じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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日の出の時刻が早くなり、早朝の散歩時の景色が明るくなってきた。写真は、05時53分頃に撮影した岡大・石庭。以前は午前06時すぎまで周囲の街灯がついていて逆光模様になっていたが、最近は一灯を除いて05時45分頃には消灯するようになった。 |
【思ったこと】 _c0322(木)心理学教育の目標設定の再検討(5)心理学教育の実益性・教養(3)科学としての地位を確立している現代心理学?とカーネマン 昨日の続き。 荒川氏は続いて、日本学術会議心理学・教育学委員会・心理学教育プログラム検討分科会の2008年の対外報告に言及された。 リンク先のPDF文書: 学士課程における心理学教育の質的向上とキャリアパス確立に向けて では、2つの分科会に共通する結論を以下の6項目に集約している。
まず、この報告の冒頭では、 アメリカの代表的な心理学者カーネマン(D.Kahneman)は、「多くの人にとっては、通常、利益が上がることによる効用の増加より、同額だけ損失を受けたことによる効用の減少の方が大きい」ことを実証し、経済学と心理学を統合した行動経済学を確立した。この業績により、彼は2002年(平成14年)ノーベル経済学賞を受賞した。カーネマンの受賞は、脳が心を創り出す上で影響する内的、外的要因に関わる法則性や行動予測を研究する現代心理学が、科学としての地位を確立している1つの証と言える。このように、現代心理学は我々の生活のあらゆる領域で生じる心の法則性と理論を解明することで、人間生活の福祉の向上や改善に貢献している。となり、ノーベル経済学賞を受賞したカーネマンの功績を「脳が心を創り出す上で影響する内的、外的要因に関わる法則性や行動予測を研究する現代心理学が、科学としての地位を確立している1つの証」として称えていた。 カーネマンのことは、 Judgment under Uncertainty: Heuristics and Biases. などの論文を通して以前より知っていたが、この業績が「代表的な証」になるかどうかは若干疑問がないわけでもない。 ちなみに、私は、アンテナ経由で、池田信夫先生のブログを時折拝読しているが、カーネマンについて何度も言及されており、大いに勉強になっている。一例としては、
ま、それはそれとして、この分科会対外報告では、現代心理学が、科学としての地位を確立しているという点を強調しているところが注目される。 次回に続く。 |