じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
岡大の本部棟前にある「六高菊桜」。同じ枝をほぼ同じ角度から写したつもりであったが、本部棟完成により、背景が全く変わってしまった(写真下は2001年4月21日撮影)。旧日本軍第17師団(大正14年廃止)司令部・歩兵第33旅団司令部の一部移転作業の様子は、1月9日の日記や1月14日の日記に記してある。 |
【ちょっと思ったこと】
北京やトロントに出張するとプラス10日の自宅研修 SARS(重症急性呼吸器症候群)の影響が深刻になってきた。外務省は、新型のウイルス性肺炎が広がっている中国・北京の危険情報を引き上げ、「渡航の是非を検討し、不要不急の渡航は延期を勧める」という情報を出したという。これに応じて当面、北京方面へのパック旅行を取りやめる旅行会社も出てきたという。 国立大学では、この種の情報や指示は、外務省のほか文部科学省経由、地元自治体経由でなされており、統一的な対応がとれていないようであるが、岡大ではつい最近、このことについて、保健管理センターより 岡山県教育委員会は下記の如くSARS伝搬確認地域からの転入者・帰国者には10日間の自宅学習を指示しています。という形の「勧告」が伝えられてきた。 なお、伝搬確認地域は4月19日現在で、 トロント(カナダ)、シンガポール、北京、広東、山西、香港、内モンゴル自治区(中国)、台湾、ハノイ(ベトナム)、米国、ロンドン(英国)となっているが、台湾、米国、ロンドン(英国)は「限定的な地域内伝播であり、且つ平成15年3月15日以降の当該地域からの国外への伝播は確認されておらず、且つ密接な ヒト-ヒトの接触以外の感染伝播が報告されていない地域」とされているため、今回の対象からは除外されているという。 この情報のルーツは、岡山県教育委員会が平成15年4月14日付け)で発した指示によるものであり、そこでは、伝播確認地域から転入・帰国する児童生徒を県内の学校に受け入れる場合の措置を定めた内容となっている。今回の「勧告」はそれに準拠し、大学内においても、日本人学生や留学生はもちろん、教員の出張を含めて、自主的に防止策を講じようという趣旨のものではないかと理解している。 この勧告で若干分からなかったのは、元の通知で「伝播」となっているところが、「伝搬」に書き換えられている点だ。あるいは単なる誤認かもしれない。 それと、勧告では「自宅研修」を呼びかけているが、少し前に、少なくとも岡大では「自宅研修」は制度的には認められていないと聞いたことがあった。自宅近くの図書館や資料館で、その施設にある図書や資料を利用して研修をすることは認められるが、自宅内で仕事をすることはダメだという内容だ。このあたり、さっそくツッコミを入れてみようかと思っている。 SARSの打撃が一番大きいのはやはり中国であろう。私が所属する学会でも来年あたり、北京で国際会議を開催する計画があったが、SARSがおさまらなければ会場を別の国に移さざるを得ない。中国に生産拠点を移している日本企業の打撃も深刻。少しでもはやく、ワクチンと特効薬の開発に着手してもらいたいものだ。 |