じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 半田山植物園で見かけたカマキリ。顔の接写を目的としていたため胴体や脚の特徴を細かく観察していなかったが、写真からは、
  • 顔に縦の筋が3本入っている。
  • 胸元にかすかに黄色い紋がある。
という特徴が見て取れた。黄色い紋が目立たないのはオオカマキリだが、顔の筋で「中央だけが細いのがオオカマキリ、同じような太さのが3本並んでいたらチョウセンカマキリ」という情報から、チョウセンカマキリの可能性が最も高いように思われた。


2024年12月1日(日)





【連載】チコちゃんに叱られる! 「なぜ1日は24時間?」

 11月29日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
  1. なぜクレーンゲー厶にぬいぐるみが入っている?
  2. なぜ1日は24時間?
  3. 炊き込みごはんはそもそもなぜ炊き込んだ?
  4. 【ひだまりの縁側で?】長期間、日記をつけること。
という4つの話題のうち2.について考察する。

 2.の問題については、最初は、私には何を尋ねているのかよくわからないところがあった。「1日はなぜ10時間や20時間ではなく24時間なのか?」という意味かと思ったがそうではなくて、

●なぜ地球は24時間の周期で安定して自転しているのか?

ということと、月が地球の自転にブレーキをかけているということの説明であった。なお、この放送では言及されなかったが、ウィキペディアに記されているように、
地球の自転周期は、86 164.098 903 691秒(23時間56分4.098 903 691秒)である。平均春分点の移動、即ち歳差運動に対する自転周期は恒星時と呼ばれ、86 164.090 530 832 88秒(23時間56分4.090 530 832 88秒)である。後者は前者よりも8.4ミリ秒程度短い。

となっている。公転を考慮しないと太陽の周りを地球が半周した自転で夜と昼が逆転してしまう。歳差運動の影響についてはこちらに解説があったものの、ザッと閲覧した限りではよくわからなかった。【歳差を無視すると夏と冬が逆転してしまうことは理解しているのだが、その影響は1年の長さに関わる調整であって、1日の長さには関係がないように思われる】。

 さて、元の話題に戻るが、放送では「月が地球にブレーキをかけているから」が正解であると説明された。惑星の起源などを研究している小久保英一郎さん(国立天文台)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 1日が24時間というのは地球の自転が1周で24時間ということだが、その長さには月が関係している。
  2. 地球が自転を始めたのは約46億年前、火星くらいの大きさの天体が地球に衝突したことによる。斜めにぶつかった勢いで回転するようになった。
  3. 地球にぶつかった天体は粉々になったが、その後互いの重力でくっつき合い月が誕生した。
  4. 当初地球は4時間で自転していた。今の24時間になったのは月の影響。
  5. 地球は常に月の重力の影響を受けており、月に近い面が満潮になる。また慣性力により、月と正反対側も満潮になる。
  6. 月が地球を引っ張ることで海面が上昇するが、海の水が移動するのには時間がかかる。その間にも地球は自転しているので、海面が最も高くなった部分は公転軌道上では月よりも先のあたりとなり、これにより自転にブレーキがかかるようになる。
  7. いっぽう、作用・反作用の法則により、月が地球を引っ張るのとは逆向きの力も働く。その力は月の公転方向の斜め前に働くため、月の公転速度は加速されるため、毎年3.8cmほど遠ざかっている。
  8. 現在の月は地球の半径の60倍くらいのところを回っているが、87倍くらいまで遠ざかるとそれ以上は離れなくなる。これには100億年かかる。その時の月の大きさは今の半分くらいに見える。



 ここからは私の感想・考察になるが、地球の自転速度が少しずつゆっくりになっていることは以前から知っていた。但しその原因は、大量の海水がその場所に留まろうとして自転とは反対の力が生じているためだと思っていた。バケツでモノを運ぶ時などもそうだが、バケツに石などの固形物が入っている時よりも水が入っている時のほうが波が立って運びにくくなる。これと同じ現象かと思っていた。




 地球の自転の第一原因が他の天体の衝突によるものだということは初めて知った。念のためCopilotに「地球はなぜ自転しているのですか?」と尋ねたところ以下のような回答をいただいたが、火星規模の大きな天体が衝突したという記述は無かった。
地球が自転している理由には、宇宙の形成と物理法則が関係しています。約46億年前に太陽系が形成される際、ガスと塵の雲が収縮し、その中心に太陽が誕生しました。その周囲の物質は回転しながら集まり、最終的に惑星や他の天体を形成しました。
この過程で地球に回転運動が生じ、その回転は慣性によって維持されています。つまり、宇宙空間には摩擦がほとんどないため、一度回転を始めた天体はその回転を続ける性質があります。
 地球以外の惑星もそれぞれ固有の周期で自転していることからみて、別段、大きな天体の衝突が無くても自転は起こるのではないかと思われる。もちろん別の天体が衝突することで自転軸の向きや速度が変わることはあるし(例えば天王星)、月のように自転と公転の周期が等しくなった時点で安定する場合もある。




 月と地球の間に相互に働く力によって地球の自転速度や月の公転軌道が影響を受けることは今回の説明で納得できたが、地球の公転軌道が影響を受けない(らしい)という理由はよくわからなかった。ま、こんなことで地球の公転軌道が縮小してしまえば太陽に焼き尽くされてしまうので変わらないことに越したことはないが。

 月と地球の関係についてはこのほか、
  • 水星や金星にはなぜ衛星がないのか?
  • 木星、土星、天王星、海王星はなぜたくさんの衛星を持っているのか?
  • なぜ地球は月のような大きな衛星を持っているのか? しかもなぜ1個だけなのか?
といった疑問が残る。上掲の「ガスと塵の雲が収縮し、その中心に太陽が誕生しました。その周囲の物質は回転しながら集まり、最終的に惑星や他の天体を形成しました。」というのが惑星誕生の原因であるとするなら、どの惑星も同程度の確率で衛星を保有しても良いのではないかという気がする。もっとも、火星、木星、土星などのように、小惑星帯の小さな惑星がより大きな惑星に捕獲されて、結果として衛星になったという例もあるかもしれない。




 地球上の生物で1日24時間をきっちり守ろうとしているのはおそらく人間だけだろう。野生の動物たちはたいがい、日の出から日の入りまでの時間を基準にして昼行性や夜行性の活動をしている。興味深いのは太陽が真南に位置する南中の時刻は日々少しずつ変化をしているということ。これは地球の自転速度に変動があるためではなく、地球の公転軌道が楕円であるためだと思われるが、いずれにせよ、人間は1日の真ん中を南中時ではなく時計の正午だと思い込んで行動している。

 あと、1日24時に関連する別の話題として、最近、

【海外の反応】「日本人た゛けか゛違う時間を生きている」日本にしかない特殊な概念に世界の研究者か゛大混乱した理由とは…

という動画を視聴したことがあった。リンク先では、
  • 日本ではAMやPMよりも24時間表記が多い。
  • アルバイトの就業時間では30時間表記で時間管理が行われる。
  • 交通機関の時刻表、深夜のテレビ番組も30時間表記が使われている。
といった指摘があった。日本以外では30時間表記が殆ど無いのか、また日本人はどの程度24時間表記や30時間に慣れているのかは不明だが、興味深い内容であった。
 次回に続く。