じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2010年版・岡山大学構内でお花見(47)コデマリと時計台。

5月中旬になるとしだいに、白い花が目立つようになる。写真は時計台前のコデマリ。



5月13日(木)

【思ったこと】
_a0513(木)[心理]お笑い番組が嫌いなわたし/人はなぜ笑うのか?

 私にとって未だによく分からない行動の1つとして「笑う」という行動がある。くすぐって笑うのは間違いなくレスポンデント行動であろうが、それだけが笑いではない。ウィキペディアの当該項目から興味深い点をいくつか引用してみる。
  • 一般に同じ相手に対して、怒らせるのは簡単でも、笑いを取ることは非常に難しいことである。
  • 笑いは構図(シェーマ)のずれであると考えられている。例えばコントなどで滑って転ぶ政治家が演じられて笑いが起きたとすると、「政治家は真面目で威厳ある人で、滑って転ぶことなどありえない」という構図を受け手が持っていて、それがずらされたことによって笑いが起きたことになる。しかし受け手の常識が「政治家に威厳があるとは限らない」「滑って転ぶことは意外な出来事ではない」「政治家が転ぶというネタは目新しいものではない」などを含むものだった場合、構図のずれが発生しないため笑いは起きない。同じ出来事に対して笑いが起きるかどうかは受け手の持つ構図に依存すると言える。
  • スコットランドの哲学者・心理学者アレクサンダー・ベインは、笑いとは、私たちを安心させる些細なこと、卑俗なことに接触による緊張した状態から逃れた状態である。笑わせてくれるまじめさ、荘厳さの形であるとした。
  • イギリスの社会学者ハーバート・スペンサーは、強い感情、精神や肉体という、笑いの一般的な理由として、他の筋肉運動と異なり、特に目的もない筋肉運動から笑いが構成されるということに注目するべきだと主張した。
  • オランダの霊長類学者ヤン・ファンフーフは、笑いの起源と進化についての仮説を提唱した。笑いは微笑み(スマイル)と声の伴う笑い(ラフ)の二つに大きく分類でき、スマイルはサルの仲間が自分より強いサルに対してみせる「歯をむき出しにする表情(グリマス)」から、ラフはサルの仲間が遊びにおいてみせる「口をまるくあける表情(プレイ・フェイス)とそれに付随するあえぎ声(プレイ・パント/笑い声)」からそれぞれ進化したという(プレイ・フェイスは霊長類に広く見られるが、笑い声を発する種は限られる)。

 最近、ますます「笑い」に関心を持つようになった1つの理由は、妻とのチャンネル争いにある。妻は、結婚以前からお笑い芸人の出る番組を好んでおり、今でもこちらこちらの番組にチャンネルを合わせることが多い。いっぽう私はそういう番組が大嫌いで、妻が視ていると、「くだらないっ」、「意味なしっ」、「こういう番組を視て自分がどのように成長したのか、800字程度で報告してみろっ」などと文句を連発して、じぶんの部屋に籠もってしまう。妻の実家でも同様である。

 お笑い番組が嫌いというのは、別段、登場人物個人が嫌いというわけではない。私は「笑っていいとも!」は決して視ないが、タモリさんが主演(すでに終了)のブラタモリは、ほぼ毎回、録画、ダビングしている。お笑いコンビが登場する爆笑問題のニッポンの教養も同様である。

 もちろん、この私でも、毎日しかめ面をして暮らしているわけではない。面白いことがあれば声を出して笑う。私が好まないのはたぶん、「笑わせようとする、わざとらしさ」にあるのではないかと思っている。それもまだ古典落語や狂言のように周到に用意された「芸」であれば好むほうである。いっぽう、観客のご機嫌をとろうとするようなお笑いは、全く好まない。子どもの頃からわざとらしく褒められると逆にひねくれてしまうことの多い私であったが、今でも、意図的に褒められたりお世辞を言われるとムカッとしてしまう。それと同じ気持ちではないかと思う。とにかく私の場合、笑わせようとするようなお笑いは嫌いである。あくまで、自然な文脈の中で生じるものでなければ、くだらないと思うか、腹が立つばかりである。

2002年5月18日の日記で「人はなぜ笑うのか」という話題を取り上げたことがある。これを機会に、リンク切れになっている部分を訂正しておこう。
Googleで「"人はなぜ笑うのか"」を検索すると、12万4000件がヒットした。そういえば、昨年、10月には

日時:2009年10月11日(日) 13:00-17:00
会場:京都大学吉田キャンパス 百周年時計台記念館百周年記念ホール
講演会タイトル:「人はなぜ笑うのか?:社会脳からのアプローチ」
講演者:
 井上 宏(関西大学名誉教授・日本笑い学会会長)
  「人間の潜在的『笑い力』の顕在化〜健康と親和的人間関係への貢献 」
 岩瀬真生(大阪大学准教授)
  「笑いの脳内メカニズム」
 野澤孝司(目白大学講師)
  「笑い学研究から感性の科学へ向けて」
というシンポジウムが開催されており、そのあと11月にもこちらにあるような「グローバルCOE 共催シンポジウム「人はなぜ笑うのか?/日本理論心理学会第55 回大会公開シンポジウム」が開催されていたことを思い出した。その後、どういう成果が得られたのだろうか。