じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2010年版・岡山大学構内でお花見(35)岡大・東西通りのハナミズキ

 岡山では相変わらず気温の変化が激しく、前日午後9時〜当日午前9時の間の最低気温と、午前0時〜午後3時の間の最高気温は、
  • 4月21日:最低14.4℃、最高22.6℃
  • 4月22日:最低10.0℃、最高13.0℃
になるなど、22日の最高気温は前日の最低気温を下回るというとんでもない天候不順になっている。

 写真は、数日前から一斉に開花した東西通りのハナミズキ。昨年の写真が、2009年4月20日の日記にあり、開花の時期は昨年とほぼ同様。


4月22日(木)

【思ったこと】
_a0422(木)[心理]行動随伴性再考(2)「よく似た反応」と「社会的に構成された行動」

 4月13日の日記の続き。今回は「反応クラス」、般化と「社会的に構成された行動」について考えてみたい。

 さて、杉山(2005)の入門書にも記されているように、「
行動の直後に好子が出現すると、その行動は将来繰り返される」。これは「好子出現の強化」と呼ばれる。

 ここで問題となるのは、「行動」の定義である。実験的行動分析の入門書で広く紹介されているように、ラットのバー押しや、ハトのキーつつきの直後に餌を提示すれば、それらの反応は将来繰り返して出現するようになるが、これは「行動」の中でもきわめて離散的、要素的な「反応」であって、あらゆる行動の任意の代表とは言い難いところがある。じっさい、ラットやハトの「反応」は、機能的、操作的、離散的に定義されている。例えば、ラットのバー押し反応では、バーを一定以上の力で押下してマイクロスイッチをonにして、さらにそれを離すという一連の動作が1回の反応として定義される(←バーを離すことまでを反応として認定しておかないと、押しっぱなしになる恐れがある)。こういう形で定義された反応であればこそ、累積記録でグラフ化することで増加や減少のほか、強化スケジュールに対応した特定のパターンなどを明示することができるのである。

 反応がもう少し複雑になってくると、当該の反応とそっくりの反応のほか、よく似た反応も併せて強化されるようになる。これは「般化」とも呼ばれるが、それ以前の問題として、「強化」されるのは特定の反応ではなく、「反応クラス」であるという考え方がある。そこからさらに、分化強化、分化弱化という考えが出てくるのである。

 しかし、よく考えてみると、我々が通常問題にしている「行動」は、よく似た反応のまとまりでも反応クラスでもない。もっと複雑で、一定時間持続して初めて行動と呼ばれるような性質を持っている。




 「自転車に乗るという行動を強化する」というケースを考えてみよう。これがもし、自転車の乗り方を教えるという場合であったとすれば、まずは補助輪付きの自転車で練習したり、ふらつきを無くすためのさまざまな手法が活用できる。このレベルでの強化は、まさに、上記の「反応クラス」や「分化強化」の概念が適用できる枠内にある。

 しかし、地球環境を守るために、自転車通勤を強化しようというレベルになった時は、話は変わってくる。ここでは、自転車を上手に運転するための複合的な動作が強化されるわけではない。社会的に構成された「自転車に乗る」という行動に対して、社会的に用意された基準に基づいて好子が提示されていくのである。

不定期ながら次回に続く。