じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 札幌市内の飲食店の入り口に「頭上落雷注意」と読み取れるような看板があった。札幌でそんなに落雷があるとは思えないし、落雷があったとしてもわざわざ飲食店の入り口に落ちるわけはない。「熊出没注意」のステッカーと同じような何かの冗談だろうと思っていたが、大学構内にも同じ看板があってビックリ。よく見たら、「落雷注意」ではなくて「落雪注意」だった。なるほど、岡山ではまずあり得ない看板であった。

 それにしても、離れたところにある文字まで見間違えるとは...。老眼に加えて、眼の機能全体が老化していなければいいのだが...。



9月20日(土)

【ちょっと思ったこと】

9年前にも北海道に来ていた!

 昨日の日記で、北海道を訪れたのは、
1998年春に、家族全員でツアーに参加したのが最後であったと思う。ただしその時は、最後の夜に札幌のホテルに泊まって翌朝には空港に向かっただけで、札幌市内観光はしていない。
と書いたところであったが、過去日記を検索したところ、1999年7月30日の日記に、
7/29と7/30に行われた行動分析学会年次大会出席のため28日の昼に札幌へ。31日の朝、千歳〜伊丹、さらに新大阪から新幹線で岡山に戻ってきた。
というように記録があることがわかった。さらに、
北海道はこの季節にしては珍しく、4日間とも雨か曇り。時には大雨洪水警報が出るほどの悪天続きだった。もっとも今回は公費出張であり、初日の開会時から2日目の最後のワークショップまでフル出場していたので、交通機関さえ確保されていれば外の天候は関係無し。持ち運ぶ資料が重かったせいもあってカメラすら持参しなかった。まことに品行方正かつ優良な学会参加者であった。
という記録がある。北海道医療大学で学会があった時のことはある程度覚えているのだが、もっと昔のことだと思っていた。この時は細かい参加感想を記録しておかなかった。やはり、学会に参加した時は早めにその時に新たに知ったこと、考えたことなどをWeb日記にまとめておくべきである。また、デジカメを持参し、ホテルの室内でも、学会会場の入り口でもよいから何か写真に撮っておくと、後日、それを手がかりに記憶が蘇りやすくなるものと思う。

【思ったこと】
_80920(土)[心理]日本心理学会第72回大会(2)乱数生成課題研究の応用的展開に向けて(2)なるべく速く、なるべく魚のように泳ぐ?

 昨日の続き。昨日の日記で、以下の4点をどう考えるかによって、乱数生成課題をめぐる研究の方向は大きく変わってくるのではないかと論じた。
  1. 言語的教示が有効であると考えるか?
  2. 乱数生成行動を何らかの形で動機づける必要があると考えるか?
  3. 学習によって、ランダムネスが変わると考えるか? それとも特性論的な見方をするか?
  4. 人間以外の動物の選択行動の変動性と関連づけようとするか

 あくまで独断であるが、板垣氏を中心とした御研究の流れと、私が目指してきた方向では、上記1.〜4.について、以下のような相違があるように思われる。

  板垣氏ほか 長谷川
1. 言語的教示の有効性?    肯定   疑念
2. 動機づけの必要性?    否定(性善説?) 非常に必要(強化の必要)
3. 学習による変容の可能性    否定 肯定(ある程度強化可能)
4. 他の選択行動との関連づけ

 
   否定

 
広く検討(低次の動物でもできることは動物と共通の原理で説明する)


 もっとも、だからといって、お互いに排他的な態度をとることにもならないと思う。

 ここで少々乱暴な喩えを持ってくるが、乱数生成課題というのはある意味では、プールに要る人たちに、

●なるべく速く、なるべく魚のように泳いでください。

というような言語的教示をするようなものではないかと思っている。この場合、人間はどのように努力しても魚になりきることはできない。しかし、それぞれの人は、できるだけ、魚に似た格好で、もしかすると潜水時間を長くして、泳ぎ切ろうとするかもしれない。

 この場合、板垣氏らの研究の流れと同じ方法をとるならば、それぞれの人の泳ぎ方のパターン(手足の動かし方、潜水時間、魚のように体をくねらせる回数など)をいくつかの指標で特徴づけして、個体差とそれをもたらす要因を明らかにしようとするであろう。

 いっぽう、私を含めて、行動分析学的なアプローチをとる人であれば、「魚のように泳ぐ」という言語的教示ではなく、とにかく、泳ぐという行動のうち、手足の動かし方、潜水時間、魚のように体をくねらせる頻度などの、あるコンポーネントや反応クラスを部分強化/弱化し、魚と似たような行動(もちろん、事前に、魚の泳ぎ方の特徴についていくつかの指標をつくっておく)の形成を試みようとするであろう。

 いずれの研究の流れも、それなりの生産的な成果を上げられる可能性はあると思っている。

 次回に続く。