じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] ビヨウヤナギ。手入れが要らず雑草を抑えるので、道路沿いに植えられることが多い。キンシバイによく似ているが、雄しべが長い。


6月6日(金)

【ちょっと思ったこと】

セ・リーグの観客減少を憂う

 セ・リーグは6日、第2クール終了時(6月5日)の観客動員数を発表した。それによれば、1試合平均の観客数は3万1758人で前年同期比4.8%減少。主催試合別では、阪神が4万3655人で3%増、巨人が微増、他球団はすべて減少となっているという。

 ここ数日の観客数をチェックしてみたところ、
  • 6月4日(水):阪神(vs中日)4万8000人。広島(vs巨人)1万5000人。
  • 6月5日(木):阪神(vs中日)4万6000人。広島(vs巨人)1万6000人。横浜(vsヤクルト)1万2000人。
  • 6月6日(金):ヤクルト(vs阪神)4万5000人。横浜(vs巨人)2万4000人。中日(vs広島)3万1000人。
となっており、巨人がビジターとなる試合の観客数が少ないことが分かる。いっぽう、6日の神宮球場もそうであったが、阪神ファンはどの球場にも多数押しかけるので勝てば勝つほど盛り上がってくるようだ。

 6日の横浜・巨人戦(横浜12-巨人7、投手10人、ホームラン6本)のようにピッチャー総崩れでは、観るほうも疲れるばかり。6月7日の新聞テレビ欄には「ハマの夜空で大空中戦 今日は出るか場外HR」などという宣伝文句が書かれてあったが、花火を観たかったら隅田川にでも行けばよい。9回逆転の値千金のホームランは感動を呼ぶが、弱体投手陣相手に、ホームラン競争などやっても観客はやってこない。野球の本当の面白さは、接戦の中でダブルスチールを決めるとか、犠打で得点するといった、技のかけ合いにあるのだ。

【思ったこと】
_30606(金)[数学]川渡しパズル(3)マングース問題とオーク問題の共通性

 とりあえずの最終回。

 6/4の日記では、よく知られている「川渡しパズル」をいくつか御紹介したが、中でも、オークとホビットの問題は、思考心理学の教材として昔から利用されてきた。ここで問題を再掲すると
3人のオークと3人のホビットが川を渡る。舟には2人しか乗れない。オークのほうがホビットより数が多いと、オークはたちまちホビットを食べてしまう。どうやって渡るか。
となる。川の渡り方は一通りではないが、じつは、一昨日に取り上げたマングース問題:
蛇、カエル、マングースの親子が川を渡ることになった。船には二匹しか乗せられない。子供どうし、大人どうしでは問題ないが、子供は自分の親と一緒に居ないとすぐさま他の大人に食べられてしまう。三組とも無事に川を渡るには何回かかるか。
と同じ手順でも解決が可能である。つまり、マングース問題の大文字ABCをすべてホビット(“H”)に、小文字abcをすべてオーク("O")に置き換えると、そっくりホビット・オーク問題の解法の1つとすることができる。
マングース問題ホビット・オーク問題
  • ABCabc|   [初期状態]
  • ABCc|ab
  • ABCac|b
  • ABC|abc
  • ABCa|bc
  • Aa|BCbc
  • AaBb|Cc
  • ab|ABCc
  • abc|ABC
  • a|ABCbc
  • ab|ABCc
  •  |ABCabc【合計11回、5往復半】
  • HHHOOO|   [初期状態]
  • HHHO|OO
  • HHHOO|O
  • HHH|OOO
  • HHHO|OO
  • HO|HHOO
  • HOHO|HO
  • OO|HHHO
  • OOO|HHH
  • O|HHHOO
  • OO|HHHO
  •  |HHHOOO【合計11回、5往復半】


 なぜ、このような置き換えが可能なのだろうか。ここで、
  • 共存状態:渡る前、向こう岸、舟の上、いずれの場所でも誰も食われない状態
  • 禁止状態:いずれかの場所で誰かが食われてしまう状態
を考えると、マングース問題で「子供の数>親の数>0」という場所が生じることは、無条件に禁止状態となる(親と一緒に居ない子供は別の親に食われてしまうから)。マングース問題に解法があるならば、それは必ずこの禁止状態を避けていなければならない。いっぽう、ホビット・オーク問題の禁止状態とは、「オークの数>ホビットの数>0」のみであるので、「子供→オーク」、「ホビット→親」と置き換えることにより、「マングース問題の解法が存在するならば、その解法は、無条件にホビット・オーク問題の解法となる」ことが証明される。

 なお、マングース問題では、親の数と子どもの数が同数であっても禁止状態となる場合がある(例えば、マングースの親とカエルの子が一緒に舟に乗るのは禁止状態)。従って、ホビット・オーク問題の解法がすべてマングース問題の禁止状態を解消するとは限らない点に注意する必要がある。また、以上の考察では手数が最少であるかどうかは考慮していない。

 この種のパズルの解法は、おそらく数学や工学分野でもっと一般的な形で論じられているに違いないが、素人の私にはこれ以上のことは分からない。私の興味は
  • 登場人物(動物)が6人(匹)、舟には2人(匹)しか乗れないという条件の下での最強の禁止状態は何か。ここでいう「最強」とは、解法が一通りであり、最少手数がなるべく多いようなもの。
  • 解法が存在しないのはどういう場合か。それを簡単に判定する方法は?
  • 共存状態や禁止状態を視覚的に表す方法は無いか。
 3番目の視覚表現で連想されるのは、パソコンが登場した頃に流行した「倉庫番」ゲーム、あるいは、コマをスライドさせて牛や「箱入り娘」を移動させるゲームなどとの対応だ。このことを含めて、どなたか情報をいただければ幸いです。