じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【連載】3か月でマスターする古代文明(18)ヒッタイトの「鉄の帝国」神話(5)現代社会と考古学 昨日に続いて、 ●2025年10月15日初回放送 (3)ヒッタイト “鉄の帝国”のヒミツ の話題。 今回の放送では、政治や現代社会と考古学の関係についていくつかの興味深いコメントがあった。 まず、ヒッタイトが『鉄の帝国』であると特徴づけられた時代背景について。放送によれば、ヒッタイトを含めた西アジア・オリエント地域の発掘はヨーロッパ人によって行われた。キリスト教の影響を受けたヨーロッパ人にとってオリエントは西洋文明の起源地であり、自分たちの国家や文明や源流を求めて研究にのめり込んだ。特にヒッタイト語はドイツ語に近い言語であり、ドイツ人の中には自分たちの祖先にあたる人たちの一派ではないかと考える人もいた。当時は帝国主義の時代であり、優れた民族や優れた文明が周りの弱い文明を従えるのが当然であるという風潮があった。この考えがヒッタイトにも投影され、ヒッタイトが強い武器、新しい技術をもって周りの国々を従えていったと解釈された可能性があるという【改変あり】。但し、現在のドイツは多文化主義に変化しており、「ヒッタイトは、武力で周りの国々を従えていったというような帝国主義ではなかった」と考えるドイツ人研究者も多いという。 第二次大戦後のヨーロッパと異なり、戦後の日本では「ヒッタイト=鉄の帝国」というイメージは残り続けた。その原因についてゲスト解説者の津本英利さん(古代オリエント博物館)は次のように説明しておられた【改変あり】。
放送でもう1つ興味深かったのは、多民族・多言語という特徴が20世紀後半のアメリカに似ているという指摘であった。アメリカでは黒人の人権運動やヒスパニックの増加といった諸問題を何とかしてまとめあげていこうという大変さはよく似ている。 ヒッタイトが消滅した原因とされている異常気象や社会の分断はまさに今の我々と同じ問題であった。ヒッタイトの崩壊が社会の分断から来たというのは、現代社会を考える上でも重要。とはいえ単純なアナロジーも危険。ということでChatGPTに、 【質問】ヒッタイトが消滅した原因として異常気象と社会の分断を挙げる説が有力だと聞きました。この考えは現代社会にどう関連する可能性がありますか? と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。 ヒッタイト帝国(特に**ヒッタイト帝国**)の崩壊(前12世紀頃)は、いわゆる「後期青銅器時代の崩壊」の一環として理解されています。近年は、 * **長期的干ばつ(気候変動)** * **交易網の寸断** * **内乱・王位継承争いなどの社会分断** * **周辺勢力(いわゆる“海の民”)の侵入** が複合的に作用したとする「複合危機モデル」が有力です。
現代社会がこの先どうなるかは分からないが、自国優先主義が国家間を分断し、国際機関主導の全地球規模での環境保護が破綻し、偶発的に起こった核戦争で地球環境は回復不可能な壊滅的な状況に陥るというリスクはますます増加しているように思える。私自身はおそらくそれ以前に寿命が尽きてこの世を去るが、この先何十年も生きるはずの子や孫たちのためには、人類滅亡を少しでも先延ばしするために1つでも貢献しておきたいという気持ちは持ち続けている。 |