じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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10月21日の朝、東の空に朝焼け、西の空高いところで月と木星が接近している様子【最接近は21日の17時05分】を眺めることができた。なお、備前富士の真上には雲があり『備前富士現象』を眺めることはできなかった。また前日20日の日没後はほぼ曇りで、遠ざかりつつある紫金山アトラス彗星を眺めることもできなかった。


2024年10月21日(月)




血液型と出身県で病気リスクや体質が分かるか?(4)「AB型は脳卒中、認知症」、「B型は糖尿病」と言われるが

 少し間が空いてしまったが、10月11日に続いて、「カズレーザーと学ぶ。」で9月10日に初回放送された、

●血液型と出身県でわかる!最新タイプ別の病気リスク&太りやすい体質の県

についてのメモと考察。

 放送では続いて、血液型別の病気リスクが紹介された。しかし、10月10日に記したように、それらの結論部分だけが一人歩きしてしまうと、差別や偏見が生じる恐れがある。「X型者はQという病気に罹りやすい」と主張された時には、最低限、以下の点に留意する必要があるように思う。
  1. その傾向(Qという病気に罹りやすいという傾向)は、単なる統計的な有意差なのか、それとも生理学的な因果性が証明されたものなのか?
    →単なる統計的な有意差であった場合、原因が別である可能性がある。例えばX型者は病気に罹りやすいという風説を真に受けて一定数のX型者が家に引きこもるようになったとすると、運動不足による病気、あるいや対人交流が損なわれることでうつ病や認知症になりやすくなるかもしれない。その場合、そうした病気になりやすい原因は血液型自体とは言えない。
  2. その確率(Qという病気に罹りやすいという確率)は無視できないほど顕著な大きさなのか?
    →「X型者がQという病気にかかる確率はY型者の2倍である」などと言われるとX型者は深刻な不安に陥るかもしれない。しかしもし、その確率が「X型者では1000人中2人、Y型者では1000人中1人の割合でQという病気に罹りやすい」という意味であれば、確率の大きさは2倍であったとしてもことさらに心配する必要はないだろう。いっぽう、「X型者では1000人中200人、Y型者では1000人中100人の割合でQという病気に罹りやすい」という場合は、行政的にも何らかの対応をする必要がある。
  3. その傾向(Qという病気に罹りやすいという傾向)を防ぐために何らかの措置をとることのメリット、デメリットは?
    →例えば「車を運転する人は運転しない人よりも交通事故に遭う確率が高い」という統計的データがあったとしても、「じゃあマイカーはすべて禁止しましょう」ということにはならない。現代社会では、交通事故が起こりやすいというデメリットがあっても、車を使うことのメリットがそれを上回っていればそう簡単には禁止できない。
  4. 娯楽番組や日常会話の中でその話題(X型者はQという病気に罹りやすい)を面白おかしく取り上げることのメリット・デメリットは?
    →医学的には意味のある情報であっても、その扱いを誤ると差別や偏見が生じる恐れがある。本人にはその意図が無くても結論部分だけが一人歩きして流布されていくと、想定外の弊害をもたらすことがある。このWeb日記で何度も取り上げているように、血液型性格判断は、採用人事、スポーツ選手育成方法、婚活などの分野で、特定の血液型者に不利益をもたらしている。罹りやすい病気についてはそのような心配はないだろうか?


 ということで本題に入るが、放送ではまず、AB型者とB型者のリスクが紹介された。
  1. AB型 脳卒中、認知症
    • O型者と比べると脳卒中リスクは1.83倍、認知症リスクは1.82倍たかい。
    • 正確な原因は分かっていないが、AB型者は一番免疫が弱い。免疫と神経は切っても切れない関係にあるので、神経系に影響を与える恐れがある。
    • AB型者には、A型者とB型者の両方のリスクもある。
  2. B型 糖尿病、肺炎、結核
    • フランス国立衛生医学研究所の2014年発表データによれば、B型者はO型者に比べて糖尿病のリスクが1.21倍高い。
    • B型者の血が固まりやすい(粘性が高い)ことがインスリン抵抗性を引き起こすと言われている。また腸内細菌の不均衡により腸が炎症を起こしインスリン効力が低いことも原因と言われている。【O型者は血が固まりにくいぶん、糖尿病になりにくいが個体差あり】
    • B型者の免疫系は肺炎や結核を見逃すリスクがある。
    • B型者は貧血になりにくいというデータがある。


 ここでいったん私の感想・考察を述べさせていただくが、まずCopilotでAB型者の脳卒中のリスクについて尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
AB型の人が脳卒中になりやすいというのは、一般的には証明されていません。血液型が脳卒中のリスクに直接影響を与えるという科学的な根拠はありません。脳卒中のリスクは、高血圧、高脂血症、喫煙、運動不足、肥満、糖尿病などの生活習慣や健康状態により大きく影響されます。
 いっぽう認知症のリスクについては、
いくつかの研究によると、AB型の人は他の血液型に比べて認知症になるリスクが高い可能性があるとされています。例えば、ある研究では、AB型の人が認知症や認知機能障害のリスクが82%高いことが示されています1 。このリスクの増加は、血管の健康や血液の凝固に関連する要因が影響していると考えられています1 。
ただし、血液型だけが認知症のリスクを決定するわけではありません。生活習慣や遺伝的要因、環境要因なども大きく影響します。健康的な生活習慣を維持することが、認知症の予防に重要です。
という回答をいただいた。認知症に関する出典としては、2014年9月22日配信の、

●AB型で認知障害リスク82%高 【米国神経学会】

という記事があり、
この研究は卒中に関する大規模研究(REGARDS研究)の一部で、被験者3万人超を平均3.4年追跡したもの。研究開始時に記憶や思考に問題がなかった者のうち、研究期間中に認知障害を来した495人を、認知障害のない587人と比較した。
 解析の結果、AB型の被験者が認知障害を来す率は、ほかの血液型の被験者よりも82%高かった。認知障害を来した群でAB型が占める割合は6%で、米国一般人口の認知障害発症率4%を上回った。また、血中の第VIII因子レベル上昇は認知障害や認知症と関連するが、第VIII因子レベルが高い被験者は認知障害を来す傾向が24%高く、AB型被験者の第VIII因子の平均濃度は他型の被験者よりも高いことが分かった。
となっっていた。原著は確認できていない。なお同記事では、
過去の研究でO型での心疾患や脳卒中のリスクが低いことが示されていることを紹介した上で、「血液型は脳卒中のような血管疾患とも関連していることから、本研究の結果は血管疾患と脳の健康とのつながりを強く示す」と述べている。
とも紹介されている。

 次に「O型の人が糖尿病にかかりにくいというのは本当ですか?」と尋ねたところ、
O型の血液型が糖尿病にかかりにくいという説は、一部の研究で示唆されていますが、確定的な証拠はありません。 。血液型だけで糖尿病のリスクを判断することは難しいです。糖尿病のリスクは、遺伝、生活習慣、体重、年齢など多くの要因によって影響されます。
という回答をいただいた。
 このことについては出演者の武藤十夢さん(B型者)が、

武藤家は9割ぐらいがB型で糖尿病家系。今回、血液型【が原因】だったということで腑に落ちた気がした。

というように反応しておられた。放送を盛り上げるための発言であるとはいえ、これは誤りだろう。武藤家に糖尿病が多いこと自体は遺伝的要因によるものだが、そのリスクはB型者以外の子孫にも遺伝しているはずだ。あと「武藤家は9割ぐらいがB型」というのが、どういう範囲の何人の家系なのか、9割もB型ということがあるのは少々疑問。

 次回に続く。