じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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岡大西門の西側花壇のムスカリ。4月から建設工事が始まるということで、この場所にあった球根はすでに移植を完了してはずだが、回収もれのムスカリ2株が花を咲かせていた。 |
【思ったこと】170316(木)オドノヒュー&ファーガソン『スキナーの心理学』(28)第4章 徹底的行動主義(10) 3月15日の続き。 16項目にまとめられているスキナーの哲学についての特徴のうち、8.の 8.The rate at which an organism behaves is often the most useful dependent variable. 行動の生起頻度が、多くの場合、もっとも有用な従属変数である。 については、次の9.の、 9.Scientists should identify general laws of conditioning by study ing simple responses under controlled circumstances. 統制された環境下で単一の反応を研究することで、条件づけの一般原理を明らかにすべきである。 とセットで考える必要がある。単一の反応であれば、生起頻度、あるいは単位時間あたりの反応生起率(反応率、反応レート)は重要な指標となる。但し、質的に異なる行動を測定する場合は、反応の生起頻度だけでは比較できない場合もある。例えば、オンラインゲームの熱中度は、何回ゲームをするかだけでなく、何時間するのか、どういう優先順位なのかを調べる必要がある。 このほか、という部分については、はたして、文脈フリーの「統制された環境下」というのがあるのかどうか、「単一の反応を研究する」といっても複数種類の反応が連関している場合や、入れ子構造になっている場合の反応をどう研究していくのかという問題があるように思う。 10.の 10.Scientists will be most effective if they proceed inductively and avoid hypothesis testing. 帰納法で研究を進め、仮説の検証を避ける方が生産性が高くなる。 については、学習心理学分野で動物実験が盛んに行われていた時代、ハルなどの、「先に仮説を立て、実験による検証をする仮説演繹法」に対抗する意味があった。この主張に関連して、 佐藤方哉 (1993).行動分析学における動物実験の役割―理論>の敗退と反復実験の勝利. 心理学評論, 36,209-225. が大いに参考になる。 次回に続く。 |