じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 夕日と朝日を浴びる岡大・本部棟。西の空が赤い時は、建物西側のガラスが反射して赤く染まるように見えることがある(写真上)。また、私の住んでいるところからは、春分の日の40日後と秋分の日の40日前の頃、本部棟の真上からの日の出を眺めることができる(写真下)。

8月16日(木)

【思ったこと】
_c0816(木)TEDで学ぶ心理学(11)見せるプレゼン(1)Brain magicとMathemagic

 アイエンガー先生のプレゼンを少々詳しく取り上げてくたびれたので、ここで少し話題を変えて、見るだけで楽しめるプレゼンをいくつかご紹介したいと思う。

 まず、お盆休みに検索したプレゼンの中で、特に「見せ方」が上手だと感じたプレゼンを4つ挙げておきたい。
  1. Keith Barry: Brain magic.(2004年)
  2. Arthur Benjamin does "Mathemagic"(2005年)
  3. Michael Shermer: Why people believe weird things.(2006年)
  4. Pattie Maes and Pranav Mistry demo SixthSense.(2009年)
 これらはいずれも、見ただけで十分に楽しめる映像がふんだんに使われている。

 まず1番目のBrain magicは、講演というよりは公演と言ったほうが良さそうな内容であるが、中高大学生がTEDを活用して楽しみながら英語学習を始めようとするのであれば、まずは、こういうエンターテインメント的なプレゼンを教材としたほうが長続きできるのではないかと思う。

 冒頭の腕を交差させる手品を初め、ざっと見ただけでは、種や仕掛けを見破ることはできなかった。プレゼンの趣旨は
What's brain magic all about? Brain magic to me indicates that area of magic dealing with psychological and mind-reading effects. So unlike traditional magic, it uses the power of words, linguistic deception, non-verbal communication and various other techniques to create the illusion of a sixth sense.
ブレインマジックとは一体なんでしょうか 私の解釈では 心理的効果と 読心術効果を扱うマジックです 従来のマジックとは違って 第六感の錯覚を作りだすために ことばの力 ことば騙し 非言語コミュニケーション その他の様々な技術を使います
となっていたが、種明かしが無いので、実際にどういう技術がどこで使われているのかを知ることができなかった。ま、手品というのはそういうものであろう。

 “Brain magic”は、よく見る手品ショーの1つという感じがしないでもなかったが、2番目の“Mathemagic”のほうは、初めて観たこともあって、驚きの連続であった。私が何だかんだ言うより、まずは、リンク先の動画を見ていただきたいと思う。

 ちなみに、Arthur T. Benjaminの公式サイトがこちらにある。略歴紹介によれば、「Professor of Mathematics, Harvey Mudd College, 2000 to present. 」となっていて、本職は手品師ではなくて数学の大学教授であることが分かる。TEDではもう1つ、

Teach statistics before calculus!(2009年)

というプレゼンも行っているが、これは「微積分学よりも確率論や統計学の教育を優先すべきだ」という主張であり、私も全く同感である。

 元の“Mathemagic”の話題に戻るが、リンク先のプレゼンでは、
  1. 聴衆から与えられた2桁、3桁、4桁の整数の2乗の値を電卓より早く計算できる
  2. 4桁の整数(ここでは8679)に壇上参加者が任意の3桁の数をかける。その答えの数値(6〜7桁)のうち6桁を構成する数字を好きな順序で言ってもらい、残りの1つの数字が何であるかを当てる。
  3. 聴衆から、生まれた年、月、日を順番に尋ね、その日が何曜日であるかを当てる。1800年以降のカレンダーを収録した本で正解であることを確認させる。
  4. 5桁の整数の2乗の暗算法の紹介
といった「マジック」が紹介されたが、私には、どういう種があるのか、それとも特殊な暗算法で計算しているのか、全く分からなかった。しいて言えば、曜日当てのマジックに関して、Zellerの公式こちらに関連記事あり】を暗算でやっているか、もしくは、特定の年のカレンダーをビジュアルに暗記していて、その暗記している年と、誕生年などの指定された年との差を計算し、閏年の修正を加えながらずらす(1年ごとに、平年の曜日は1日、閏年は2月29日以降に2日ずれる)という方法をとっているのかもしれないと思った程度である。

 余談だが、Arthur T. Benjamin氏は、計算能力にすぐれているばかりでなく、デジタルな記憶力そのものも相当であるようだ。私も学生時代なら、いったん聞いた電話番号は一週間ぐらいは忘れないという記憶力を誇っていたが、最近は、目も当てられないほどに衰退し、自分のプリペイド携帯電話の番号さえ覚えられていない現状である。しかも、公衆電話から、番号のメモを見ながら電話をかけようとしても、メモの数字が何だったかすぐに忘れてしまう。おまけに老眼で数字そのものがよく見えないこともあり、いつぞや、妻の携帯に何度か電話したつもりになっていたら、実は、全く関係の無い女性の留守電サービスにかけていたことが判明し、ストーカーか嫌がらせのオジサンと間違えられて、相手方の女性からひどく怒鳴られたことがあった。

 次回に続く。