じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 福島に向かうため、東京駅から東北新幹線を利用した。出発ホームには修学旅行とみられる高校生が集合していたが、驚いたのは、そのうちの8割以上がスマホを操作していたことである。自由席からガラス越しに見渡した限りでは、本に目を通していたのは2名のみ、友人とおしゃべりをしていたのは1割弱であった。このぶんでは、ホームの表示、入線する車両、あるいは乗車後の車窓の景色などにもあまり興味をもたず、ひたすらスマホ画面に熱中している生徒も相当数にのぼると推測される。

 4月23日の日記で、都心の地下鉄乗車中、周りに座っている人たちの8〜9割がスマホ操作をしていることに驚いたことがある。こうしたスマホ普及がどういう影響を与えるのかは種々の見方があると思うが、何らかの事故や災害で、スマホが全く使えなくなった時、いま自分がどこに居るのか、どうすれば目的地に移動できるのか、全く見当がつかなくなるのではないかと心配してしまう。

2017年10月09日(月)


【思ったこと】
171009(月)日本行動分析学会第35回年次大会(1)東日本大震災から6年の福島

 表記の大会が、福島駅西口の「コラッセ福島」で行われた。「超高齢社会における行動分析学」というタイトルの学会企画シンポジウムに話題提供者として招かれたこともあり、2日間にわたり参加させていただいた。

 土曜日は朝から「東日本大震災から6年の福島」というタイトルの大会企画シンポが行われた。話題提供者は、震災および原発事故による大規模避難時にご尽力された地元の小学校教員やメンタルヘルス支援者であった。

 福島には前日夕刻に到着していたが、ホテル宿泊中、真夜中に最大震度5弱、福島市では震度4という地震がおこりビックリしたところであった。シンポによると、現在では原発事故による立ち入り制限区域も縮小され、徐々に元の暮らしが戻りつつあるとのことであった。話題提供の中では、発達障がい児やその保護者への支援も取り上げられた。また震災体験をトラウマ化してしまい、いまここで生じている不適応の原因をトラウマに帰属させてしまう傾向について、行動分析学的観点から批判的見解が述べられた。例えば何かの行動がうまく起こらなかったとすれば、それは、その行動がうまく強化されていないからであり、逆に問題行動が起こっている場合、その原因は、その行動が強化されているためであるというのが、行動分析学の基本的立場である。もちろん、過去の震災体験は、強化履歴として、習得性嫌子の形成やレスポンデント条件づけにおける条件刺激の形成に影響を与えているであろうが、基本はあくまで、現在の環境において、確立操作(動機づけ操作)や、強化や弱化といった観点から行動をとらえることにある。

 現場の生の声を拝聴するという点では大いに意義深いシンポではあったが、現場で実際に行動分析学がどのように活用されたのかという点については、必ずしも十分な分析はなされておらず、体験報告的な内容に終わってしまった点が少々残念であった。

次回に続く。