じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 11月3日の楽天版に半田山植物園・ロックガーデンで見かけた白いふさふさの花の写真を掲載した。画像検索では、花茎が短いもののサラシナショウマの仲間の可能性が高いように思われた。11月4日に再び観察したところ、株元に「ショウマ SP」という札があり、ショウマの仲間であることは間違いなさそう。「SP」については、こちらに、
学名表記上で見かけるsp. についてです。 これは「species」の省略を表し、「Xxxx sp.」 は「Xxxx属の一種」といった意味になります。
【中略】
例として下記のような点があげられます。
  • 属名までは特定したが種小名まで同定できる特徴が未確認
  • 学名を与えられていない未記載種

以上のような場合に「sp.」が流通の段階でつけられます。
また、その属の種全般を指し示す際にも「sp. 」を用います。


という説明があった。



2024年11月5日(火)





【連載】あしたが変わるトリセツショー『がん対策』(1)がんをどう受け止めるか

 10月17日(木)に初回放送された表記の番組についてのメモと考察。この日のテーマは、

がん対策

となっていた。

 がんの話題は各種の雑学系番組やYouTubeの解説動画で何度も取り上げられているが、今回の放送の後半では「行動科学の専門家の力を借りて、がん検診率のアップをめざす」という興味深い内容が含まれており、録画・再生で視聴した。
 ちなみにこの放送に登場された「行動科学の専門家」は、溝田友里さん(静岡社会健康医学大学院大学・保険学)という方で、教員一覧によれば、行動科学といっても行動分析学とは別で、放送でも紹介された『ナッジ理論』やソーシャルマーケティング等の活用がメインになっているように拝察した。

 まず、基本的な考え方は「がんは運」という点にある。放送でも解説されたように、がんは細胞分裂の際のコピーミスが原因で起こる。これは確率現象であり、どんなに食べ物や日常生活習慣に気を配っていても、運が悪ければ起こってしまうということだ。このことについては、がん防災チャンネルでも何度も言及されている。例えば、

がんを防ぐには何を食べたら良い?

によると、予測可能ながんの原因は、男性の場合、能動喫煙23.6%、感染【肝炎、ピロリ菌など】18.1%、飲酒8.3%などとなっているが、全部を合計しても43.4%しか分かっていないという。つまり原因が分かっている部分について最善の対策をとったとしても、残りの半分以上の確率でがんになることは防ぎようがない。がんになりやすい食べ物は避けられるならそれに越したことはないが、食事に配慮することで防げる確率はせいぜい数%に過ぎないという。
 女性の場合はさらに『運』次第であり、予測可能な原因は全体の25.3%に過ぎないという。その中で確率が高いのは、感染14.7%、能動喫煙4.0%、飲酒4.0%などであるが、食事の影響はやはり数%以下に過ぎない。
 要するに、がんを防ごうとして抗がん作用があるとされる野菜を食べたり、赤肉・加工肉を控えたり、といった配慮をしたところで、運が悪ければがんになってしまうということだ。

 ではどうすれば良いのか? ということになるが、がんを防ごうとするのではなく、がんにかかることを前提として、

●ステージが軽い段階でいかに早期発見をするか?

と考えることが最善の対策ということになる。そのためには定期的にがん検診を受けることが重要。

 ちなみに私自身は、肺がん、胃がん、大腸がんの検診を受けている【胃がんと大腸がんはいずれも内視鏡検査】。

 このうち胃の内視鏡検査は、以前は管を呑み込む時の吐き気や、胃を膨らませる時にお腹が破裂してしまうのではないかと感じるほどの苦痛があり嫌でたまらなかったが、最近はもっぱら鎮静剤使用のもとで検査しているため、眠っている間に検査が終わってしまうので苦痛は全く感じない【検査の終わり頃に目が覚めることもあるが、何かをやっているなあと感じる程度】。
 大腸の内視鏡検査のほうも鎮静剤使用で行っているため苦痛を感じることはない。但し、検査前日に食事のメニューが制限されることと【私の好物のヨーグルトを摂取できないなど】、検査の当日に2リットルもの腸管洗浄液を服用し、便が透明になるまで何度もトイレに行かなければならないという点で、胃カメラよりは遙かに大変な時を過ごすことになる。

 上記の検診は、肺がん、胃がん、大腸がんの3種類であったが、それ以外のがんも血液検査の数値から見つかることもある。もっとも、膵臓がんなどは早期発見が難しく、生存率はきわめて低いという。まあ、そういったがんも運しだいとして受け止めるほかはなさそうだ。

 がんの早期発見は、若い人たちでは特に重要かと思う。手遅れになってしまうと、自分だけでなく、配偶者や子どもを悲しませることになる。もちろんそれはそれで1つの人生だが、だからといって何もせずにほったらかしにしておいていいというものでもない。やはり、検診を受けるなど最善の対策をとるべきであろう。
 いっぽう高齢者の場合は、がんが発見されてもされなくても、それほど遅くない時期に別の病気で死ぬということもある。早期発見ができればそれに越したことはないが、ある程度進行し転移が見つかったような場合は、治すことを目ざすのではなく、苦痛をできるだけ緩和することを最優先にするべきではないかと思う。抗がん剤もあくまで患者さんのQOLを維持することが第一。このあたりの話は、上掲の『がん防災チャンネル』で大いに勉強させてもらっているところだ。

 次回に続く。