じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
§§ |
生協食堂前のクリスマス電飾
帰りがけ、クリスマス・イルミネーションが点灯されていることに気づいた。昨年の様子は、2007年12月16日の日記にあり。12月11日夕刻に音楽演奏つきで点灯式をやるという未確認情報があるが、ホンマやろか。 【12/12追記】上記のイベントは、こちらに記されているように、生協食堂前ではなく、 岡山大学FANTASY「煌(きら)めき」 というタイトルで、「岡山大学津島キャンパス南北通り・清水記念体育館前で,音楽等各種イベントを実施し,イルミネーションを点灯」させる行事であることが判明した。 |
【思ったこと】 _81210(水)[心理]日本心理学会第72回大会(62)因果帰納推論と随伴性学習(6) 服部氏の Looking for a needle in a haystack? A heuristic for discriminating probale causes. という話題提供についてのメモ・感想・意見の続き。 話題提供によれば、未知の病気の原因を探るという因果推測においては、Backward型の推測と、Forward型の推測があるという。前者は、その病気に罹った患者さんの共通点をさぐることであり、これは「病気にかかっている条件のもとでの要因Xの確率」の大きさからの推測となる。後者は、可能であれば実験的手法を用いて、要因Xという条件のもとで病気に罹る確率を計算する。このあたりの議論は、クリティカルシンキングにおける原因同定の話しにもよく出てくる話題である。 次に、まことに興味深いと思ったのは、Dual-Factor Heuristicモデルの考え方である。これはΦ係数の式 Φ=(ad-bc)/√[(a+b)(c+d)(a+c)(b+d)] において、dが∞になるときの極限値、つまり H=a/√[(a+b)(a+c)]=√[P(E|C)P(C|E)] の大きさが影響するという考え方である。ここでP(E|C)という部分がForward型の推測、P(C|E)という部分がBackward型の推測に相当しているということであった。 話題提供の後半では、大学生を被験体として、上記a、b、c、dが与えられたもとでの因果帰納推論の実験研究や、種々のモデルの適合の当否についてのお話があったが、いずれも、最近発表されたご自身の論文に関わることなので、ここでは詳細には触れない。なお、この服部氏の御研究においても、レスコーラ=ワグナー・モデルはあまりフィットしていない模様であった。 ここで改めてレスコーラ=ワグナー・モデルのことを考えてみるが、この理論は1970年代初めに提唱され、その後10年以上にわたって、動物を被験体とした古典的条件づけの実験研究に大きな影響を与え続けた。当時の関連領域の実験論文では最も引用頻度の高い論文であったと言ってもよいだろう。その魅力は、数式がきわめて単純であり、対応する実験操作が明確であること、さらに、常識的な予測とは異なる現象が予想されるなど、意外性を備えていたところにあったように思う。 現時点においてはすでにそのモデルはすでに博物館入りしているといってもよいかとは思うが、とにかく、10年以上にわたって大きなインパクトを与えたという点では特筆に値する。もっとも、そのモデルを、今回のような因果帰納推論の場に持ちだして適合度を検証するということにはもともと無理があったのではないか、少々、論理的な飛躍があったのではないかという気がしないでもない。 次回に続く。 |