じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 岡山大学構内のお花見(23)ヘラオオバコ

 大学構内各所で見られる。写真右は2005年5月11日撮影。2000年5月22日の日記に書いたように、繁殖の一因は定員削減で用務員さんが居なくなり、芝刈りの回数が減ったことが最大の原因であるようだ。

 ヘラオオバコはユニークな花の形に鑑賞価値があるものの、繁殖力が強く、左の写真下部分にあるように、旭川河川敷などでも大規模に繁殖している。、「外来生物法」の「要注意外来生物リスト」に入っている


5月22日(木)

【思ったこと】
_80522(木)[心理]いまどきの地域通貨(1)

 2002年4月の紀要論文や、『心理学ワールド 20』(日本心理学会[編]、2003年)で心理学や行動分析学の視点から地域通貨について論じたことがあったが、その後は、散発的にWeb日記で考えを述べるにとどまっていた(例えば2005年8月21日の日記)。このことについて、最近は何を研究されているのですか、というような問い合わせをいただいたので、これを機会に考えをまとめておきたいと思う。

 まず、あの論文を書いて以降のことだが、私自身はこれといった調査・実験研究は何も行っていない。このことをテーマに研究していた大学院生がすでに卒業してしまったということもあるし、また、かつて私も会員になっていたエコマネー関連の団体が活動を停止し、その後の方向性が多様化していったために全体像がつかみにくくなったということが主要な原因になっている。

 さらに言えば、私個人は元来、他者との交流を煩わしく感じるタイプの人間である。地域通貨は、交流の輪を広げ活性化する効果があると言われているが、交流を最小限に抑えたいと望む人間にとっては、これは「好子(コウシ)」ではなくむしろ「嫌子(ケンシ)」として機能してしまう。

 このことに関連するが、植物と関わる種々のセラピーにも、人との交流を重視する園芸療法や森林セラピーがあるいっぽう、人との接触をできるだけ少なくするなかで静かに自然と向き合う園芸療法や森林セラピーもある。最近ますます、後者こそが私の求めるタイプであるということ実感しつつある。




 さて、本題に戻るが、ひとくちに地域通貨といっても、何を目的としているのかによって、議論の内容は変わってくる。私が知りうる地域通貨としては
  • 高齢者福祉:お年寄りと若者との交流の促進など
  • 環境保護:循環型消費、温室効果ガス削減など
  • 地域商店街の活性化
の3つのタイプがある。但しこれらは、必ずしも独立しておらず、複数の目的を混在させたものもある。また、広義には、クレジット会社や航空会社が利用高に応じて発行するマイレージ、ポイントなども地域通貨一般と同じように機能する場合もある。

 また、上記にも関連するが、地域通貨と法定貨幣との兌換の問題がある。例えばクレジット会社や航空会社のポイントは、種々の景品や特典航空券と交換できることによって、実質的に兌換できるしくみになっている。商店街の活性化に利用される場合も、何らかの商品と交換できたり、割引に使えるとなれば、実質的に兌換可能ということになる。そのいっぽう、一般のお金では買えないような対象に限って使用可能な「通貨」もある。

 このほか、地域通貨が成功するかどうかは、その地域の住民の生活空間がどの程度固定され、どの程度の広がりを持っているのかにも依存していると思う。ある「地域通貨圏」でいくら濃厚なサービスが提供されていたとしても、その流通圏が、その人全体の日常空間の中で1/10程度の重みしか無いのであれば、それ以上の関わりを求めることは不可能。大都市に住み、ネットにも関わり、交流の輪が二重、三重どころか、10通りや20通りにも入り組んでいるような空間で生活している人にとっては、特定空間のみに入り浸ることはむしろ煩わしさをもたらすだけになるし、見ず知らずの人と接触することのリスクがきわめて大きい。反面、交流の空間が限られている過疎地や、交流を求めているものの何らかの事情で引きこもりがちになってしまっている人たちの集まりのような場では、地域通貨がうまく機能する可能性があるように思う。

 次回に続く。