じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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はためく岡山大学旗。昨日に続いて岡山大学本部棟の屋上に出現した校旗の写真。1月24日は西寄りの風が強く吹いていたため、この旗の存在が目立っていた。全学の会議が終了した際に何人かの先生にこの旗について尋ねて見たが、いつからどういう経緯で掲揚されるようになったのかについてはどなたもご存じなかった。 なお昨日の日記では「校旗」と呼んだが、大学の旗は「学旗」と呼ばれるようである。但し、正式の学旗というのは、式典の時に壇上に掲揚するものであり、本部棟の屋上のものが同じデザインでるかどうかは未確認。ネットで検索したところ、京都大学の学旗がトップに挙がっていたが、「学旗 岡山大学」を検索しても適確な情報を得ることはできなかった。 |
【思ったこと】 _c0125(水)上野千鶴子特別招聘教授着任記念学術講演・シンポジウム(15)シンポジウム(2)後藤玲子氏のコメント 昨日の続き。 シンポジウム2番目は、後藤玲子氏によるコメントであった。リンク先にも紹介されているように、後藤氏は経済哲学の専門家であり、『正義の経済哲学――ロールズとセン』などの御著書で知られている。 今回のご発言では、まず、御自身が、大学卒業後10年ほど放浪し、公務員の職を失い、その後経済学の道に進んだこと、そのため、上野氏よりは20年も遅れて研究者になったことなどを自己紹介された。念のため御学歴を拝見すると、確かに、法学部を卒業されて、その後今度は経済学部を卒業されるまで9年の空白があり、大学院博士課程修了は1998年となっている。上野氏のほうは1977年に博士課程単位取得満期退学なので20年の開きがあることが分かった。もっとも、この「20年」に言及されたのは、上野氏よりも経験が浅いというように謙遜されたのではなく、上野氏よりも20年も新しい研究をやっているというアピールをされているようにも受けとめることができた。 本題では、まず、後藤氏が学んできたのはマーケット・リベラリズムであり、そこでは利己的主体による交換は何であれ、あるいは、個々人がどのような気持ちで交換しようと、正しいという前提に立っている。それをふまえた上で、自由が本当に欲しい、自由の価値を守りたいという立場で、手続的に公正なマーケット・リベラリズムを現場の声を生かしつつどう作り替えられるのかが課題であるというようなことを言われた。これに対して現場からは、学者のやっていることは言説空間上に過ぎないとの批判があるが、言説空間上のたたかいは空しいというようなことを言われた。といっても専門外の私には、知らない専門用語もあり、このような趣旨であったのか、全く自信が無い。 後藤氏はさらに、上野氏の御著書に関して、直系親族間の義務として、「子から親への生活扶助義務」、「親から子への義務」(「親が自分の生活を犠牲にしても」といったフレーズ)、ネグレクト虐待などに言及された。ネグレクト虐待に関しては、研究者が、現場の日常を切断して社会問題化した場合、現場の収拾にも責任を持たなければならないというような指摘をされた。このほか、上野氏の「人権アプローチ」に関しては、人権という言葉は使うのは簡単だが、どうやって具体化していくのか、誰がするのかを明らかにする必要があると指摘された。マーケットリベラリズムの匿名性、中立性や要求の優先順位、現場を変えるようなルールの作り方・壊し方(生活保護の基準、暴力団ビジネスなどの問題)、まわってきた日常がまわせなくなづのを具体的にどう仕立てていくのかといったことについてもご発言があったが、すでにシンポから1ヶ月以上が経過しており、メモだけでは何の話であったか思い出せなくなってしまった。 次回に続く。 |