じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 7月1日7月12日の日記に、オタマジャクシが育っている水たまりの写真を掲載した。この水たまりは、その後の晴天と猛暑のため干上がる寸前になっていたが(写真上、7月18日)、今回の台風6号接近に伴って合計32.0ミリの雨が降り、ふたたび、「湿地」が復活した。すでに大半のオタマジャクシはカエルとなって周辺をピョンピョン飛び跳ねていたが、今回の雨のおかげで残りのオタマジャクシもカエルになることができる見込みとなった。もっとも、この水たまりにはヤゴも生息しており、さらに7月20日朝にはムクドリの集団が飛来していたので、カエルとなった成体の大部分は食物連鎖の犠牲となっていくものと予想される。

※7月20日より朝はクマゼミ、夕方にはアブラゼミの大合唱が始まった。

7月20日(水)

【思ったこと】
_b0720(水)川口淳一郎 高い塔から水平線を見渡せ!(7)こまやかな目配り/先行するものがないとやれない?

 7月19日の日記の続き。

 昨日も述べたように、「はやぶさ」自身が行方不明になったとき、川口さんは、5つの方針で困難に立ち向かった。
  1. 決定プロセスを透明・平等にしてやる気を引き出せ。会議以外には意思決定の場は無い。誰が発言しても合理的であれば採用。
  2. マイナス情報で信頼を獲得する。失敗という悪いことを発表することで、今後も信じてもらっていい。
  3. 危機の中でも予算を獲得。気合いではなく、客観的な数字を用意。
  4. こまやかな目配り。アクティブな状態を保つ。
  5. 宿題を出し続ける。可能性があることを示す。リーダーはあきらめない姿勢を示し続ける。

 このうち4.は、プロジェクトメンバーが集まる部屋のポットのお湯を毎日取り替える、室内を片付けるといった細やかな心遣いであった。行方不明状態の時はメンバーが来室する回数も減り、室内の雰囲気全体が不活発になってしまう。ポットにお湯が入っていなければますます停滞が助長されてしまう。そう言えば少し前、某番組で、川口さんほかスタッフが、イオンエンジン内の「中和器」の「中和」にひっかけて、岡山県真庭市にある中和神社(発音は「ちゅうか」じんじゃ)にお参りをしたというエピソードが紹介されたことがあったが、これも決して「神頼み」目的ではなく、むしろ、メンバーの心をつなぎ止める気配りの1つではなかったかと思われる。(今回の番組ではそのエピソードには言及されなかった。)

 最後の5.は、行方不明中にも、メンバー一人一人に、プロジェクト遂行に必要な作業課題を出し続けたというようなお話であった。もともと技術立証が目的なのであるから、行方不明状態から脱した時に備えてさまざまな可能性を検討しておき、実情に応じて実行に移すということは研究上意義があったと思われる。

 番組ではこのほか、日本経済やプロジェクトリーダーになる人に対して、「先行するものがないとやれないという国民性」からの脱却ということが提言された。もっとも、この「はやぶさ」プロジェクト自体がそうであるし、プロジェクトX〜挑戦者たち〜らいじんぐ産〜追跡!にっぽん産業史〜で取り上げられた話題などからみると、日本人は決して製品の改良や低コスト化ばかりを追求しているわけではなく、けっこう画期的な発明でも成功しているようにも見える。いま問題となっている脱原発エネルギー問題なども、蒸気でタービンを回すとかヨーロッパで盛んな風力発電の改良ばかりを考えず、もっと身近にある海のエネルギー(波力や潮汐)、地熱利用で画期的な発明を目ざしてもらいたいものである。