じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



10月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§
2012年版・岡山大学構内でお花見(60)大学構内最大規模の彼岸花群落

 一般教育棟(津島東キャンパス)の南東端にあるヒガンバナの群落。私の知る限りではここが大学構内では最大規模となっている。日当たりが悪いせいか、開花時期は、南北通り西側遊歩道沿い(こちらの写真左参照)よりも一週間ほど遅い。なお、ここに掲載した写真は10月2日に撮影したもの。

 ※岡山大学構内の花だよりのアルバム(追記更新型)を下半期上半期に分けて公開中です。下半期分は随時追加していきますので、時たま覗いていただければ光栄です。


10月4日(木)

【思ったこと】
_c1004(木)日本心理学会・第76回大会(16)高齢者の次世代に対する利他的行動(6)ポジティブ・フィードバック尺度、ネガティブ・フィードバック尺度

 昨日の日記に述べたように、小講演の終わりのほうでは、「高齢者の世代性およびそれに影響される次世代への利他的行動は、行動の受け手である次世代との相互作用の中で、発達、継続する」ことについての検討が報告された。私なりに解釈すると、
  • 当該高齢者の心理的Well-beingは、世代性と次世代への「利他的」活動参加によって直接高められているのではなくて、被支援者である若い世代たちからのフィードバックを介して間接的に高められているのではないか。
  • 若い世代からのフィードバックは、世代性の発達を促し、子育て支援行動を継続させる効果がある。
ということではないかと思われた(←あくまで長谷川による翻訳)。昨日も述べたが、上記の「フィードバック」というのは、行動分析学でいう「付加的な好子の提示」と同義であり、当該高齢者に対して感謝の言葉などを送ることを意味しているようであった。

 実際に行われた検討は2つあり、そのうち1つめでは、高齢者を対象とした質問紙調査が行われ、そこでは、次世代への利他的な行動の有無、それを行っている際に若年者からどのようなフィードバックがあったか(ネガティブ・フィードバック尺度、ポジティブ・フィードバック尺度)、感情的Well-being尺度などが含まれていた。結果は上記の仮説を支持するものであったという。このうち、ネガティブ・フィードバック尺度には「若い人の手助けをしても、若い人は私に感謝していないと感じる」、「若い世代は、私の思いやりや気遣いを喜ばない」などの質問、またポジティブ・フィードバック尺度には「自分の知識や経験を若い人に話し、感謝された」などが含まれているという。

 これらは、行動分析学的に言えば、高齢者の「利他的」行動に対して、若年者からの付加的な強化(ポジティブ・フィードバックに相当する「感謝」など)あるいは消去(「感謝なし」、「喜ばない」)などが影響を与えるということを意味していると言える。但し、それらのフィードバックが実際にどれだけあったかではなく、当事者が、どういうフィードバックがあったと受け止めているかという、当事者側からの評価となっている点が異なるとも言えよう。ま、言ってみればこれは、サービス業における顧客満足度の測定と似たようなところがある。マニュアル通りにサービスを提供したからといってお客さんが喜んでくれるとは限らない。お客さんがどれだけ「良いサービスを受けたと感じているのか」で測ったほうが有用という意味になるのだろう。

次回に続く。