】。ちなみにこの論文は、 Euler (1849)として知られているが、1747年2月23日にベルリン・アカデミーにより査読され、オイラーの死後の1849年に出版されたものであるという。
 上掲の証明を分かりやすく解説した動画はYouTubeでもいくつか配信されている。但し、コメント欄を見ると、動画の中の一部に不完全な箇所や誤った前提が含まれているものもあるようだ。
 Bingに分かりやすいサイトを推薦してもらったところ、 などが紹介された。

 動画では続いて、メルセンヌ素数を探す『GIMPSプロジェクト』が紹介された。そのさい『リュカ・レーマ・テスト』により素数判定が行われているという。2018年時点では、このプロジェクトによって、「2の8258万9933乗-1」が素数であることが発見された。
 ちなみに、ウィキペディアによれば、

2021年8月現在発見されている完全数はメルセンヌ素数と同じく51個である。紀元前より考察されている対象であるにもかかわらず、「偶数の完全数は無数に存在するか?」「奇数の完全数は存在するか?」という問題は未解決である。
とのことであった。

 次回に続く。