じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] ワルナスビの群落。最近、大学構内で増えているように思う。地下茎が発達していて、地上部を除草したり、葉っぱに除草剤をかけるだけでは効果が少なく、草取りの際に、結果的に他の雑草よりも生き残りやすいためではないかと思う。ワルナスビの仲間は棘があり、また有毒であるため、草食動物にムシャムシャ食べられる可能性も低い。こちらの写真は、カラコルムハイウェイ沿い(インダス川上流域)で撮影したワルナスビの仲間。


8月3日(水)

【ちょっと思ったこと】

高いこころざしは体重・体脂肪減少に顕著な効果をもたらす

 昨日の日記で取り上げた職員の定期健診だが、8月3日の8時50分より予定通り受診。とりあえずの速報値として
  • 体重は61.9kg(前年度より3.9kgの減少!
  • 体脂肪率は16.9%(前年度の記録は無いが、何とか正常範囲)
という成果が得られたことが判明した。

 前年度に比べて体重を6%も減少させることができたというのは、なかなかのもの。担当医師からも褒められた。

 そもそも今回の改善は、生活習慣病予防を目的として開始されたものではなかった。6月17日

●イラン最高峰・ダマバンド(5,617m)登頂8日間

という企画募集型ツアーに参加を決めたものの、体力にはイマイチ自信が無い。登頂できなくても山麓の景色が楽しめればいいやと思いつつも、団体登山である以上、自分だけ足手まといになるわけにはいかない。

 ということもあって
  • 【6月18日】伯耆大山(弥山)登頂
  • 【6月25日】岡山県森林公園縦走
  • 【7月10日】伯耆大山(ユートピア小屋)往復。
  • 【7月16日】伊予富士〜寒風山
  • 【7月22日】富士山(富士宮口)登頂
というように、機会をみつけてはトレーニング目的の山登りに励んだ。また、日々の散歩のほか、昼食時に帰宅する際にもなるべく歩くように心がけた。その成果が今回の数字に出たものと思う。

 山登りによる健康増進には旅費がかかるというコスト面の問題点があるが、自然とふれあいながら無理なく体重・体脂肪を減少させられるという点で、スポーツセンターに通ったりダイエット食品でお金を使うよりは楽しみが多いようにも思う。

ということで、私なりに得た教訓;

高い山に登るというこころざしは、体重・体脂肪減少に顕著な効果をもたらす。

【思ったこと】
_50803(水)[心理]行動分析学会水戸大会(3)“罰なき社会”の探求(3)矯正処遇や社会内処遇の充実・強化(1)

 日本行動分析学会第23回年次大会3日目の大会実行委員会企画シンポジウム:

司法において心理学に期待されるもの、「罰なき社会」の探求(What is expected of science of behavior in judicial field, search for a non-punitive society.)

について、一昨日に引き続いて感想を述べることにしたい。

 今回のシンポでは、
  • 向井義氏(広島少年院)
  • 岡田和也氏(法務省保護局)
という現場のトップの方々から話題提供をいただくという貴重な機会でもあった。

 さて、一口に少年非行といっても、それぞれの時代の背景によって内容は大きく変化していく。向井氏の話題提供によれば、戦後の非行は、「生存型非行」(戦後の貧しい時期)、「遊び型非行」(昭和30〜45年頃)、「非社会型非行」(昭和40年〜昭和末期頃)、「いきなり型非行」(平成以降)というように特徴づけられる。また少年院新入院者の人員は、その時々の政治経済的背景や教育政策によって大きく変動する。戦後は男女総数で1万人を超えていた時もあったがその後減少傾向をたどり、福祉元年と言われる昭和48年には2000人台の最少値を迎える。但しこれは、非行が減ったためではなく、なるべく少年院に入院させずに更正させるという方針があったためらしい。その後昭和60年頃に総数6000人程度のピーク、平成に入っていったん4000人前後に減少したものの、平成15年には総数5823人(男子5283、女子540)となって昭和60年と同レベルのピークを迎えようとしている現状のようだ。

 いつの世でも世間の耳目を集める凶悪犯罪は起こりうるものであると思うが、最近は、奈良県女児誘拐殺人事件(元受刑者)、安城市スーパー乳幼児刺殺事件(仮出獄中)、足立区少女監禁事件(保護観察付執行猶予中)というように、更生保護が不十分であったための再犯事件が続発している点で特徴的であるとも言える。岡田和也氏の話題提供では、性犯罪者に関する多角的な調査研究や、矯正処遇や社会内処遇の充実・強化、犯罪者更正のための支援体制強化、出所後の所在情報等の取り扱い、などが緊急的対策として打ち出されるようになった(法務省、平成17.2.22)が紹介された。

 社会内処遇において重要な任務を遂行しているのが保護観察官であるが、その定員は地方更正保護委員会119名、保護観察所997名(うちケースワーカー約630名、いずれも長谷川のメモによるため不確か)ときわめて少ない。そこで、その任務を補うために保護司が任命されている。こちらは全国で52500名にも及ぶという。もっとも、私自身の2004年5月10日の日記にも記されているように、「定年制」導入暫定期間終了により、なかなかなり手が居ない現状となっているようである。

 今後の新たな施策としては、「心神喪失者等医療観察制度」、「被害者支援」、「覚せい剤簡易尿検査(継続)」、「性犯罪再犯防止プログラム(新規)」、「就労支援プログラム(新規)」などが検討されているようだ。




 さて、前回も述べたように、少年院や刑務所というのは、
  • ある者が犯罪を犯した場合、その者は何らかの形で懲らしめられなければならない
  • 社会の安全を脅かす者は、その社会から隔離されなければならない
という素朴心理学的発想のもとで設置されているように思われる。少年院の場合は更正目的の度合いが強いと言われるが、そうは言っても、社会復帰目的の福祉施設とは異なる。少年院に収容させない方法のほうがすぐれた更正手段であると仮に実証されたとしても、非行や犯罪に対してはやはり、被害者関係者や一般社会を納得させる程度の懲らしめと隔離は必要であろう。となると、「罰無き社会」原理の適用も
  1. 入院者や受刑者は一定期間収容されるということを前提とした上で、収容された環境の中で「罰無き社会」的行動管理の方策をさぐる。
  2. 少年院入院者、あるいは死刑囚以外の受刑者はいずれ社会に復帰させなければならない。本人のためにも、社会全体の安全確保のためにも、最適の更正方法を検討、実施していく必要がある。その際に「罰無き社会」的行動管理は、どういう面で有効性を発揮するか。
という2点から検討していく必要があると思う。

 次回に続く。