じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
冬の半田山。紅葉の時期にイエローバンド【右に再掲】と呼んでいる中腹の落葉樹帯の葉が落ちてかえって目立つようになった。 |
【思ったこと】 150118(日)オックスフォード白熱教室(7)平面を円で分割する 昨日までの日記で、平面を直線で分割する場合と、三次元空間を平面で分割する場合を取り上げた。今回は、まず、 ●n個の円で平面は最大いくつに分割できるか? という問題から考えてみることにしたい。 この問題を解くには、これまでと同様、 ●n個の円のうちのどの2つをとっても、それぞれ2個の交点で交わるように円を配置できる という「できる保証」が必要である。これについては下の図のような方法が考えられる。まず、同じ中心●を持つ円Lと円Sを描く。そして、円Lの円周上の1点から中心●を通り、中心●のさらに先にある円Sの円周までの線分が直径となるような円を描く。点の取る位置をずらしていくと、そこで描かれる円は、必ず中心●を含む。ここで、2つの円がその内側に同じ点を含む場合の可能性としては、
ここで、2個の交点をもつ同じ大きさの円は2個しか描けない。いっぽう、ずらして描くことで新しい円はいくつでも描くことができるので、nがいくつ増えても、任意の2個の円は必ず2つの交点をもち、かつ任意の3個の円が同じ交点を共有することはないのような作図ができるので最大分割はできると保証された。 以上の「できる保証」でたぶん間違いないとは思うが、上記のやり方は同じ大きさの円をいっぱい重ねていく方法である。異なる大きさの円を重ねていく時には
さて、いちおう「できる保証」が確認されたとして、すでにあるn-1個の円に新たにn番目の円を描き加えたとき、領域がいくつ増えるのかを考えてみる。 図1は3個の円があった時に4番目の円を付け加えた場合だが、この場合、1番目と2番目の交点が発生した時に1つの領域が増え、続いて、2番目と3番目、4番目と5番目、5番目と6番目というように、最後の交点に到達し、さらに、円を描くと、6番目の交点から1番目の交点に戻った時に最後の領域が付け加わることになる。要するに、新しい円を付け加えた時に発生する交点の数と増える領域の数は同じである。これはn個の円についても言える。 上記の「できる保証」が成立した場合、n個の円を重ねた時に発生する交点の数は、任意の2個を選ぶたびに2個ずつなので、nC2×2となる。また、最初の円を描いたときにはすでに円の内側と外側の2つの領域が存在しているので、けっきょく、 最大領域数=nC2×2+2=n(n-1)+2=n2-n+2 として求めることができる。 ところで、3つの円を重ね合わせた図というと、すぐにベン図を思い浮かべるが、上記の式から分かるように4つの円を重ねた時に分割できる領域数は「4×4-4+2=14」であって、あらゆる包含関係2n通りを表すことができない。この場合は図2の青線のように、少し凹んだ閉曲線を描く必要がある。【こちらに関連記事あり。】 このほか、ネットで検索したところ、こちらに、 平面をn個の楕円で分割する.その際,どの3個も同一点で交わらないとすると,平面は2(n^2−n+1)個の領域に分割される.という楕円による分割問題があった。さらには3次元空間を球で分割する問題などもあり、興味はつきない。 次回に続く。 |