じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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ソメイヨシノの花が散り、たくさんの花びらが座主川を流れていく様子が見られるようになった。 |
【思ったこと】170415(土)関係フレーム理論をめぐる議論(11)刺激機能の変換とレスポンデント条件づけ(1) 関係フレーム理論の主張の中で私が未だによく理解できないのは、刺激機能の変換とレスポンデント条件づけとの関係である。 刺激機能の変換についてはこのWeb日記でも何度か取り上げてきた。臨床家向けの解説『臨床家のための「関係フレーム理論」入門』(ブラックレッジ=モーラン, 2009、92頁〜93頁)では、刺激機能の変換は次のように説明されている。【一部、ヘイズらのRFTの本(パープルブック)からの引用に基づく】 相互的内包および複合的内包によっで,一度刺激が関連づけられると. 関連している刺激の刺激機能(すなわち,これらの刺激の行動に対する影響の仕方)は,それらがお互いどのように関連し合っているかによって変化する。...【略】Hayes et al.は. 刺激Aが特定の心理的機能を持つ場合,刺激Aと関連づけられている他の刺激の機能も,両者の間の派生的な関係にもとづいて修正されることを示唆しでいる。刺激Aが特定の心理的機能を持つ場合に,刺激Aと刺激Bが等価な関係にあるという文脈では,刺激Bも類似した特定の心理的機能を獲得する。相互的内包および複合的内包の成立が異なる刺激機能の生起をもたらす場合には,当然常に機能の転換が生じているということをここで強調しでおく必要があるだろう。 もう1つ、トールネケ(2013、124頁)では、刺激機能の変換に関しては以下のような説明もなされている。 「恣意的に適用可能な関係反応」と「関係フレームづけ」は、同義語である。同じように同義の用語は、本章の章題にも使われている「派生的関係反応」である。人間にとって、この行動は、学習の可能性を決定的な仕方で変える。つまり、それは、刺激機能が刺激間の非恣意的関係、あるいは随伴性によってのみ決まるものであった場合には不可能な仕方で、刺激機能を操作することを可能にする。ひとたび派生的関係反応が学習されて示されると、刺激機能は、これらの反応を通じて、瞬時に変わり得る。弱化的だったものが強化的になることができ、その逆もまた可能となる。【翻訳書124頁】私自身の疑問は、「相互的内包および複合的内包によっで,一度刺激が関連づけられると」という時の関連づけと、レスポンデント条件づけをもたらす刺激呈示の手続は極めて似ているのではないかということ、であるとするならばそれらは統一的な法則に従うのではないかという点である。もっとも、動物実験で検証する限りにおいては、シンプルな条件反射の原理しか見出すことはできない。人間特有の「恣意的に適用可能は関係反応」がどういう条件のもとで優位に立つのかを明確にする必要がある。 次回に続く。 |