じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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岡山では7月20日以降7月24日まで5日連続で熱帯夜となっているが、興味深いことに、この夏はまだ一度も猛暑日(最高気温35℃以上)が出現していない。【こちらのデータ参照。】 週間予報によると、7月23日昼の時点では7月24日以降の7日間で5回猛暑日となることが予想されていたが、7月24日朝の予想では週末のみ3回になると修正されていた。 猛暑日が現れない原因の1つは、上空の寒気のせいか曇りがちの日が多いことにある。これまでのところ、7月中で日照時間が10時間を超えたのはわずか4回となっていた。【もっとも、昨年も7月は上旬以外は不純な天気となっており、猛暑日を含む本格的な暑さは8月になってから続いたようである。今年の夏はどうなるだろうか? |
【思ったこと】 170723(日)ボーム『行動主義を理解する』(55)刺激性制御と知識(5) 少しあいだが空いてしまったが、7月14日に続いて、 ボーム(著)森山哲美(訳)(2016).『行動主義を理解する―行動・文化・進化―』 二瓶社. の話題。 前回のところでは、複雑な文脈のもとで複数の弁別刺激が複合的に機能する例を取り上げた。翻訳書142頁からは、それらをふまえた上で、行動連鎖など、「拡張された系列」について論じられている。一連の行動の系列の中で、行動の結果は後続する行動の弁別刺激となり、まだ、その結果自体が強化刺激となる。私が理解した範囲で言い直せば、行動が強化されている時、その行動に随伴する結果は強化刺激(=好子)であると定義されるが、結果自体に独立した強化機能がない場合でも、一連の行動の系列の中では強化刺激として機能する場合があるという意味であるようだ。例えば、ガソリンスタンドに行ってガソリンを満タンにする場合、燃料タンクの目盛自体は単独では強化機能は持たない。(もし、満タンの目盛表示自体が強化刺激(好子)であるという人が居たら、その人は、特に用事がなくてもタンクを空にするために車を動かし、満タン表示の回数が増えるように行動するはずである。) もしそうでないとするなら、燃料タンク計の表示は、行動系列の中間にある条件性強化子として機能しているはずだ。もっとも、このあたりは議論の対象となっており、本書ではそれ以上の深入りは避けている。いずれにせよ、行動連鎖がおこるしくみは、巨視的行動主義においては特に重要と思われる。 本書ではさらに、系列があまり重要でないような活動が巨視的観点から取り上げられている。すなわち、 系列が重要であろうとなかろうと、全体の活動は、究極的な強化子、つまり、ほとんどあるいはすべての部分が完了した後で生起する強化子によって維持される。こうした、一連の行動の起こりかたは、行動生物学で検討されてきたFixed action pattern(信号刺激の連鎖による一連の行動)とはかなり異なっているようである。 次回に続く。 |