じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 台風6号接近により7月19日の午前10時50分、岡山県岡山地方に暴風警報が発令された。規定により、岡山大学の授業は3限目から休講となった。もっとも、気象庁統計によれば、7月19日の最大瞬間風速は、午前7時54分に記録された25.2メートルであり、警報発令前のため、小学生たちが登校中に記録された強風であった。

 なお、台風が北上せずに向きを東に変えたことと、四国山地に雨雲が遮られたことにより、各地の大雨に比べると中国地方各県や四国地方瀬戸内側の降水量は比較的少なかった。中四国県庁所在地における、7月20日午前06時現在の72時間積算降水量は以下の通り。
  • 鳥取県鳥取 4.0
  • 島根県松江 1.5
  • 岡山県岡山 35.5
  • 広島県広島 3.0
  • 山口県山口 3.5
  • 香川県高松 89.0
  • 徳島県徳島 225.5
  • 高知県高知 212.0
  • 愛媛県松山 17.0
ちなみに、気象庁統計によれば、高知県馬路村魚梁瀬では、7月18日に316.0ミリ、7月19日に851.5ミリを記録した。馬路村は素朴な山村であり、昨年3月13日放送の、

NHK「ワンダーXワンダー」:「めざせ!駅弁日本一」

で「馬路村の村おこし弁当」が紹介されたこともあり、一度訪れたいと思っているところ。今回の大雨で被害が無かったことを祈りたい。

 なお、デジタル台風の当該記事でも指摘されているように、今回の台風6号の中心はいったん室戸岬の南を通過した後、突然向きを北西に変えて20日午前0時半ごろに徳島県南部に上陸、さらにその後、またまたUターンして南東に向きを変え潮岬方向に向かうという奇妙な経路をたどっている(写真右上の小さな図を参照)。こうした「迷走」は夏台風にはありがちであるが、台風の中心の推定位置に誤差があった可能性もある。後日訂正されるかもしれない。


7月19日(火)

【思ったこと】
_b0719(火)川口淳一郎 高い塔から水平線を見渡せ!(6)決定プロセスの透明性/マイナス情報も公表/客観的な数字で説得

 7月16日の日記の続き。

 最終回にあたる放送第四回目では、

●第4回 リーダーは決してあきらめない

という話題が取り上げられた。番組記録サイトにも記されているように、に宇宙へ飛び出した「はやぶさ」の運行はトラブルの連続であった。最大のピンチが「はやぶさ」自身が行方不明になったことであった。こうしたとき川口さんは、5つの方針で困難に立ち向かったという。
  1. 決定プロセスを透明・平等にしてやる気を引き出せ。会議以外には意思決定の場は無い。誰が発言しても合理的であれば採用。
  2. マイナス情報で信頼を獲得する。失敗という悪いことを発表することで、今後も信じてもらっていい。
  3. 危機の中でも予算を獲得。気合いではなく、客観的な数字を用意。
  4. こまやかな目配り。アクティブな状態を保つ。
  5. 宿題を出し続ける。可能性があることを示す。リーダーはあきらめない姿勢を示し続ける。

 このうち1.は、トップダウンの決定ではなく、合理的な根拠のある提案なら採用するという姿勢である。大きな組織では、しばしば、1つの会議で決定されたことが、その後の理事長の意向や裏取引などで覆ることがある。そうなると会議の意味はなくなり、どうせ何を言ってもムダだということになってしまう。今回の「はやぶさ」プロジェクトでは、種々の困難において、ボトムアップ型のアイデアが功を奏したようであった。

 次に2.は、「いとかわ」への着陸時にサンプルが採取されていないことを、包み隠さずに直ちに公表したことであった。採取されていないかもしれないという情報は帰還まで隠蔽できるし、万が一帰還できない場合は、「採取できていた」という形で成果と位置づけることもできたが、そういう卑怯な手段はとらず、マイナス情報であっても直ちに発表することで、「ああ、このプロジェクトは、都合の悪いことでもちゃんと伝えてくれるんだなあ。」という信頼が生まれてくる。

 3.は、厳しい査定の中にあって、プロジェクト継続のための予算をいかに獲得するかという話であった。精神主義ではなくて、客観的な成功確率を示すことで説得をしていくという、科学者らしい姿勢が示された。もっとも、そのわりに、番組の最後では「技術より精神力」とか「チームワークを維持して根性を出していく」といった精神主義的な結論となっていたところが興味深い。

 次回に続く。