じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



12月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§
 2009年版・岡山大学構内の紅葉(24)旧・衛兵所裏のモミジ

 100年の歴史をもつ衛兵所(岡山大学情報展示室、旧陸軍第17師団の司令部衛兵所、1911年完成)とモミジの葉っぱの絨毯がよくマッチしている。2006年12月14日の日記に関連記事あり。


12月6日(日)

【ちょっと思ったこと】

「カールじいさんの空飛ぶ家」

 多忙な毎日が続いているところであったが、日曜日にやっと休みがとれたのでその骨休めを兼ねて、「カールじいさんの空飛ぶ家」の立体映画を観てきた。場所は、先月、立体映画(3D映画)を初体験した、MOVIX倉敷であった。その時に観た立体映画版のクリスマスキャロルがなかなか迫力があり、妻のリクエストにより出かけた。

 予告映像を見る限りでは子ども向きのCG映画であって、夫婦50割引(ご夫婦のどちらかが50歳以上)なんぞで観るのは恥ずかしいと思っていたが、ストーリー自体は我々のような50歳代夫婦向けであり、夫婦のどちらかが先に死んだ後の残された者の生き方を考えさせるような内容であった。映画の冒頭では、カールとエリーが幼いときに知り合って結婚し、エリーが先に死ぬまでの様子が短時間かつ無声で描かれていたが、あれって、小さい子どもが観ても理解できるものなんだろうか。ちょっと疑問に思った。

 映画そのものはCGであるが、旅行好きの私にとってはおなじみのギアナ高地のエンジェルフォールあたりを思い浮かべてしまう。もっとも、柱状の岩や、てっぺんの岩肌は、米国グランドサークルのどこぞの公園の岩に近いように見えた。余談だが、私はいまだに「ギアナ」と「ギニア」を取り違えたり、「ロライマ山」を「ロイラマ山」と読み間違えたりしている。それと、今回ネットで調べていて気づいたのだが、「ロライマ山」はカナイマ国立公園の最高峰、いっぽう、エンジェルフォールがあるのはアウヤンテプイという別のテーブルマウンテンらしい。一度は訪れてみたいが、旅行代金がちょっと高い(こちらこちらに参考資料あり)。地デジで高画質の風景が楽しめるようになった時代、わざわざ出かけなくてもいいかなあという気もする。

 ストーリーについての感想は、まだ上映が始まったばかりでもあるので、ここでは控えさせていただく。中高年夫婦におススメ。

【思ったこと】
_91206(日)[心理]パーソナリティーの時間的変容を捉える試み−対話性と自己からの検討−(5)

 昨日の続き。

 昨日までに述べた「変数の束」、「相対比較」、「自己」、「個性」などの問題は、私自身、いぜんからずっと関心を持っていた課題でもある。もっとも、最近は歳を取ったせいもあって、他者を否定するような強硬な立場はあまり好まなくなってきた。

 その「人間が丸くなってきた」立場から言えば、人間のことを何でもかんでも解明しようとするというような大それた野心は捨てて、心理学は、もっと謙虚になり、心理学的方法でできることにテーマを絞り込んでエネルギーを集中すべきだということである。

 「自己の内面の独自の世界」のようなものは、かりにそれがあったとしても無かったとしても科学的心理学の方法で解明することはできっこない。そういう課題は、小説家、芸術家、哲学者、宗教家のような別の分野の専門家に任せればいいのであって、心理学は心理学として何かできるのか、何ができないのかをわきまえ、できることに取り組んでいけばいいと思っている。




 ところで、行動分析学の中では個性はどう扱われるのだろうか。このことについてはまた別の機会に詳しく述べたいと思っているが、少なくとも私的出来事を扱うことだけは確かである。この意味では「人間を機械扱いしている」という批判は的を射ていない。

 そういえば、2003年に刊行された、

Behavior theory and philosophy.【Lattal & Chase (編)】

の第10章のところで、目的論的行動主義者を標榜するRachlinが「Privacy」というタイトルの総説を展開している。その冒頭では、プライバシーには2つのタイプがあること、このうちの1つは心理学の研究の対象になることを論じており私も全く同感である。

 不定期ながら次回に続く。