じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 最近の迷惑駐輪事情。写真左上は、スタンドを取り付けていないスポーツタイプの自転車。平地では自立できないため、通路の手すりや壁に立てかけるように置かれており、通行の邪魔になるほか地震の時には道をふさいで避難を妨げる恐れがある。
 写真右は、このことに対応して設置されたと思われる物干し台型の駐輪設備。これを利用すれば壁や手すりに立てかけるような駐輪は減るはず。(もっとも、このような特殊な自転車で通学する場合には、スタンドを取り付けることを義務化するか、もしくは、別途、通学専用の自転車を購入するように指導するほうがよいかもしれない。)

写真左下は、図書館前の車道の真ん中にポツンと駐輪されている自転車。夕刻にはこのあたりに多数の自転車が駐輪されるため目立たないが、何らかの事情でその日の夜に自転車に乗って帰らなかった場合、翌朝はこのように取り残されることになる。
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2016年11月30日(水)



【思ったこと】
161130(水)関係反応についての講義メモ(21)タクトとエコーイック

 昨日の続き。

 佐藤(2007、5頁)では続いて、
  • 恣意的見本合わせは刺激選択準拠言語によるタクトにあたるとすれば、同一見本合わせは刺激選択準拠言語のエコーイックにあたる。
  • エコーイックは条件性弁別オペラントではなく単純弁別オペラントである。
と指摘している。これは要するに、「青い色」に対して「アオ」という発生することも、「アオ」と書かれたボタンを押すことも、三角形のボタンを押すこともすべてタクトであるという点、いっぽう、青色の見本刺激に対応して同じ青色のボタンを押すというような同一見本合わせ課題は、「アオ」という音声を聴いた時に「アオ」とオウム返しに発生することと同様であるため、エコーイックにあたるという点を指摘している。

 ちなみに、タクトやエコーイックは言語行動の1つとして機能的に分類されているが、関係フレーム理論の観点からはこれらは必ずしも言語行動とは見なされない。トールネケ(翻訳書2013、122-123頁)は、
...Skinnerの定義によるタクトは、RFTの観点からは必ずしも言語的であるとは限らない。もしも、子どもが「イヌ」をタクトするなら、この反応は、以前にイヌを見て「イヌ」と発語したあとにこの行動に随伴して強化を受けたことの結果によるものかもしれない。それでも、これらすべてのことは、「イヌ」というフレーズが関係フレームに関与することなしに、生じることが可能である。そのため、その場合には、このタクトは完全に直接随伴性を通じて確立されたものであるため、RFTの定義に従うと言語的ではない。とはいえ、子どもたちが「イヌ」というフレーズを使うときは、多くの場合それは本物のイヌと(またほかのものとも)派生的関係にある。そうであれば子どもたちの反応は、RFTの基準でも言語的ということになる。
と指摘している。エコーイック(音声模倣行動;反響反応)については、模倣行動一般とどう区別するのかについて、もう少し検討する必要があるが、関係フレーム理論の観点からは、言語行動には相当しないと言ってよいと思う。

 次回に続く。