じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 ホトケノザのピンク色のお花畑。日中よりも、朝夕の暗いときのほうが目立つ。


2014年3月24日(月)

【思ったこと】
140324(月)コミュニティで創る新しい高齢社会のデザイン:平成22年度採択プロジェクト成果報告シンポジウム(10)セカンドライフの就労モデル開発研究(2)

 連休で間が空いてしまったが3月20日に続いて、


セカンドライフの就労モデル開発研究 〜生きがい就労事業の開発と効果検証〜

についてのメモ・感想。

 リンク先資料の4ページ目資料に示されているように、このプロジェクトでは、農・食・保育・生活支援・福祉に関する5領域9つの就労事業モデルを創造し、このうち7事業(休耕地利用の都市型農業、ミニ野菜工場、保育・子育て、学童保育、生活支援・充実事業、福祉サービス)でのべ174名の雇用を実現した。なお残りの、屋上農園、コミュニティ食堂、移動販売・配食事業に関しては、民間事業者誘致を検討しているとのことであった。

 就労形態としては、徹底したワークシェアリングにより、当人が希望する時間や日数に限って就労できるようにしたという。有償ということでそれなりの義務が伴うが、反面、時間的束縛や疲労につながらないような就労形態がコーディネートされたというように理解した。

 この174人は、当初、地元で開いたセミナーに参加した高齢者の中から募った結果であり、応募率がかなり高いという意見があった反面、参加しなかった人たちの理由を尋ねる質問もあった。私が聞き取った範囲で言えば、参加しなかった高齢者は、すでに別の仕事に就いているか、今回の支援対象7職種にマッチしなかったためであったようだ。なお、必ずしも、これまでのキャリアやスキルを生かせる職業とは限らず、全く別の新しい仕事にチャレンジしたいという希望もあったとのことである。

 高齢者の就労を支援する制度・組織としては、これまでもシルバー人材センターや、民間派遣企業があった。しかし、それらはいずれも、フルタイムから週3日以上(4時間以上)のパートタイムという勤務形態であった。今回の支援事業は週2日から3日程度、2〜4時間程度の「プチタイム」でのワークシェアリングを想定している。また、単純作業中心の有償ボランティアとは異なり、労務的なな仕事のゆるい働き方から経験や技能や知識を活かしたゆるい生き方の実現を重視している。勤務時間の長さからみて、この形態は、お金重視か生きがい重視かという軸で見ると、明らかに生きがい重視のほうに位置している。

 高齢者の生きがいの場としては、もちろん、無償のボランティア活動というのもありうる。しかし、これは、ボランティア活動の意義が明確で、かつ具体的な結果が伴う行動に限られているように思う。ここで紹介されたような生きがい就労であれば、労働の量と質に応じて賃金(付加的好子)を受け取れるという点で強化されやすく、また受け取ったお金で別の楽しみを実現できるという点でも有効であるように思った。

 次回に続く。