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 【連載】チコちゃんに叱られる! 素足と裸足
 
 8月22日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
 
という3つの話題のうちの最後の3.について考察する。なぜ人は手をつなぐ?
電話で「もしもし」と言うのはなぜ?
「素足」と「裸足」なにが違う?
 
 放送では、「『素足』と『裸足』なにが違う?」の正解は「石田純一か一青窈か」であると説明された。もっとも失礼ながら私は一青窈さんというお名前を存じ上げておらず、そもそも漢字表記でどう発音するのかも、「窈」という漢字自体も知らなかった。そこでまずはウィキペディアで調べたところ、
 
といった情報が得られたが、素足・裸足についての言及はなかった。一青 窈(ひとと よう、1976年9月20日 - )東京都出身の女性歌手、作詞家、女優。既婚。3児の母。姉は女優・エッセイスト・歯科医の一青妙(ひとと たえ)。 
父は台湾人、母は日本人。父は九■の金鉱経営で成功し、台湾の五大財閥(中国語版)に数えられた顔家(中国語版)の長男・顔恵民。
幼稚園卒園後に父の顔恵民を台湾に残し、母・姉と日本で生活することとなる。
小学2年生の時に父が癌で死去[3]。以降、母の姓の一青を名乗る。
2002年に「もらい泣き」でデビュー。同曲がヒットし日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞、ファーストアルバム『月天心』が注目を集め数々の音楽賞や新人賞を受賞。2003年、第54回NHK紅白歌合戦に初出場。2004年、「ハナミズキ」が大ヒット。
 
 もとの話題に戻るが、この疑問の解説者は辞書編集一筋44年、国語辞典元編集長の神永暁さんであった。今回の放送ではまず三省堂国語辞典の編纂者でお馴染みの飯間浩明さんが電話の「もしもし」の解説をしておられたが、ネットで検索したところ、神永さんのほうはこちらの記事では、
 
1956年、千葉県生まれ。1980年、小学館の関連会社尚学図書に入社。1993年、小学館に移籍。尚学図書に入社以来、37年間ほぼ辞書編集一筋の人生を送る。
というように紹介されていた。ま、語源や言葉の使い分けに関するネタには興味深いものも多いが、結局は『知識問題』(=知っている人が正解)に終わってしまうという点で物足りなさがある。やはり自力で疑問を生成し科学的なアプローチで問題解決に挑むという『謎解き問題』のほうが私には向いている。ということで前置きが長くなったが神永さん&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。担当した辞典は『日本国語大辞典 第二版』『現代国語例解辞典』『使い方のわかる類語例解辞典』『現代国語例会辞典』『美しい日本語の辞典』など多数。2017年2月に小学館を定年で退社後も、『日本国語大辞典 第三版』に向けての編纂作業に参画している。著書に『悩ましい国語辞典』『さらに悩ましい国語辞典』(単行本は時事通信社、文庫本は角川ソフィア文庫)、『辞書編集者が選ぶ 美しい日本語101』(時事通信社)、『微妙におかしな日本語』『辞書編集、三十七年』(いずれも草思社)などがある。
 
ここからは私の感想・考察を述べる。まず、ChatGPTに素足と裸足の違いについて尋ねてみた。『素足』は何も履いていない足そのものを指す言葉。靴下を履かずに靴を履いている石田純一さんの足は素足にあたる。靴は履いているものの足自体は剥き出し。下駄やサンダルを履く場合も同様で、足そのものにスポットをあてると剥き出し。
『裸足』は何も履いていない状態。
語源は肌足(はだあし)。
飛鳥時代以前の日本人は地面の上で履物を履かずに生活していた。
飛鳥時代以降、貴族や僧侶は床の上で生活するようになり、外では履物、家では履物を脱ぐという習慣が定着した。
そのさい何も履かないで地面に下りることが裸足。つまり本来履物を履くところで、履いていなければ裸足。
本来履物を履くステージで何も履いていない一青窈さんは裸足。
家の中で何を履かずに走り回るのは素足。本来履物を履かない場所で履いていないから。但しそのまま外に出ると裸足になる。
自由の女神像はサンダルを履いているので素足。
足つぼをされている足は、剥き出しの足に施術をしているので素足
足湯は湯に浸かっている状態なので素足。
柔道・柔術の場合は、本来は屋外の土の上で何も履かずに稽古・試合を行っていた名残で裸足。
 
 いいご質問です。「素足」と「裸足」は似ていますが、ニュアンスや使い方に違いがあります。
 
裸足(はだし)
**意味**:靴下も靴も履いていない、足がむき出しの状態。
**強調点**:「何も履いていない」ことそのもの。
**用例**:
* 裸足で砂浜を歩く
 * 裸足の子どもたちが走り回る
 → 状態を直接的に描写するときに使われます。
### 2. 素足(すあし)
**意味**:靴下やストッキングを履かずに、靴やサンダルを履くこと。あるいは単に「生の足」。
**強調点**:ファッションや身だしなみの文脈で「靴下を履いていない」ことを表す。必ずしも「靴を履いていない」わけではない。
**用例**:
* 夏はサンダルを素足で履く
 * 素足にパンプスは蒸れる
 → おしゃれや生活スタイルの表現に多く使われます。
### まとめ
**裸足**=「何も履いていない足」そのもの。
**素足**=「靴下を履いていない足」。靴を履いている場合も含む。
 続いて水泳選手、大相撲力士について尋ねたところ以下のような回答をいただいた。
 いい切り口ですね。水泳選手と大相撲力士の場合、それぞれどう表現するかを整理してみます。
 
### 水泳選手
* プールでは **靴も靴下も履いていない** ので、
→ **「裸足」** が自然です。
* 「素足」と言うと「靴下を履かずに靴を履いている」といったニュアンスがあるため、水泳の場面では違和感があります。
### 大相撲力士
* 力士も **靴や靴下を履かず、土俵にそのまま足をつける** ので、
→ 基本的には **「裸足」** が適切です。
* ただし、相撲界では「素足で土俵に上がる」などと表現されることもあります。これは「はだし」よりもやや改まった・婉曲的な言い方です。
### まとめ
* 一般的な表現 → **水泳選手・力士ともに「裸足」**
* 改まった表現やファッション的文脈 → **「素足」**(相撲では公式文書や説明で使われることもある)
 
 ◆つまり、
 
* 日常会話や説明なら「裸足」。
* 少し格式ばった言い回しをしたいときや公式文脈なら「素足」もあり。
 
 最後に、英語ではどう使い分けられているのか尋ねてみた。
 
 いい質問です!
 日本語の「素足」と「裸足」の区別は、英語では **直接は対応していません**。ですがニュアンスの違いを英語でどう表すかを整理するとこうなります。
 
裸足(はだし)
**英語**:*barefoot*
**意味**:靴も靴下も何も履いていない状態。
**例文**:
* The children ran barefoot on the beach.
 (子どもたちは浜辺を裸足で走った)
 * Wrestlers fight barefoot.
 (レスラーは裸足で戦う)
 ◆「裸足」は英語ではいつも *barefoot* が基本です。
 
## 2. 素足(すあし)
* **英語**:直訳はありません。状況に応じて言い換えます。
 * **ニュアンス**:靴下やストッキングを履かずに靴やサンダルを履く状態。
 ### 表し方の例
 * *without socks*
 * She wore pumps without socks.
 (彼女はパンプスを素足で履いた)
 * *with bare feet inside the shoes*
 * He wore sneakers with bare feet.
 (彼はスニーカーを素足で履いた)
 * ファッション用語的には *barefoot in shoes* も使われることがあります。
 
 ◆英語では「裸足」と「素足」をはっきり区別する単語はなく、**文脈で補う**必要があります。
## まとめ
**裸足(裸で歩く・戦うなど)** → *barefoot*
**素足(靴下なしで靴を履くなど)** → *without socks* / *with bare feet in …*
 例えば「力士は裸足です」は → *Sumo wrestlers are barefoot.*
 「彼女は素足にサンダルを履いた」は → *She wore sandals without socks.*
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