じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 140331(月)岡大の敷地内全面禁煙、いよいよ4月から(5)敷地内全面禁煙の論理(4) 昨日の続き。なお、この連載のタイトルは「岡大の敷地内全面禁煙、いよいよ来月から」としてきたが、4月以降も連載を継続する予定であることから、「岡大の敷地内全面禁煙、いよいよ4月から」というタイトルに変更した。 昨日の日記では敷地内全面禁煙の論理について、いくつかの大学の事例を紹介したが、私自身は、「敷地内に喫煙所を設けることの弊害」が「敷地内全面禁煙」の最も強い論拠になっているように思っている。 敷地内の指定喫煙所は、副流煙被害防止を主目的として、建物の出入口付近などの人通りの多い場所や、歩行喫煙をさせない目的で、建物から離れた辺鄙な場所に設置されることが多い。また、喫煙所を設けておけば、灰皿の無い場所での吸い殻ポイ捨ては無くなる(=喫煙所を設けないと喫煙者はところ構わずポイ捨てするようになる)という理由が挙げられることもある。 しかし、喫煙所を設けることは、それが無かった時に比べて新たな弊害ももたらすように思う。 まず、とにかくそのような場所を設置するということは、喫煙者に対して、どうぞこの場所でご自由にタバコを吸ってくださいというサービスを提供することになる。これは、アルコール依存症の人のために酒場を提供するようなものであり、理念上好ましくない。 第二に、これが一番重要なことだと思うが、喫煙所は、喫煙者たちに新たな交流の場を設けることになる。実際、私が定点観察している2箇所の喫煙所においても、喫煙者どうしは実ににこやかに談笑しておられる。喫煙所での談笑が楽しみになってしまうと、禁煙を始めようと思っていてもなかなか実行に移せない。つまり、喫煙所を設置することは、禁煙の決断を妨げることになる可能性がある。 第三に、「喫煙所を設けないと喫煙者はところ構わずポイ捨てするようになる」という反論を耳にすることがあるが、昨年度1年間の私の調査でも明白なように、喫煙所があってもなくても、身勝手な喫煙者は講義棟裏などで平気で喫煙・ポイ捨てしたり、歩行喫煙したりという違反行為を繰り返している。今後も定点観察を続けるが、敷地内全面禁煙が実施されても、おそらく、ポイ捨て本数は増えも減りもしないのではないかと思う。マナーを身につけていて、喫煙所だけて喫煙していたという方は、おそらく、これを機会に大学での喫煙を中止するか、もしくはポケット灰皿を持参して、昼休みなどに敷地外に出て喫煙されるのではないかと思われる。 次回に続く。 |