じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



01月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

§§

 1月28日の夜半から朝にかけて岡山県南部では久しぶりの雨が降った。総雨量は6.5ミリ。1月に0.5ミリ以上の雨が記録されたのは4回目であるが、水たまりができて歩きにくくなるほど降ったのは2009年12月10日〜11日の2日間合計24.5ミリ以来のことである(他はすべて1日1ミリ以下の少雨)。


1月28日(木)

【思ったこと】
_a0128(木)[教育]平成22年度センター試験(2)補足説明が解答ヒントに?

 1月26日の日記の続き。今回は、現代社会と世界史を取り上げたい。

 まず、現代社会では、こちらの問題冊子の冒頭にあるように

12頁 第2問 問7
この設問は,2008年以前の状況に関するものである。
という補足説明があった。うーむ、これって何を意味するのだろうか。

 さっそく問題文を見ると、
...下線部gに関連して,日本の労働市場に関する記述として最も適当なものを,次の@〜Cのうちから一つ選べ。
@男女雇用機会均等法の改正により,募集・採用における男女差別が禁止された結果,現在では,平均賃金の男女格差は解消している。
A日本の労働組合は,雇用の流動化などの要因によって,その組織率をさらに低下させている。
Bバブル崩壊後の不況によって,就業者数が減少したために,非正規労働者の数は1990年代全体を通じて減少した。
C労働者派遣法の改正により,対象業務の範囲が見直され,あらゆる業務に対して労働者派遣を行うことが可能になった。
なお下線部gというのは、「看護・介護分野への人手不足」というところに下線が引かれていた。

 現代社会は一度も勉強したことのない私であるが、選択肢のうち@、B、Cは明らかに間違っているので、「最も適当」というより「これしか正しいとは言えない」という感覚でAを選ぶことになる。じっさいこれが正解であったようだ。

 それはそれとして、「2008年以前の状況に関するものである」という補足説明は、2009年以降には必ずしも当てはまらない変化が起こっているということを示唆してしまう。わざわざ補足説明が必要になったということは、そういう変化の可能性のある記述を探して選べばよいという手がかりを与えているとも言える。そうすると、多少、新聞やネット記事などに目を通している者であれば、

労組組織率34年ぶり上昇 雇用者数の減少も影響
厚生労働省が10日発表した今年の労働組合基礎調査によると、全雇用者に占める組合員の割合を示す「組織率」は前年比0.4ポイント上がり18.5%となった。組織率は1975年の34.4%をピークに減り続けていたが、今回34年ぶりに上昇に転じた。パート労働者の組織化が進んだ一方、経済危機で分母となる雇用者数が減ったことが要因だ。
などという2009年以降の記事の記憶が蘇ってくるかもしれない。ま、そういうニュースまで熟知している受験生であれば、この手の問題は楽勝、補足説明など手がかりにならないかもしれないが。




 さて、試験問題の補足・訂正と言えば、世界史Aでも、
5頁 第1問 問3 選択肢 (誤)B・・・,アミアンの和訳を・・・ (正)B・・・,トルデシリャス条約を・・・
という訂正があったという。

 私は、高校時代、世界史が大嫌いであり、自慢ではないが「セリム3世」も「アミアン」も「トルデシリャス」が何を意味するのかは全く知らない。RPGゲームの登場人物だと言われてもああそうかと思ってしまう程度である。しかし、わざわざ訂正が入るくらいだから、何かの手がかりには利用できそうな気がする。要するにBが正解であるのか、もしくは「アミアン」のままではBと、それ以外の選択肢の両方が正解になるので、Bをわざわざ明確に除外するために「トルデシリャス」という誤りの選択肢にしたのかいずれかであろうと推察できる。

 でもって、ウィキペディアで調べたところ、


1494年 - トルデシリャス条約
1802年 - アミアンの和約


というように訂正前と後では300年以上のギャップがあることが分かった。同じくウィキペディアによれば、セリム3世は
セリム3世(1761年12月24日 - 1808年7月28日)、オスマン帝国の第28代皇帝(在位: 1789年 - 1807年)。第26代皇帝・ムスタファ3世の子。
であるという。そうか、訂正文は、Bを不正解とするための訂正だったのね。




 余談だが、世界史のややこしい固有名詞などというのは、その国を旅行すれば自然と身につくものである。私はボリビアに2回旅行したので、さすがにシモン・ボリバル将軍(お顔はこちら)のことははっきり記憶できている。エジプト旅行の時には、多少なりとも古代エジプトの歴史について学んだ。いずれトルコや東欧方面を旅行した時には「セリム3世」のこともしっかりと学ぶことになろう。受験生の時にそんなことまで脳に詰め込まなくてもいいのにとは常々思う(2006年10月24日の日記およびその続編参照)。