じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
アパートの階段横に咲くラベンダーセージ(Salvia ‘Indigo Spires’)。各種セージの中でも濃青色が最も美しい。後ろに咲いているのはメキシカンセージ(アメジストセージ)。10月12日の日記参照。 |
【ちょっと思ったこと】
『ペーパークラフト 広がる楽しみ』 NHKおはよう日本「まちかど情報室」(9月29日の再録)で、表記の話題を紹介していた。 ペーパークラフトというと、出来合いの型紙を買ってきて組み立てる程度の趣味しか知らなかったが、最近ではネット上から図面をダウンロードして印刷することで手軽に楽しめる機会が増えているそうだ。 商船三井客船のサイトからは、オリジナル・ペーパークラフトの図面が、また、エプソン・品川アクアスタジアムからは魚のペーパークラフトの図面がダウンロートできるという。 もう1つ、「パソコンでつくるペーパークラフト」というのもなかなか面白そうだ。どのくらいのバリエーションがあるのかは分からないが、例えば、立体幾何の問題を解くときや、立体モデルで考えてみようという時にも役立つのではないかと思った。 |
【思ったこと】 _51026(水)[心理]短大生の算数力をどう高めるか(4)短大生の常識力/栄養士教育に期待すること 10月2連載の最終回。 ディスカッションの中で興味深い話題が2つほどあった。 1つは、計算問題の答えを見直す際に、常識力、というか生活力というようなチェック機能がうまく働いていないのではないかという指摘である。例えば、肉100グラムに脂肪がどれだけ含まれるかという問題を解く時に、計算を間違えて150グラムだと答えるようなミスがあるという。それに含まれる成分が全体より重くなることなどあり得ないはずなのに平気でそう答えてしまう。また、みそ汁の塩分濃度を「20%」と答えるミスがあるというが、これなども、常識的な濃度が1%前後であることを思えば、どこかで計算間違いをしているはずだと気づくはず。 もっとも、小学校の算数教育から中学・高校の数学教育に発展する過程では、具体的な数値は抽象化され、さらには、一般化されたa、b、c、x、y、zなどに置き換わっていく。それはそれで大切なことではあるのだが、日常場面に応用する時には、まずは、その数値の意味を指先や舌先受け止められるようなセンスを磨くことも必要ではないかと思った。 もう1つの興味深い点は、入学直後に実施した算数テストの成績が0点から50点の間と、50点から100点満点の間で二峰性の分布となること、そしてそれらの成績と、献立論を履修した時点での計算問題の成績の相関をとってみると、r=0.46になったという結果であった。 二峰性の得点分布については原因はよく分からない。受験時の選択科目の違いを反映しているのかもしれないし、勉学意欲が2通りに分かれているせいかもしれない。 入学直後の算数テストで0点から50点程度の低い点数を取った学生の一部は、その後、授業を受けるなかで大幅に計算力を向上させているというデータも報告された。相関係数が1.0ではなく0.46というレベルに留まった一因はこのことにある。なぜ成績アップに繋がったのか?、受講するうちに算数力の重要性を自覚し勉学に励んだためなのか、別の原因によるものなのかは断定できないが、そのことをシステマティックに分析すれば、有効な算数教育の開発につなげることができるだろう。 最後に、栄養士教育に望むこと。こちらの解説にもあるように、栄養士とは 都道府県知事の免許を受けて、栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを業とする者を、また、管理栄養士とは 厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識および技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導並びに特定多数人に対して継続的に食事を提供する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理およびこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする者のことをいう。 管理栄養士・栄養士は病院、学校、高齢者施設、児童施設など多種多様な場で活躍しているというが、栄養士がいくら完璧な献立を作ったところで、それをちゃんと食べてくれなければ栄養のバランスは保てないだろう。また、最近、大学生協食堂などでは、定食メニューよりも、カフェテリア方式が主体であり、総菜バーやサラダバーなど、お皿に盛った食べ物を量り売りで提供するようになっている。 カフェテリア方式は、定食と違って「嫌いな物を残す」可能性が低く、結果的に残飯を減らし、食物資源の節約に貢献している。また、ほんらい、好みにあった食べ物を自由に選ぶことのほうが満足度が高くなる。しかしそうなると、栄養士の献立設計はあまり役に立たない。むしろ、利用者に対して、どういうおかずをどのくらい食べればよいかという情報を正確に提供し、かつ、利用者が能動的・主体的にバランスよい選択ができるよう、行動を改善する指導のほうが大切になってくる。まさにどの部分に応用行動分析の知見が活きてくる、と言えるだろう。 ということで、今回の参加報告の連載はこれでおしまい。 |