じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 岡大生協の利用還元企画の一環として、毎年11月中旬に、食堂や購買利用のたびにスクラッチカードが配布されている。今回、受け取ったカードの1枚に50円の当たりが出た。勤続○○年、この企画で当たりが出たのは初めてであった。なお、残りの外れ券は3枚ごとにガラポン1回による別の抽選の機会があるが、時間が無かったこともありガラポンの行列には並ばなかった。ちなみにガラポンでは一度も当選したことがない。
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2016年11月29日(火)



【思ったこと】
161129(火)関係反応についての講義メモ(20)刺激弁別と分化強化(3)

 昨日再引用した、佐藤(2007、4頁)の記述の最後の部分、
同時弁別は、三項随伴性により制御されているのではなく、二項随伴性により制御されている。すなわち、同時弁別は刺激弁別ではなく反応分化もしくはシェイピングとみるべきなのである。青いキイをつつく反応が強化され赤いキイをつつく反応が強化されない同時弁別は、青いキイをつつく反応が分化強化されシェイピングされたのである。
は、けっきょく、「青いキーをつつく」、「赤いキーをつつく」といった反応は、「スキナーボックス内の壁をつつく」という複数の反応クラスのうちの、特定の色部分をつつくという反応クラスが分化強化されてという考えに立っている。見本刺激として青や赤のライトが点灯するという見本合わせの課題では、「同じ色を選ぶ」という関係反応が強化されており、それゆえ条件性弁別であろうというのが伝統的な考え方であるが、ここで指摘されているように、、単に、青い色が提示されたという条件のもとで、特定のキーをつつくという反応が強化されたと考えることも可能である。特定のキーというのは、青いキーであっても、四角い形のキーであっても、あるいは止まり木(←これに乗れば反応1回と見なされる)であっても構わない。青いライトと青いキーの一致をもって関係反応と見なすのであれば、青いライトと四角いキーも同様に関係反応、さらには青いライトのもとで止まり木に乗るというのも関係反応ということになる。であるとすると、Sのもとで特定の反応をするという二項随伴性に基づく強化は、すべて関係反応ということになってしまい、わざわざ「関係反応」という概念を使う必要が無くなってしまう。

 以上のような見地から、佐藤(2007、4頁)では続いて、以下のように指摘されている。【一部改変】
同時弁別において強化される反応が弁別オペラントでないとするならば、見本合わせは条件性弁別ではなく、複数の単純継時弁別の集まりということになる。このように分析してくると、われわれの第三の児童の課題は、第一と第二の児童に対する課題と同様に二つの単純継時弁別であることになる。すなわち、青いパネル押しオペラントのSはネコの絵でSΔはイヌの絵であり、赤いパネル押しオペラントのSはイヌの絵でありSΔはネコの絵である。かくしてわれわれの三つの課題の構造はいずれも同一であることが明らかになった。
 上記の指摘は、訓練が「ネコの絵→青いパネルを押す」、「イヌの絵→赤いパネルを押す」という対応づけに限られているのであれば十分に正しい。但し、こういう訓練を受けることで、「青い照明→ネコの絵のパネルを押す」、「赤い照明→イヌの絵のパネルを押す」というような対称性(関係フレーム理論でいうところの相互的内包)が派生したり、別に「ネコの絵→猫という漢字のパネルを押す」、「イヌの絵→イヌという漢字のパネルを押す」という訓練を行った結果、「青い照明→猫という漢字のパネルを押す」、「赤い照明→犬という漢字のパネルを押す」といった反応が派生したということになれば、この種の学習を包括的に論じる枠組みとしては、「関係反応」、「派生的関係反応」、あるいは「般化オペラント」という概念を取り入れたほうが、より簡潔で予測力のある説明になるように思う。

 次回に続く。