じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 _70830(木)[心理]世界陸上はなぜ面白いか ここ数日、世界陸上選手権の中継番組を毎晩のように見ている。30日の放送では男子走り高跳びで金メダルを獲得したドナルド・トマス選手、31日の放送では、男子200メートルに優勝し男子100メートルと合わせて2冠を達成したタイソン・ゲイ選手の強さが特に印象に残った。 各種スポーツ競技の中でも陸上競技は観ていて面白いほうだと思う。その一般的な理由は
●日本勢が不振、メダルなしの可能性も ということが逆に多様な見どころを提供していることが観戦を面白くしているように思える。 そう言えば!?と思って過去日記を検索したところ、 2001年8月11日で、2001年カナダ・エドモントン大会に関連して、ちゃんとそのことが書かれてあることが分かった(2004年8月15日の日記に関連記事あり)。 もちろん、私も日本人であるからして、日本人選手がメダルを取ることに声援を送りたいという素直な気持ちはある。しかし、そのことは、観戦のしかたを大きく歪ませてしまう。 例えば、A、B、Cという、優勝候補の3人の外国人選手が居たとする。日本のテレビ局の扱い方もそうなのだが、そこにもし、メダル獲得の可能性がありそうな日本人選手Dが出てくると ●日本人選手Dはどうやって、A、B、Cという3選手を上回ることができるか という点のみに関心が向けられがちである。そしてテレビ局は、Dの映像ばかりを流そうとする。いや、それでDが金メダルを取れたならば大感激ということになるのだが、現実にはそんなに甘く無い。Dに声援を送れば送るほど、Dが不本意な結果に終わった時には失望してしまう。その競技種目自体についても、残念であったという印象しか残らない。 いっぽう、日本人選手が全く出場せず、外国人選手だけで争われるような場合は、A、B、Cという有望選手がそれぞれどのような持ち味を出すかに関心が向けられる。そして、誰が金メダルを取っても、素直にその栄誉を称えたいという気持ちが残る。その競技種目の面白さは、(日本人選手の活躍の有無ではなく)全出場選手の努力の総和によって決まってくるのである。じっさい、上述の男子走り高跳び、200メートル競走のほか、男女の各種競走種目、投擲種目など、それぞれにおいて、各選手の持ち味がよく伝えられており、それぞれの感動があった。いっぽう、日本人選手が登場した男子ハンマー投げや男子走り高跳びなどは、「いよいよ○○選手登場」などと騒ぎ立てられその映像ばかりが流された分、失望感が大きかった。 余談だが、ウィキペディアの当該項目によれば、今年の大会の放送はTBS系列が独占中継している。その結果として、 一系列局独占中継の体制をとっている性質上、製作局では特集を組むなどをして大会を盛り上げるが、系列外の放送局ではニュース番組のスポーツコーナーで試合結果を伝えるに留まっている。という弊害がある。8月31日朝6時台のNHKおはよう日本・スポーツコーナーでも、プロ野球結果に続いて、男子200メートル(ゲイ優勝)と男子棒高跳び(沢野選手の失敗)が短時間伝えられただけで、大半の時間は大リーグの話題ばかり取り上げられていた。この日記執筆時(8月31日朝)のNHKオンラインのニュース項目を見ても、
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