じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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早朝の3大絶景。 10月13日の朝はよく晴れ、散歩時と散歩から戻ったあとで、美しい光景を眺めることができた。早朝の散歩は健康増進が第一の目的であるが、だんだん寒く、出かけるのが面倒になってくる。こういう絶景があればこそ行動が強化され長続きするのである。
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【思ったこと】 _c1012(金)日本質的心理学会・第9回大会(11)個人の準拠枠の変容をTEM・TLMGで描く(11)宗教カルト経験者の価値観の変容過程(3)事例研究と実験研究 10月10日の日記において、この話題提供で、事例とは何かということが論じられたことにふれた。少々脱線するが、この機会に、いくつか考えを述べておきたいと思う。 まず、前回の引用の中で 事例研究は、研究の方法論ではなく、何を研究するかという対象の選択法である。 とされていた点はまことにもっともだと思う。通常、事例というと、1人あるいは少数の調査協力者に対して、一定期間、行動を記録したり、当人から聞き取りを行うような研究を思い浮かべるが、全く異質のように見える、パヴロフの条件反射の実験であっても、単一事例実験であるという点では事例の1つと言えないこともない。 もっともパヴロフの実験は、観察による事例報告とは以下の点が大きくことなっている。 まず、被験動物のイヌは革紐のようなもので胴体を固定されていて、自由に動き回ることができなかった。器官や神経の動きではなく、イヌ一匹まるごとを分析したという点では従来の生理学的な研究とは異なっていたのかもしれないが、イヌの生活全体ではなく、生活から切り取られた実験空間の中で。統制された環境のもとで記録されたいうところが、一般の事例研究とは大きく異なる。 もう1つは、パヴロフの条件反射の実験の成果は、人間からプラナリア(※)に至るまで、また、いろいろな中性刺激を条件刺激とすることができたという点で、きわめて広い一般性を持っていたという点である。 [※]ネットで検索したところこちらのような報告もあることが分かった。最近では高校生の実験課題としても研究されているようである。 もっとも、通常の心理学実験には、パヴロフの実験ほどの一般性は見られないように思う。たいがいの実験研究は、ある要因の普遍的な効果を検証したものではなくて、特定の条件、おそらく最良の条件の近傍において、ある要因が効果を発揮しているという一例を示すものにとどまる。わかりやすく言えば、「塩」という要因がラーメンという料理のおいしさをもたらすかどうかを実験的に検証しようとした場合、実験でわかるのは、「ある濃さの塩」という(最良)条件のもとで、ラーメンは美味しくなる可能性があるということであって、どんな濃さの塩でも美味しさをもたらすというような「一般的な」効果を検証するものでは全くないということである。 であるからして、事例研究に関して論じられている、
次回に続く。 |