じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 26日放送のヤネプリ第5話で、イ・ガク(セジャ)と臣下3人が王朝時代の長髪を切る前にパク・ハと一緒に屋根部屋の前で記念写真を撮るというシーンがあった。韓流ドラマでは日本製品の画像は滅多に出てこないが、カメラと言えばさすがに日本製。このシーンで大きく映し出されたレンズの文字から、このカメラがCANON製であることが見て取れた。もっとも、スポンサーや競合会社への配慮だろうか、マル1の部分では「CANON」が「CA」、マル3の部分では「CANON」が「NON」になっていた。マル2は消し忘れと思われる。

 ちなみに、冬ソナのほうでは、スキー場を最初に訪れた時、ユジンがイ・ミニョンの写真を撮るというシーンがあるが、この時のカメラはNikonであった。


2013年12月26日(木)

【思ったこと】
131226(木)モーサテ年内最終:リーダーの栞とオススメ本/予想と期待

 12月27日のモーサテは年内の最終回であった【番組の最終回ではない。念のため】。少し前の回から2013年を振り返るコーナーが組まれていたが、12月26日の回では、「リーダーの栞」に連動して、今年よく売れたビジネス書のランキングが紹介されていた。それによると、上位には
  1. 『伝え方が9割』佐々木圭一
  2. 『雑談力が上がる話し方』斎藤孝
  3. 『生き方』稲森和夫
  4. 『いつやるか?今でしょ!』林修
などが並んでいるが、このうち上位2編はコミュニケーション力に関わる本であり、現代のビジネスマンがいかにこの問題で悩んでいるのかを象徴しているようにも思えた。いっぽう3位の稲森先生の著書は2004年発行であり、むしろ古典的名著になりつつある。

 ちなみにこの日にゲスト出演された伊藤隆敏先生(東京大学大学院教授)は、Top10に挙げられた本はお読みになっていないとのことであった。こうすればうまくいく、うまくいったといった成功談を綴った本は、成功した部分だけを取り上げているが失敗したこともちゃんと書かなくてはいけないというようなことを言っておられた【←言い回しについては長谷川の記憶に基づくため不確か】。私も同感である。私の授業で取り上げているが、何かが成功した時の原因というのは常に複合的であり、その中には、当事者の努力に帰する部分もあれば、偶然にうまくいった部分もあり、さらに、当事者が気づいていないような成功因も含まれている。であるからして、当事者が語る成功因は、必ずしも客観的に分析された成功原因のすべてではなく、しばしば、当人の努力部分を過大視したり、都合のいい部分だけに目を向けている可能性がある。当然、その成功談に示された教えを忠実に守ったからといって、同じように成功するわけではない。ま、けっきょく、ビジネス書、特に、爆発的にヒットして数年後には古本市場で100円で売り出されるような流行本の大半は、エビデンスに基づく学術書とは異なり、読者に自信を与えたり、読者がもともと持っていた信念あるいは固定観念を「やっぱりそうだったのか」「これでよかったんだ」と納得させたりするような効用さえあればそれで良いのかもしれない。

 モーサテでは、伊藤先生と、もうお一人のゲストの北野一氏(バークレイズ証券)のオススメ本も紹介された。伊藤先生の推薦書は、
  1. 『日本の農業を破壊したのは誰か?』山下一仁
  2. 『世界を見る目 危機を見る目』黒田 東彦
 なお、2.の本は、ご存じ黒田・日銀総裁の御著書だが、この本の内容はアジア開発銀行総裁時代の視点で書かれたものであって、これを読んだからといって日銀の今後の方針が分かるわけではない、あくまで、黒田さんの人や考え方を知るために読むべきだというようなお断りがあった【←言い回しについては長谷川の記憶に基づくため不確か】。

 もう御一人のゲスト北野さんの推薦書は、
  1. 『想定外 なぜ物事は思わぬところでうまくいくのか』ジョン ケイ (著), 青木 高夫 (翻訳)
  2. 『経営の精神 我々が捨ててしまったものは何か』加護野 忠男
このうち2.の本は、日本型経営の長所について述べられているというようなコメントがあった。

 北野一さんのお話は毎回大変タメになるが【例えば、2010年7月5日】、今回の「期待と予測」に関するお話も、心理学という点からみても大いに参考になった。我々はしばしば予測を求められるが、実際には記憶に裏打ちされた期待が密接に関わっている。例えばアメリカのS&P500の年間リターンは毎年10%であり、これは過去の実績に基づく記憶によって予測される値(=期待)と大差なく、かつ安定しているという。いっぽう、日本のTOPIXの年間リターンはかなりの変動があり、かつ1990年以前と上昇傾向と、1990年以降のゼロ平均のギャップが大きすぎるために記憶が断絶しているというようなお話であった【←言い回しについては長谷川の記憶に基づくため不確か】。このあたりの話は、カーネマンのTEDスピーチや論文の中でも語られていたが、同一の考え方かどうかは定かではない。