じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【連載】チコちゃんに叱られる! 「痛い」という電気信号の伝達と金属線を流れる電流の違い 10月10日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この日は『今夜は生放送! 生だけにいろんなことに生チャレンジするけどうまくいくかとっても心配 決戦は金曜日スペシャル』と題して生放送で行われた。取り上げられた話題は以下の通り。
放送では、「痛い!」と感じる仕組みは「電気信号&化学物質のリレー」が正解であると説明された。痛みを感じる仕組みに詳しい神田浩里さん(兵庫医科大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
以上の解説の後、神経細胞のリレーのプロセスがスタジオに設置した巨大ドミノセットで再現された。 ここからは私の感想・考察を述べる。神経伝達の仕組みはたぶん高校の授業で習った内容であり、別段意外性は無かった。このような地味な話題が取り上げられたのは、単に、この回が生放送であったため、巨大ドミノ倒しを実演する目的で採用されたのではないかと思われた。 巨大ドミノ倒しのゴールでは岡本さんの頭上から金タライが落下し岡本さんが「痛い!」と叫んだことで「痛みが脳に伝わった」ことで成功とされた。岡本さんは首にコルセットを付けていたものの頭頂部は無防備。理論上は安全の範囲かもしれないが、物理的な刺激を加えることは打ち所が悪ければ脊髄を痛める恐れがあり、かなり危険ではなかったかと思われた。 解説の中で1点、「電気はプラスからマイナスに流れるため、この性質を利用して電気信号は神経細胞の中を伝わっていく。」とあったことについては、小学生の頃から疑問に思っていたことがあった。それは、電子の流れと電流の流れが逆になることだ。これを機会にChatGPTに以下のような質問をしてみた。 ●電流はプラスからマイナスに流れる性質があるそうですが、電子はマイナスからプラスに流れると聞いています。なぜ逆になるのでしょうか? いただいた回答は以下の通り。 とても良い質問です。 これは「**電流の定義**」と「**電子の実際の動き**」が違う方向に定められているために起こる現象です。順を追って説明します。
以上の回答でほぼ納得できたが、上掲の電気信号の伝達では、定義上の問題としては片づけられないように思う。なぜなら電気信号は明らかに小指から脳へと伝えられているのであって、ぶつかった時の当初の痛みは、脳から小指に伝わるわけではないからだ。ということでChatGPTに、 ●足の小指が何かにぶつかったとき、痛みを伝える電気信号が神経細胞を通って脳に伝えられます。そのさい軸索はプラスマイナスが入れ替わり電気信号が生まれるとされており、隣り同士のプラスマイナスでは、【電気はプラスからマイナスに流れるため】、この性質を利用して電気信号は神経細胞の中を伝わっていくと聞いています。しかし【電気はプラスからマイナスに流れるため】というのが電流の定義上の向きであるとすると、実際には電気信号は脳から小指の方向に伝わっているということにはなりませんか? と質問したところ、以下のような回答をいただいた。 非常に鋭いご質問です。 ここでの混乱の原因は、「**電気信号**」という言葉が、 ①電流の向き(電荷の移動の向き)と、 ②神経における**情報の伝達方向(インパルスの伝播方向)** を混同しやすいことにあります。順を追って整理してみましょう。
なるほど、「電気信号」というのは金属線での電流の流れとは別物だったのか? さすがAIだ。放送でドミノ倒しが使われた背景もよく理解できた。 次回に続く。 |