じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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東西通りに射し込む朝日と、巨大「足長じいさん」

 秋分の日が近づいてきたため、東西方向に延びる道路に、真東からの朝日が射し込むようになってきた。写真左上は、岡山大・東西通り、写真左下は岡山大・農学部東西通りのイチョウ並木。写真右は、農学部構内に出現した巨大な「足長じいさん」。実際は私の影。もうすぐ59歳になるので、「足長おじさん」ではなく「足長じいさん」と呼んでおくことにしたい。

9月13日(火)

【思ったこと】
_b0913(火)「教科書にのせたい!」男女差別は、教科書には絶対に載せたくない

 いつもより遅い時間に帰宅したところ、妻が、TBS系の

教科書にのせたい!という番組を視ていた。

 この番組は過去にも何度か視たとは思うが、殆ど記憶には残っていなかった。私が帰宅した時に取り上げていたのは、
  1. 女と男で効果的なダイエット法は違う!
  2. 男の幸せは、恐妻によって作られていた!
  3. 男と女では、子育て方法を変えた方がいい!?
というような内容であったが、どれもこれも、科学的知見とはかけ離れた飛躍やこじつけが多く、到底、教科書にのせられるような代物ではない。TBSというと、かつて、「脳力探検クイズ!ホムクル」で、血液型偏見差別を助長するような内容を取り上げ、血液型番組が自粛された後には、決定全国47都道府県超ランキングバトルといった、県民性偏見差別を誇張する放送を取り上げるなど、「前科」の多い民放であるが、今回の内容も語り口といい、やらせっぽい「実験」といい、うんざりさせるような内容であった。ひょっとして、かつて「血液型偏見差別やらせ実験」で大もうけしていた制作子会社あるいはそのスタッフが、懲りもせずに、今度は男女差別偏見助長に一役かっているのだろうか。

 上記の内容のうち、1.の「男女別ダイエット法」は、昨年1月に放送された、


NHKためしてガッテン「女性の最強ダイエット 完結編

の焼き直し版に過ぎなかった。このことについては、2010年1月22日の日記に私なりの考えを述べたので、ここでは繰り返さない。但し、それに関連して、
  • 無作為に選んだ男女それぞれ10人を男女別にバスに乗せ、移動中の行動をこっそり録画。
  • 実験協力者には、現場への移動としか伝えていない。
  • 結果として、女性群10人は車内でコミュニケーションが活発に行われていたが、男性群10人は黙ったままであった。
というような「実験」が紹介されていた。ま、女性どうしのほうが会話が弾むことが多いことは経験的にも知られているが、このことをもって、女性は「コミュニケーション・ダイエット」が向いているとは直ちには言えない。単に会話が弾むということと、特定の個人的課題(この場合はダイエット)遂行にあたって社会的強化がどのていど有効かということとは別問題であるからだ。

 3.の「男と女では、子育て方法を変えた方がいい!?」に関連しては、
子守唄未経験の赤ちゃん男女5人ずつ合計10人に子守唄を聴かせたところ、女の子5人では、「2人が寝た」、「1人が泣き止んだ」、「2人は変化無し」という結果であったが、男の子5人では子守唄の効果は認められなかった。
という「実験結果」が紹介されていた。番組ではこれをもって、竹内久美子先生の「男女の音への反応の違い 子育てに反映させると良い」という御説の裏付けを目論んでいるようであったが、おいおい、そもそも、女の子5人中2人が寝たというだけで男女差が顕著であるという統計的根拠にはならない。女の子の1人が泣き止んだというが、初めから泣いていなかった赤ちゃんでは「泣き止む」という変化が見られないのも当然である。だいいち、番組出演まで「子守唄未経験」などということがありうるのか?

 このあたりの「実験」は、かつて別番組で放送された、保育園児は血液型によってスイカの食べ方が違うなどというトンデモ実験と同種であって、何のエビデンスにもならない。

 番組ではいちおう、「※個人差があります」とお断りしたり、出演者・ゲストからも「男と女で完全に分かれるわけではない」といった指摘もなされていたが、それを認めるのであるなら、最初から男女差を強調した番組など放送しなければいいのだ。

 なお、この日記で何度も述べたように、私自身は、決して、この世界に男女差が全く無いと主張しているわけではない。特に、システム化思考と共感型思考については、かなり納得しているところもある。但し、それをもって男女別に教育方法を変えることには反対である。また、ベイズの定理から言えるように「男女で差があった」という条件つき確率と、「男だからこういう傾向があり、女だからこういう傾向がある」という条件つき確率を混同してはならないと考えている。