じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 半年ほど前からファブリーズなどの除菌・消臭スプレーを使っているが、詰め替え用の液体をプッシュ式スプレーに移すと、それまで霧状に出ていたものが水鉄砲のように直線上に液体を吹き出してしまって使い物にならないというトラブルがほぼ確実に起こり困惑していた。いっぽう、写真右にあるような除菌アルコールスプレーでは詰め替え用に取り替えてもそのような水鉄砲現象は起こらなかった。

 そこでいろいろ試してみたところ、
  1. 除菌アルコールスプレー容器にファブリーズなどの液体を移し替えても、数回プッシュした後は水鉄砲現象が起こる。
  2. ファブリーズなどのスプレー(写真の左2個)に水道水を入れてプッシュすると、霧状になる。
ということが分かった。そこで、ファブリーズなどの液体を水で薄めてプッシュしてみたところ、霧状になることが確認できた。
 以上から、水鉄砲現象は、ファブリーズなどの液体の粘性もしくは発泡性によって生じるものと推定される。もっとも、そうであるなら、スプレーごと新品を購入した時から水鉄砲現象が起こるはずであり、詰め替えをする前になぜ起こらないのかが説明できない。それと、もしこういうトラブルが多発すればクレームが寄せられるはず。なぜ私が使っている商品だけでこうなってしまうのかも不明である。

こちらに関連記事があった。「この薄くなった膜状の液体は振動によってまず板状に変化し、その不安定な板状は直ちに液体の表面張力により柱状となり、さらに引きちぎれて液滴となります。これを膜状分裂といいます。」というのが霧状噴射のカギとなっているように読み取れる。ファブリーズなどの液体は何らかの条件のもとで、表面張力により柱状になりにくい可能性がある。

2016年10月30日(日)



【思ったこと】
161030(日)2016年版「人はなぜ○○するか?」(16)問題行動、クセ

 10月27日の続き。今回は、問題行動、クセに関連する行動について考えてみることにしたい。なお上記の各疑問の左側の「・」は疑問として挙げた人の数を表す。
  • ・人はなぜポケットに手を入れるのか
  • ・人はなぜ、やってはいけないと言われたことをするのか
  • ・・・人はなぜ犯罪を起こすのか
  • ・・人はなぜ依存症になるのか
  • ・人はなぜ体に悪いと知りながら喫煙をするのか
  • ・人はなぜ痩せようと思っているのに食べ過ぎてしまうのか
  • ・人はなぜ忘れ物をするのか
  • ・・人はなぜ顔を触るのか
  • ・人はなぜカンニングをしてしまうのか
  • ・人はなぜ油断するのか
  • ・人はなぜミスをするのか
  • ・人はなぜ約束を守らないのか
  • ・人はなぜ夜更かしをするのか
  • ・・人はなぜ遅刻するのか
  • ・人はなぜギャンブルにのめり込むのか
  • ・人はなぜ暴力をふるうのか
 これらの行動は、
  • 特定のオペラント行動が強化されている場合
  • 望ましいオペラント行動が強化されていないために、望ましくない状態に陥っている場合
  • 依存によるもの(特殊な確立操作、攻撃性好子、依存性好子など)
というように分類して説明することができる。

 「特定のオペラント行動が強化されている場合」に相当する質問としては、
  • ・人はなぜポケットに手を入れるのか
  • ・人はなぜ、やってはいけないと言われたことをするのか
  • ・・・人はなぜ犯罪を起こすのか
  • ・・人はなぜ顔を触るのか
  • ・人はなぜカンニングをしてしまうのか
などを挙げることができる。

 このうち、窃盗や詐欺などの犯罪、カンニングなどは、それが成功した場合に何らかの利益が随伴することで強化される。こうした反社会的行為は通常は刑罰によって弱化されているが、(あくまで思考実験であるが)利益が全く伴わない状況でも起こらなくなる。例えば、空気のように無限に手に入るモノを盗もうとする人は居ない。(←高所や宇宙空間では貴重な好子となるが) また、ノートや教科書の持ち込み可能という試験であればわざわざカンニングペーパーを隠し持つ人はいないし、受験生ごとに異なる問題を出しておけば、隣の受験生の解答を盗み見るというカンニングは起こらなくなる。
 クセと呼ばれる行為中には、何が好子なのかよく分からないケースもある(上記の「ポケットに手に入れる」、「顔を触る」など)。これらはおそらく、特定のポーズをとる時にうまく行動が遂行できたことで知らず知らずのうちに強化されていったものと推測される。例えば、講演の仕事をしている人が、ポケットに手を入れたまま話した時にたまたまうまく話ができて、聴衆の反応も良かったとすれば、クセとして定着する可能性がある。

 次の「望ましいオペラント行動が強化されていないために、望ましくない状態に陥っている場合」にあてはまる質問としては、
  • ・人はなぜ忘れ物をするのか
  • ・人はなぜ油断するのか
  • ・人はなぜミスをするのか
  • ・人はなぜ約束を守らないのか
  • ・人はなぜ夜更かしをするのか
  • ・・人はなぜ遅刻するのか
などがある。これらは、「なぜ○○するのか」という形で記述されているが、必ずしも「死人テスト(「死人でもできることは行動ではない)」という基準をパスしていない。死人テストをクリアするように書き換えると、
  • ・人はなぜ忘れ物をするのか→「所持品をきっちり管理する」という行動はなぜ維持できないのか
  • ・人はなぜ油断するのか→「全体に注意を配分する」という行動はなぜ持続できないのか
  • ・人はなぜミスをするのか→「きっちりとした手順通りに対処する」という行動はなぜ維持できないのか
  • ・人はなぜ約束を守らないのか→「約束を守る」という行動はなぜ維持できないのか
  • ・人はなぜ夜更かしをするのか→「早寝早起きをする」という行動はなぜ守られないのか
  • ・・人はなぜ遅刻するのか→「時間に間に合うように出発して目的地に到着する」という行動はなぜ維持できないのか
というように、必要とされる具体的な行動がなぜうまく強化されていないのか、という点から改善策を図る必要がある。

 最後の「依存によるもの(特殊な確立操作、攻撃性好子、依存性好子など)」は、形式上は「問題行動が強化されているからだ」ということになるが、依存に陥るプロセスはそれぞれ複雑であり、また、その背景となる生活全般にも目を向ける必要がある。(←例えば、アルコール依存は治ったが今度はニコチン依存になってしまったという場合。) 依存に関わる諸理論については話が長くなりすぎるので、今回の連載では省略させていただく。

 次回に続く。