じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 ウォーキングコース沿いで見かけた菜の花(実際はセイヨウカラシナ)と津山線『SAKU美SAKU楽』。このコラボは、
  • セイヨウカラシナの花期が限られている。
  • 除草により線路沿いの成育域が限られている。
  • 『SAKU美SAKU楽』が土日祝日のみ1往復しか運転されていない。
  • いつものウォーキングの時間帯と重ならない。
といった理由から、眺める機会は殆ど無い。



2024年4月22日(月)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「スチール缶、アルミ缶、ペットボトル」

 昨日に続いて、4月19日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。

 本日は、
  1. ハトが平和の象徴として広まったのはなぜ?
  2. 缶飲料にスチール缶とアルミ缶があるのはなぜ?
  3. 雑誌の日付が未来になっているのはなぜ?
という3つの話題のうち2.について考察する。

 さて、スチール缶とアルミ缶の違いであるが、我が家では缶ジュース、缶コーヒー、缶ビールなどは一切飲まないため、そもそも家の中で缶製品を見る機会が殆ど無い。資源ゴミ回収ではどちらもまとめて回収されているが、毎月1回NPOが行っている段ボール・クズゴミ・空き缶の回収では、スチール缶は除外されている。このほか、北九州にある某製鉄会社の関連施設では、建物内の自販機がスチール缶に限定されているのを見かけたことがあった。いずれにせよ、ふだんは、スチール缶なのかアルミ缶なのかに注意を向けたことがなかった。

 放送では、正解は「スチール缶はお茶やコーヒー、アルミ缶は炭酸飲料を入れるため」であると説明された。飯田有二さん(東洋食品工業短期大学)&ナレーションによる説明は以下の通り。
  1. まずスチール缶を使った缶コーヒーの製造工程を見学。
    • 焙煎したコーヒー豆を粉砕し約90℃の熱湯で抽出したあと砂糖やミルクを入れて味を整える。
    • できたコーヒーが冷めないうちに超高速で缶の中に充填し蓋を閉める。
    • 超大型の殺菌窯に入れ、100℃以上の高温でレトルト殺菌し、常温まで冷まして完成。
  2. アルミ缶に入れるビールの製造工程を見学。
    • 原料となる大麦麦芽を粉砕し窯に入れ加熱してかき混ぜる。
    • できたビールの原液をろ過し酵母菌とホップを入れ約1か月発酵し、炭酸ガスとアルコールを含んだビールができる。
    • 冷やしたビールを炭酸が抜けないようアルミ缶に入れ蓋を閉めたら缶ビールの完成。
  3. 上記のように、缶ビールには加熱殺菌の工程がない上に冷やしてアルミ缶に入れている。
  4. スチール缶とアルミ缶それぞれにお湯を入れて蓋を閉めて冷やす実験を行ったところ、アルミ缶は潰れてしまった。
  5. 熱い飲み物が入った缶の中は水蒸気で膨らんでいるが冷めると水蒸気が液体に戻り缶の中の体積が減る。このとき内側に縮もうと強力な力が働く。やわらかいアルミ缶はこの力に耐えることができずにへこんでしまう。
  6. 『食品衛生法』では缶飲料の成分によって異なる殺菌の仕方が定められている。
    • お茶・コーヒー・乳製品などは高温での加熱殺菌をしなければいけない。
    • 炭酸飲料は強い酸性なので殺菌が必要ない。
    そのため加熱殺菌して冷ましてつぶれないよう硬いスチール缶。加熱殺菌が必要ない炭酸飲料はやわらかいアルミ缶に入れることができる。さらに炭酸が発泡して膨らむのでやわらかいアルミ缶でもつぶれにくくなる。
  7. 硬さだけが問題であるならば、すべてスチール缶を採用しても構わないように思えるが、実際に現在国内で流通している缶飲料の割合は
    • スチール缶:約40億8700万缶 【生産数。スチール缶リサイクル協会による】
    • アルミ缶:約215億3000万缶 【消費数。アルミ缶リサイクル協会による】
    となっていて、アルミ缶のほうが圧倒的に多い。里達雄さん(東京工業大学)によると、
    • アルミは鉄(スチール)の約3分の1の重さなので、たくさん積載でき、運ぶのに輸送費が抑えられる、
    • やわらかいので加工がしやすくコストが抑えられる。
    • アルミはスチールよりも熱の伝わる速さがおよそ3倍と冷えやすく温めやすいので、夏場でも自動販売機に補充後すぐに冷たい飲み物を買うことができる。
    というようにアルミ缶のほうがメリットが大きい。
  8. 一方でスチール缶はアルミ缶よりも温度が長く持続するので冬場でも温かさが長持ちするため、温かい飲み物はスチール缶に入れることが多い。
  9. 日々技術革新が進んでいて高温で充填するコーヒーやお茶でもアルミ缶がつぶれない方法がある。
    • 加熱殺菌したコーヒーを高速でアルミ缶に入れさらに液体窒素を入れると冷却してもアルミ缶はつぶれなくなる。
    • 液体窒素は気化すると体積が約700倍に膨れ上がり缶の中はパンパンになる。冷めての窒素の体積が十分にありパンパンな状態が保たれているのでまだへこまない。
    • 缶を開けたときに「プシュ!」と音がするのは窒素が外に出ていくときの音。

 以上が放送内容の概要であった。

 今回の放送ではスチール缶とアルミ缶が比較されていたが、私のような古い人間には『ブリキ缶』というカテゴリーがまず思い浮かぶ。ウィキペディアでは、『ブリキ』は以下のように説明されている。l
  1. 鉄鋼(鋼板)をスズ(純スズ)で表面処理した表面処理鋼板。缶詰など常に水分と接触する部材に用いられるほか、かつては玩具の主要な材料でもあった。
  2. - 缶詰は、開発当初からブリキを素材として使用されてきた。第二次世界大戦中にスズの入手難に直面したアメリカ合衆国が、電気メッキ法を考案してスズの使用量を画期的に減少させるといった進歩も見られた。戦後は、浸せきクロム酸処理をした鋼板が開発されるなど、ブリキ以外の素材も使用されるようになった。
  3. 缶飲料(容器) - 以前は飲料缶にもブリキ缶が使われていた。現在はスズを含まないティンフリースチールが主流
このブリキ缶に関連して、フルーツの缶詰では缶内面にスズが塗布されており一部が溶け出すので有害ではないかという指摘があり(じっさいにはスズは体内に蓄積されずに排出されるらしい)、このこととアルミ缶が多いことと何か関係があるのではないかと思ったが、放送の中では全く言及されなかった。

 ということで、スチール缶を使うか、アルミ缶を使うか、それともガラス瓶やペットボトルにするか、という問題は、原材料や生産工程上のコスト、運搬のコスト、リサイクルのコストなどを総合的に勘案する必要があるように思われが、究極的には地球環境を守る上でどれが最善かということにかかっているように思う。

 同じ大きさのスチール缶とアルミ缶を比較した場合、原材料や生産工程上のコスト、リサイクルのコストにはどのような違いがあるのか、Bingに尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
同じ大きさの**スチール缶**と**アルミ缶**は、原材料、生産工程、リサイクルのコストにおいて異なる特性を持っています。以下に詳しく説明します。

1. **製造過程**:
- **アルミ缶**の製造は、軽量かつ強度が必要とされる飲料缶に最適なアルミニウムの特性を活かしています。アルミニウムは軽く、熱伝導率が高いため、飲料を迅速に冷却することができます。一方、**スチール缶**はその頑丈さから、内容物を外部の衝撃から守ることに優れています。保存食品や工業用品の包装に適しており、内容物を長期間新鮮に保つことができます。また、スチール缶はアルミ缶に比べて製造コストが低い場合が多く、大量生産に適しています12.

2. **リサイクル性**:
- **アルミ缶**はリサイクル時にエネルギーの約95%を節約できると言われています。アルミニウムは溶解温度が低く、再加工が容易であるため、環境に優しく、持続可能な資源の利用を促進します。
- **スチール缶**もリサイクル可能であり、再生鉄として多くの産業で再利用されます。スチール缶のリサイクルは、新しい鉄鋼製品を製造する際の原料として重要な役割を果たし、資源の有効活用に貢献しています。ただし、スチール缶のリサイクルプロセスはアルミ缶と比較してややエネルギーを多く消費しますが、それでも原料を採掘して製造するよりはずっと効率的です12.

アルミ缶とスチール缶は、それぞれ異なる特性を持っているため、使用するシーンによって選択することが重要です。アルミ缶は軽量性とリサイクルのしやすさから、飲料缶として広く利用されています。一方、スチール缶はその強度と耐久性から、保存食や一部の飲料缶に使用されています。これらの材質の特性を理解し、適切に使い分けることで、私たちは環境保護に貢献し、資源をより持続可能に利用することができるのです12.

(1) アルミ缶とスチール缶の見分け方、製造過程やリサイクル性の .... https://santa001.com/alumi-kan-steel-kan-13806.
(2) アルミニウムはリサイクルの優等生 ごみ減量、CO2削減のために .... https://shizen-hatch.net/2021/01/05/aluminum/.
(3) スチール缶とアルミ缶の違いとは?スチール缶が小さい理由 - 30 .... https://thirties-library.jp/e1409909028/.
(4) undefined. https://www.aluminum.or.jp/box/junkan/keizai.htm.
さらに、「どちらが環境に優しい選択肢だと思いますか?」と尋ねたところ、
アルミ缶とスチール缶は、どちらもリサイクルが可能ですが、そのプロセスには違いがあります。以下に詳しく説明します。

1. **リサイクル効率**:
- **アルミ缶**はリサイクル時にエネルギーの約95%を節約できると言われています。アルミニウムは溶解温度が低く、再加工が容易であるため、環境に優しく、持続可能な資源の利用を促進します12.
- **スチール缶**もリサイクル可能であり、再生鉄として多くの産業で再利用されます。スチール缶のリサイクルは、新しい鉄鋼製品を製造する際の原料として重要な役割を果たし、資源の有効活用に貢献しています。ただし、スチール缶のリサイクルプロセスはアルミ缶に比べてややエネルギーを多く消費しますが、それでも原料を採掘して製造するよりはずっと効率的です12.

2. **重さと音**:
- アルミ缶はスチール缶に比べて軽量であり、同じサイズの缶であればアルミ缶はスチール缶の約3分の1の重さです。また、アルミ缶をたたくと軽くて高い音がします2.

総合的に考えると、アルミ缶はリサイクル効率が高く、エネルギー消費量が少ないため、環境に優しい選択肢と言えます。12

(1) アルミニウムはリサイクルの優等生 ごみ減量、CO2削減のために .... https://shizen-hatch.net/2021/01/05/aluminum/.
(2) アルミ缶とスチール缶の見分け方、製造過程やリサイクル性の .... https://santa001.com/alumi-kan-steel-kan-13806.
(3) リサイクルで地球を守る 缶から缶へリサイクル - Aluminum. https://www.aluminum.or.jp/publication/alumi-age/pdf/184/18403.pdf.
(4) 「各種容器包装の環境影響比較」 報告書. https://lca-forum.org/research/lime/pdf/09_a.pdf.
(5) undefined. https://www.aluminum.or.jp/box/junkan/keizai.htm.
(6) undefined. https://www.nies.go.jp/kanko/kenkyu/pdf/r-205-2010.pdf.
(7) undefined. https://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/data/research/pdf/121003-3_jpc_2.pdf.
(8) undefined. http://www.alumi-can.or.jp/relays/download/62/153/114/763/?file=/files/libs/763/202006231550459454.pdf.
(9) undefined. https://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/admin_info/committee/n/05/youri05_03.pdf.
という回答をいただいた。出典の中のこちら【「潜在的なセキュリティリスクあり」という警告が出るが特に問題はなさそう】でもアルミ缶の優位性が強調されていたが、これは『アルミ缶リサイクル協会』の理事長さんの発言なので、デメリットには触れられていない。

 さらに、ペットボトルとアルミ缶について比較してもらったところ、以下のような回答をいただいた。ここでもアルミ缶のほうが優位のようだ。
**ペットボトル**と**アルミ缶**は、どちらもリサイクルが可能ですが、そのプロセスには違いがあります。以下に詳しく説明します。
1. **リサイクル効率**:
- **アルミ缶**はリサイクル時にエネルギーの約95%を節約できると言われています。アルミニウムは溶解温度が低く、再加工が容易であるため、環境に優しく、持続可能な資源の利用を促進します12.
- **ペットボトル**は非常に薄い素材で作られているため、リサイクルしても、再び新たなペットボトルを作ることは不可能となり、繊維にダウンサイクルされ、カーペットや衣類、寝袋などのアイテムに使用されます。ただし、ペットボトルのリサイクル率は極めて低いです。アメリカのサイトによると、2017年の全米におけるペットボトルのリサイクル率はわずか29.3%だったそうです3.
- 総合的に考えると、アルミ缶はリサイクル効率が高く、エネルギー消費量が少ないため、環境に優しい選択肢と言えます。
【略】
環境に配慮する際、アルミ缶はリサイクル効率が高く、エネルギー消費量が少ないため、良い選択肢と言えます。123
(1) 飲料水 @容器はペットボトルかアルミ缶かどちらが良いのか .... https://www.omarojapan.com/water1_plastic_or_can/.
(2) 飲料水 @容器はペットボトルかアルミ缶かどちらが良いのか .... https://bing.com/search?q=%e3%83%9a%e3%83%83%e3%83%88%e3%83%9c%e3%83%88%e3%83%ab+%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%83%9f%e7%bc%b6+%e7%92%b0%e5%a2%83%e5%bd%b1%e9%9f%bf+%e6%af%94%e8%bc%83.
(3) アルミ缶とペットボトル、どちらが環境に悪いの? (2019年8月18 .... https://www.excite.co.jp/news/article/Karapaia_52278137/.
(4) 【ペットボトル??アルミ缶??】飲料容器環境に優しいのは .... https://stock-official.com/petbottlealmenium/.


 最後に、「ペットボトルのビールが売られていないのはなぜですか?」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
ペットボトル入りのビールが普及していない理由はいくつかあります。以下に詳しく説明します。

1. **酸素による劣化**:
- ペットボトルは缶やガラス瓶に比べて酸素を通しやすい素材です。ペットボトルの表面にはごくわずかな隙間があり、酸素のような細かな分子は透過してしまいます。
- ビールは酸素に触れることで劣化します。酸素によってビールが酸化し、濁りや褐色に変色し、さらには渋味が生じる可能性があります。そのため、ビールをペットボトルに入れておくと、品質が徐々に劣化してしまいます1.

2. **賞味期限の問題**:
- ペットボトル入りのビールは、賞味期限が短くなります。大手ビールメーカーの缶や瓶入りのビールは約9カ月間の賞味期限がありますが、ペットボトル入りのビールは1カ月ほどで賞味期限が到来してしまいます。
- 店頭での提供や持ち帰りなど、短期間で飲む場合は問題ありませんが、倉庫での保管や店頭での販売期間を考えると、ビールメーカーがペットボトル入り商品を発売しない理由となっています。

3. **国内外の違い**:
- 日本国内ではペットボトル入りのビールはあまり見かけませんが、海外では一般的です。たとえば、ドイツではペットボトル入りのビールが店頭で販売されています。ただし、日本人は味にこだわる傾向があり、缶や瓶入りのビールを選ぶことが多いようです1.

総合的に考えると、ペットボトル入りのビールは酸素の影響を受けやすいため、日本ではあまり普及していないと言えます。123

(1) ペットボトル入りのビールが普及していない理由とは .... https://tanoshiiosake.jp/5276.
(2) ペットボトル入りのビールが普及していない理由とは .... https://bing.com/search?q=%e3%83%9a%e3%83%83%e3%83%88%e3%83%9c%e3%83%88%e3%83%ab%e3%81%ae%e3%83%93%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%81%8c%e5%a3%b2%e3%82%89%e3%82%8c%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%aa%e3%81%84%e7%90%86%e7%94%b1.
(3) なぜペットボトルのビールはないの? - 教えて!goo. https://oshiete.goo.ne.jp/qa/2593741.html.
(4) 普通は瓶や缶、ビールはなぜ「ペットボトル」で販売されない .... https://otonanswer.jp/post/50632/.
 出典のなかのこちらに分かりやすい回答があった。いずれにせよ、缶ビールが普及している中で、わざわざペットボトル入りのビールを売る必要は無いように思える。

 今回の話題では、環境に優しい容器としてアルミ缶が優位になっていたが、洗浄の負荷をクリアできればガラス瓶のほうがさらに優位のようにも思える。もっとも岡山市で回収しているガラス瓶は溶かしてから再利用するらしいので熱が必要。
 あと、アルミニウムに関しては、こちらのサイトに、
水道水のアルミニウムの含有量が比較的多い地域ではアルツハイマー病の発症率が高かったといった疫学的研究結果や,アルツハイマー病患者の脳内にアルミニウムが蓄積していたという病理学的報告などから,アルミニウムへの曝露が同病のリスクを高めるのではないかという指摘は古くからなされています。
比較的最近でも,南フランスでの65歳以上1925人を対象とした15年間の前向き調査(2009年発表)において,飲料水からのアルミニウム摂取量が多かった者は認知機能の低下が速く,認知症発症リスクと有意に関連していたという研究結果が報告されています。しかし,このような関連性を否定する報告も少なくなく,結果は一致していないため,アルミニウムの摂取がアルツハイマー病の原因となるか否かについて結論は出ていません。
という情報もある。もっとも毎日、アルミ缶で炭酸飲料やビールを飲んでいる人が、そうでない人と比べてどの程度アルミを多く摂取しているのかどうかは不明。

 次回に続く。