【思ったこと】 151206(日)刑事コロンボ「殺しの序曲」の偽金貨クイズとその拡張(4)
昨日の続き。以下の問題で、袋が全部で5つ、金貨Bの袋がそのうちいくつあるか分からないという具体例について考えてみることにしたい。
外見は見分けがつかないが重さの異なる金貨Aと金貨B(ここでは重いほうの金貨をBとする)があります。そのいずれかを入れた袋が5個あります。それぞれの袋にたくさんの金貨(=何枚取り出しても空にならないほど十分に多い)が入っているが、いずれも金貨Aのみ、または金貨Bのみであって、混ざって入っている袋は1つもない。3回の計量ですべての袋を、金貨Aの袋と金貨Bの袋に分けるにはどうすればよいか?
さっそく、前回の方法通りに作業を進めることにしよう。
まず、5つの袋に0(ゼロ)から4まで順番に番号をつける。続いて以下のように【計量1】と【計量2】を行う。
- 【計量1】袋0から1枚だけ金貨を取り出して計量
- 【計量2】袋1〜袋4から1枚ずつ金貨を取り出して計量
- 【計量3】袋1から1枚、袋2から2枚、袋3から4枚、袋4から8枚の金貨を取り出してまとめて計量する。
次に、【計量1】の4倍の重さと【計量2】の結果の差を計算する。ここでは【計量2】のほうが12グラムだけ重かったとする(軽かった場合は、袋0には金貨Bが入っていたことになる。この場合は、「増量」を「減量」に読み替えることで以下と同じ考え方で解くことができる)
今回の問題では、袋1から袋4のうち、いくつの袋に金貨Bが入っていたのかは分からない。金貨A1枚と金貨B1枚の重さの差をdとしたうえで、あらゆる場合に分けて、【計量3】がどういう値をとりうるのかを考えてみる。但しここでは、金貨の重さ全体ではなく、金貨Bが計量に含まれていたことによる増加分だけについて考える。
- 袋1から袋4のうち、1つの袋に金貨Bが含まれていた場合
- この場合は、【計量1】の4倍と【計量2】の差12グラムは、金貨Aと金貨Bの1枚分の差となる。
- 金貨Bが袋1、袋2、袋3、袋4に入っていた時の【計量3】の増量分は、順に、12、24、48、96グラムとなる。
- 袋1から袋4のうち、2つの袋に金貨Bが含まれていた場合
- この場合、金貨Aと金貨Bの1枚分の差は12/2=6グラムとなる。金貨Bが入っている袋の場合分けは
- 袋1と袋2:18グラム
- 袋1と袋3:30グラム
- 袋1と袋4:54グラム
- 袋2と袋3:36グラム
- 袋2と袋4:60グラム
- 袋3と袋4:72グラム
- 袋1から袋4のうち、3つの袋に金貨Bが含まれていた場合
- この場合、金貨Aと金貨Bの1枚分の差は12/3=4グラムとなる。金貨Bが入っている袋の場合分けは、
- 袋1、袋2、袋3:28グラム
- 袋1、袋2、袋4:44グラム
- 袋1、袋3、袋4:52グラム
- 袋2、袋3、袋4:56グラム
- 袋1から袋4のうち、4つの袋に金貨Bが含まれていた場合
- この場合、金貨Aと金貨Bの1枚分の差は12/4=3グラムとなる。
- 金貨Bは袋1〜袋4のすべてに入っており、増量分は3×15枚=45グラム
ということで、【計量3】の増量分は、
- 金貨Bが1つの袋に入っていた時:12、24、48、96
- 金貨Bが2つの袋に入っていた時:18、30、36、54、60、72
- 金貨Bが3つの袋に入っていた時:28、44、52、56
- 金貨Bが4つの袋に入っていた時:45
となり、すべて異なる値をとっているので、この例示のもとでは【計量3】の結果から、金貨Bの入っている袋がいくつであるか、どの袋に入っているのかを同定することが可能となる。
次回に続く。
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