じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡山では、11月26日夜から27日夕刻にかけて合計23.0ミリの雨が降り、文法経グラウンドには水たまりが出現した。この日記では以前より、大きめの水たまりのことを「岡大湖」と名づけ、「湖面」に映る半田山の紅葉を楽しむことにしている。

2016年11月28日(月)



【思ったこと】
161128(月)関係反応についての講義メモ(19)刺激弁別と分化強化(2)

 昨日述べたように、分化強化手続と刺激弁別手続は、反応クラスの数と刺激の数によって区別されている。杉山ほか(1998)では、これらの2×2の組合せにより、以下のように分類されている。【長谷川により大幅改変、補足あり。】
  • 反応クラスが1つ
    • 刺激が1つ:分化強化でも刺激弁別でもない【単純なオペラント条件づけ】
    • 刺激が2つ:刺激弁別【1種類の反応が、Sのもとで強化され、SΔのもとでは強化されない。
  • 反応クラスが2つ
    • 刺激が1つ:分化強化手続【特定の文脈のもとで、ある反応クラスが強化され、別の反応クラスは強化されない。これにより、強化された反応クラスに属する反応が起こりやすくなる】
    • 刺激が2つ:刺激弁別と分化強化の組合せ
 上記のうちの「刺激弁別と分化強化の組合せ」の例としては、車を運転する際のアクセル&ブレーキ操作を挙げることができるだろう。これらの運転操作行動では、アクセルやブレーキをどの位の強さで踏むかというところで複数の反応クラスが想定される。それらは、車の動きを伝える刺激(外の景色、速度計など)を弁別刺激を手がかりとして、踏む強さを変えている。

 以上をふまえて、佐藤(2007、4頁)の記述に再び目を移すことにしよう。上記の基準、つまり、刺激が1つか2つか、反応クラスが1つか2つかという点から見直すとどういうことになるだろうか?
...この点からみて、オペランダムは、弁別刺激ではないと通常みなされているが(e.g. 杉山・島宗・佐藤・マロット・マロット, 1998)、同時弁別におけるSとみなすべきではなかろうか。ハトのキイつつきのシェイピングは、同時弁別訓練も含まれているとみることができるのである。シェイピングされた後のキイつつきオペラントは弁別オペラントではない。そうであるならば、同時弁別における正反応も弁別オペラントではないであろう。同時弁別は、三項随伴性により制御されているのではなく、二項随伴性により制御されている。すなわち、同時弁別は刺激弁別ではなく反応分化もしくはシェイピングとみるべきなのである。青いキイをつつく反応が強化され赤いキイをつつく反応が強化されない同時弁別は、青いキイをつつく反応が分化強化されシェイピングされたのである。


 次回に続く。