じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
岡大西門の西側花壇にあるイソギクが見頃を迎えている。花の少ないこの時期によく目立つ。 |
【思ったこと】 141214(日)日経電子版読まれた記事ランキング(2)円周率の不思議(1) 昨日に続いて、円周率の定義は…大人が間違える子供の算数の話題。 当該記事によれば、円周率の近似値が3.14であることは知っているが、「円周÷直径」という定義(約束)を忘れてしまった大人が少なくないということであった。もっとも、当該記事の見出しでは「円周率の定義は」となっているものの、円周率に関して書かれているのは7行のみであった。そこでこれを機会に、もう一度、円周率に関して私が興味を持っている点を整理しておきたいと思う。 まず、円周率の定義であるが、これは、ウィキペディアに記されている通り、 円の周長の直径に対する比率として定義される数学定数である。として定義される。 ここでまず、「どのような大きさの円であっても円周率は同じなのか?」という素朴な疑問が浮かんでくる。算数の授業ではおそらく、円筒形の模型の周りに糸を張ってその長さを測り、また、直径部分を物差しで測る。あるいは、短冊を丸めて輪っかをつくり、短冊の長辺の長さと直径の長さを物差しで測る。そうすると、どのような大きさの円であっても、円周:直径の比率は約3.14になることが分かる。もっとも、これは経験的事実に過ぎないので、仮にいろいろな大きさの円100通りで測ってそれが確かめられたとしても、101番目の計測でも同じことが成り立つという保証はない。人類が滅亡しない限り、「すべての人は死ぬ」という真偽が経験的には確かめられないのと同様である。 では、相似の比と考えればいいのかということになるが、これも直観的には理解しがたい。確かに、正方形の辺と対角線の長さの比とか、正三角形の辺と高さの比であれば、直線の比較なのでピタゴラスの定理から簡単に証明できる。しかし、円周の長さというのは曲線であるからして、ピタゴラスの定理は適用できない。けっきょく、内接・外接のn角形の外周の長さは、nをどんなに大きくしても相似の比を保つことから、それに挟まれる円周も同じように、直径:円周の比は一定であろうと直観するほかはなさそうだ。 円周率が、3より大きく4より小さいというのも、よく考えてみればずいぶんと不思議なことだ。半径1の円に、一辺の長さが1の正六角形を内接させると、その正六角形の外周の長さは6、直径は2なので、「2点間を通る最短の線は直線である」という前提を変えない限りは、円周は6以上の長さ、よって、直径の3倍以上の長さになることが直観できるのだが、円周率が4より大きいというような世界があったらどんなことが起きるのかを考えてみるのも楽しそうだ。 ちなみに、パソコンで、直径2の円を描くと、長さ2の直線を最小の太さで描くために必要なドット数と比べて3.14倍以上、ひょっとすると4倍以上のドットを必要とするのではないかと思われる。理由は、円のような曲線を描くとぎざぎざになってしまうのでそれをなめらかにするためにドットを追加する必要があるからだ。よって、描かれた直径2の円を印刷すると、長さ2の直線を印刷した場合に比べて、4倍以上のインク(トナー)を消費するのではないかと推測される。 円周率が、3より大きく4より小さいということはまた、整数部分が必ず3になるということを意味している。これは、円周率のランダム性にも多少の影響を与えるように思われる。現在のところ、円周率がランダム(0〜9を記したカードをよくきって1枚をとり、数字を記録してからまた戻すという作業を繰り返すことによって生成される数列)であるかどうかは分かっていないそうだが、仮に、小数点以下がランダムであったとしても、整数部分の「3」の1個分だけは多いので、0〜9は等頻度にはならないような気もする。もっとも、ウィキペディアによると、 5兆桁までの0〜9の数字の出現回数は以下の通りとなっていて、全てほぼ等しいが、最も多いのは 8、最も少ないのは 6 であるということだ。「3」が1個だけ多いというわけではなさそう。
ちなみに、円周率をn進法で表すとどうなるかをネットで検索したところ、こちらに、n=20までの表記が示されていた。このうち10以下を引用すると、
次回に続く。 |