じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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大学構内のツツジ(たぶんヒラドツツジ。オオムラサキを含む)の紅葉・黄葉。ツツジは常緑樹であるが、この季節に寒い日が続くと、一部の葉っぱがオレンジ色(写真上)や黄色(写真下)に変わる。どのような色に変わるかということと花の色の違いとのあいだに関係があるのかどうかは不明。同じ場所でも色に違いが見られるので、日当たりが影響するというわけでもなさそうだ。
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【ちょっと思ったこと】
冬至は昼間がいちばん短い日か? この日記で冬至の頃によく取り上げる天文ネタ(春分の日、夏至、秋分の日にも同じような話題を取り上げているが)。 今回はまず、「冬至は、昼間がいちばん短い日」というのは本当かどうかを取り上げてみたい。と思ったのだが、ウィキペディアにはちゃんと、 太陽黄経が270度のときで、北半球では太陽の南中高度が最も低く、一年の間で昼が最も短く夜が最も長くなる日(実際には数日ずれる。詳しくは昼を参照)。と指摘されていた【下線は長谷川による】。 ではなぜ、「数日ずれる」のかということだが、これは、1日の長さ24時間というのが、「太陽が真南を通る瞬間(=南中)から、翌日、ふたたび真南を通る瞬間までの時間とはずれていることに起因しているようである。周知のように、1日の長さというのは地球が1回自転する時間ではない。地球は太陽の周りを回っているので、もし1日の時間を自転の時間に合わせてしまったら、昼休みの時間が真夜中になってしまうことさえある。であるからして、1日の時間は、基本的には、南中から南中までの時間によって決められるわけだが、地球の軌道が楕円であることと黄道面と赤道面が一致していないことなどにより、その時間は周期的に変化する(しかも、歳差の影響もあるので、毎年少しずつ変わる)。 例えば2008年12月の岡山の場合、10月下旬の南中時刻が11時48分頃であったのが、それ以降少しずつ遅くなり、2009年の12月上旬には12時18分まで遅くなり、その後再び早まっていくことが分かる。南中時刻が遅くなるということは、その分、昼間の長さも延びるという要因になるわけで、秒単位で考えれば、冬至の前の日のほうが昼間が短いというケースは十分にあると思う。 なお実際のところは、冬至の前後の一週間程度は、昼間の長さは殆ど同じであり、2008年12月の岡山の場合は、12月18日から12月24日までの7日間の日の出から日没までの時間はすべて9時間50分となっている。 ところで冬至は毎年12月22日頃であるのに、今年はなぜ12月21日であったのか? 直観的には、今年がうるう年であって、2月29日の挿入により時計を丸1日分停止させたために、本来22日であるべき冬至が21日になったと考えると分かりやすいだろう。もっとも、冬至の日は、うるう年ならば必ず12月22日になるわけではない。冬至というのはあくまで太陽黄経が270度になる瞬間のことであり、今年の場合は12月21日の21時04分(日本時間)がこれにあたっている。ちなみに、昨年と来年を含めて表示すると
ついでに、冬至に関して、
というのは本当かどうかも、念のため考えてみることにしたい。 まず、上記の議論は、日出と日没が見られる地域に限定されるので、極夜となる北極圏は含まれない。 でもって上記の2点だが、これは基本的には、太陽黄経が270度になる瞬間と、南中時刻、日出時刻、日没時刻が12時間以内であるかどうかによって決まってくるように思う。 例えば、冬至の瞬間が23時59分であったとすると、冬至の日の日出時刻より、冬至の日の翌日の日出時刻のほうが太陽黄経が270度になる瞬間に近いので、翌日のほうがごくわずかながら南寄りの日出が見られるはずである。また、冬至の瞬間が午前0時01分であった場合には、冬至の前日の日没のほうが南寄りになるはずだ。 南中高度に関しては、太陽の南中時刻が12時ピッタリである場合は、冬至の瞬間が含まれる日の南中高度が最も低くなると言って間違いない。しかし、すでに述べた、南中時刻の変動、また、それぞれの国の標準時の設定により変わってくるので、100%そうであるとは言えないように思う。例えば、太陽黄経が270度になる瞬間が午前0時01分であり、その地域の当日の南中時刻が12時30分であったとすると、冬至の前日の南中時刻と冬至の瞬間との時間差が12時間未満になっていて、南中高度は、前日のほうが若干低いはずである。 |